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No.237経済活動としてのNPO (no.237)

(09.04.17)

  満開の桜も散り始め、若々しい新緑に新たな希望を感じる今日この頃です。

 4月は前年度の決算と今年度の予算を立てる時期であり、連日数字とにらめっこで悩ましい日々を送っているところです。

  法人格を取得しているNPOは、年間約80,000円の均等税の支払いやその他の税務対応、職員の労働条件を整えていく労務対応なども要求され、その上でのやりくりは至難の業であると言わざるを得ず、たかだか1200万円程度の収支ではありますが、考えれば考える程その責任の重さを実感してしまいます。

  経済学など学んだことがない私ですが、入ってくる金額と必要な経費につじつまを合わせていく行為の中で、世の中の理不尽なあるいは不公正なお金の動きにまで思いをはせることになります。

  第1部第1章を読んだだけで、「積読」状態になっている「アメリカの高校生が学ぶ経済学」(ゲーリーE.クリイントン著・WAVE出版)という、ずいぶん前に購入した本が家にあります。

その本は、アメリカの高校生の経済学の教科書を訳したもので、冒頭には「ただで手に入るものなどない」とはっきり記されています。子ども時代にこういった世の中の仕組みについて、きちんと学んでおくことはとても大事なことだと今更ながら実感します。(「積読」状態なので、偉そうなことは言えませんが...)

  「ただで手に入るものなどない」ということは、無料のサービスを受けたとしても、誰かがその代償を支払っているということです。資本主義社会の日本では、たいていの価値はお金で換算されており、金銭が介在する需要と供給の中で成り立っているのです。安値であるということは、生産過程や流通過程のどこかに無理が生じている場合が多く、まわりまわって自分たちの日常に振りかぶってくるということへの想像力を養うということが大事だということです。

  社会構造上の弱者を対象に、事業展開しているNPOはたくさんあり、SEANもそのうちの一つです。必要不可欠な需要はあっても、需要者に十分な資金がないというケースが多くあります。供給者の方も、金銭的に余裕があり志だけで支援者となりたいという人材がごろごろいるわけではありませんし、志だけで請け負うには責任が重すぎる内容が多いというのも、需要と供給のバランスが崩れる理由の一つだと思います。

ほっておくわけにはいかないので、誰かの努力で引き受けたとしても、その金銭的な穴を埋めるために気前よく寄付金やカンパで支援してくれる人もそんなに簡単には確保できず、そんなジレンマをいつも抱えている現状が多くのNPOにはあると思います。

  賃借料や光熱費などを削るわけにもいかず、それらの代償は本来必要経費であるはずのスタッフの給与を抑えることで、なんとか事業継続しているというのが実態ですが、事業運営の要となり責任を担う職員の人件費が確保できなければ、継続運営も夢と消えてしまいます。

  そして現状では、特に若い世代の生活にゆとりがなく、余暇をボランティアにといった恵まれた時代ではすでになくなっており、一部の裕福な人たちを除けば、私も含め誰もが日々稼がなければ、自分や家族の今と未来の命の継承さえも危ぶまれる現実の中で生活しています。

  そんな悪循環を抱えるNPOを支援するとうたう助成金でさえも、事業を遂行するための団体職員の人件費を認めないものも多く、NPOが雇用促進していける時代への突入はまだまだ先のことだとあきらめ気味になります。

 NPOがめざすのは、みんなで支え合う社会のはずです。会費や寄付金は、税金と同じく支え合う社会のための貴重な財源となります。SEANも会員のみなさんの「汗・知恵・金」で支えられ、これまで活動を継続してくることができました。2009年度もそこのところをご理解いただき、ご協力いただければ幸いです。

  多くのみなさんにご理解いただき活動を支えていただくためにも、事務局長として私も説明責任をきちんと果たしていきたいと思っているところです。                    

 2009.4.17 かえこ

 

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