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No.73ジェンダーフリー教育の5つの害!?

(03.11. 3)

 某市議会の9月議会で、ジェンダーフリー教育5つの害として
未婚・離婚率の増加、少子化、DV・少年犯罪増加、性同一性
障害・同性愛者の増加がおこるという質問があったと聞きました。
 私たちがジェンダーフリー教育を実施しているのは、DVや
少年犯罪などを防止し、誰もが加害者にも被害者にもならずに
すむ社会を目指しての事であり、この質問内容にとても違和感
を感じました。

 「ジェンダー」とは、社会的・文化的につくられる性差のことで、
「女」「男」はこうあるべきとの決め付けや固定観念は、それに
あてはまらない人たちへの抑圧や差別を生み出し、男女間、
男性間、あるいは性的多数者と少数者間での力関係や暴力
を生み出す、それらを防止するためにSEANではジェンダー
フリー教育に取り組んでいます。

 たとえ、未婚や離婚率が増えたとしても、今までどちらかの我慢
や惰性で維持していた結婚を、共に人生を歩みたいという両者の
尊重と責任の上で考え直すことで起こることだとしたら、害であると
言いきれるものではないと思います。
 また、ジェンダーフリー教育は子どもを産まないことを推し進める
ものではなく、個を尊重し合う生き方への提言であり、子育てを
母親一人に押し付けない考えは、むしろ安心して子どもを産める
社会につながるものです。そして、安易に少子化と騒ぐ中で、どれ
程多くの子どもを授からない女性たちが追い詰められているかを
把握し、世界規模での人口増加も視野に入れつつ、これから
少子化をどう考えるかを議論する必要性を感じています。

 性同一性障害や同性愛者が増加するといった懸念については、
今まで差別される中で沈黙を余儀なくされていた人たちが、やっと
声を上がられるようになるということでしょう。

 またDV増加の懸念ですが、それはまったく逆で、先だって
アメリカ・マサチューセッツ州の民間団体「メンズリソースセンター」
(1982年設立)の代表者と、同センターでDV加害者の再教育
プログラムのインストラクターをされている方が来日し、豊中で
行われたシンポジウムでも、男女への役割期待から生まれる
性差別社会が、DVを作っていると話されており、SEANの見解と
一致していました。

 「その性差別社会ではありのままの姿が歪められ、女性は独立心
を男性は共感する力を否定される。その期待に反すれば罰せられ
従えばほめられ、男性は女性を支配しても良いことを、女性は
男性に服従することを学びそこからDVは生まれる。
その性差別社会は、男性にとっても望ましい社会ではない」と
話されていました。

 犯罪を起こす加害者が少女ではなく少年に多いこともまた、
性差別社会すなわちジェンダー・バイアスから生まれるものと
実感しており、ジェンダーフリー教育の推進はDVや少年犯罪を
増やすのではなく減らすことにつながるものと確信しています。

 この質問をされた某市の市議会議員の方は、当事者の声や
被害者および加害者支援団体が当事者から学び取ってきた見解
を聞かれたことがあるのか、残念ながら疑問に思ってしまいました。
 
 この国の方向性を決めていく選挙の投票日が、目の前に
迫っています。事実から学ぼうとしない不勉強な議員ではなく、
どの国のどの人の命も尊重される政策を打ち出す政党や議員に
私は投票しようと思っています。
 
                      2003.11.3 かえこ 

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