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待つ・許す・思い続ける

 YWCA VAWSS-Nファシリテーター養成講座を修了した4名のSEAN会員がプロジェクトを立ち上げ、2003年度事業としてSEAN VAWSS-Nプログラムを提供していくこととなりました。
 女性に対する暴力の現状や問題点を広く社会に向けて啓発するとともに、隣人を含めた直接的サポーターのより適切な援助を学ぶ場として、ビデオ教材「女性への暴力〜回復へのプロセスとサポート実践」を使って被害者サポートセミナー(基本2時間の講座)を提供していきます。依頼等のお問合せについては、SEAN事務局まで。尚、先の話ではありますが9月20日には主催講座を予定しています。
 さて、先日YWCAにてそのプログラムを実施していこうとする仲間の情報交換の場が持たれ、スタッフみんなで参加しました。その中で、ある参加者の方が「サポーターのみなさんは『待つ』『許す』『思い続ける』といった3つのことにたけている。」という話をされ、そのキーワードを心に刻みました。
 被害者として様々な暴力の中で力をなくしてしまっている人へのサポートは、時には支援者自身も深く傷つき消耗してしまうことがあります。それ程に、一度傷ついた心の傷はそんなに容易に回復できるものではなく、支援者に余裕がなく回復を期待し焦りすぎることで被害者も支援者も傷ついてしまうことがあります。支援者が心に余裕を持って、寄り添い『待つ』事はとても重要なことです。
 被害での心の傷が大きければ大きいほど、被害者は人を容易に信頼できなくなり、その支援者が安心できる人であればあるほど、その人への信頼を試すために攻撃を仕掛けてくるケースもあります。そのありのままを受容し、もちろん支援者自らの人権を守るためには時にははっきり「NO」を言いながらも、「許す」ことのできるかかわりが必要なのだと思います。
 被害者が自らの手で自分の人生を選び取っていけるようになることを信じ、「思い続ける」支援者がそばにいれば、その支援者への信頼が被害者自身への信頼へとつながり、回復へと向かうのだと思います。
 そして、もう1つ経験を通して追加しておきたいことがあります。それは「決して責任の肩代わりはしない」ということです。「責任を負う」という言葉には、負担を背負わせるといったイメージが強く、一見冷たく見えてしまうこともあるかもしれません。「責任を負う」ということは、自分の人生を自分の手で選び取っていく証だと私は思います。自分の選んだことを一つずつ丁寧に、誰のせいにもせず、誰かのためだと逃げず、結果を引き受けていく中で必ずエンパワーされていくことは私自身が経験の中から実感してきたことです。もちろん、負いきれないで立ち止まることも、少し後戻りすることがあってもいいわけなので、肩代わりせず応援しながら回復を信じて『待つ』ことが必要です。
 これらの4つのキーワードは、女性への暴力だけでなくいじめやひきこもりなどの問題の中でもがき傷ついている人たちに寄り添うときにも、また子どもたちと関わる時にも適応するのではないかと思います。
 そして、私自身が生きていく中でも、焦らず「待つ」ありのままの自分を「許し」受容する、自分の力を信じ「思い続ける」、そして私の選択の責任を私自身が担い、一歩一歩人生を積み重ねていくための大事なキーワードになると思っています。

小さな出会いから大きな共感へ

 コラムno.58でご紹介した「絵本100冊読んで見えてきたもの」という報告書が、
3月30日(日)付けの毎日新聞全国版で紹介され、全国各地からお申込みを
頂きその注文が100冊を超えました。
 注文して下さったのは一般の方だけでなく、教員(大学・高校他)、出版会社、
図書館、男女共同参画センター、幼稚園、保育所などなど多岐にわたる方々から
のもので、その冊数だけでなくそのことからもうれしい悲鳴を上げました。
 今回のお申込み頂いた方からの情報で、「ジェンダー・フリーで楽しむこどもと
大人の絵本」(草谷桂子著/学陽書房発行)という本が出版されていると聞き、
SEANでも購入することにしました。
 するとなんと驚くなかれ、その草谷桂子さんご本人からSEANの報告書の注文を
頂きました。報告書をお送りする際に、SEAN発行の他の報告書類の情報を
お送りしたところ、それらの追加注文と心温まるSEANへのカンパまで頂けることと
なりました。
 その上、ほとんどミーハー状態になっている私たちのところにさらなるプレゼントが
舞い込んで来ました。それは、著者である草谷さんからのご紹介ということで、
ジェンダー・フリーってなあに?(1)「プレゼントはたからもの」(2)「おきゃくさんは
いませんか?」(3)「ぼくはよわむし?」という3冊の絵本で、大月書店から献本
として送られてきました。
 早速読ませていただいた絵本の内容を読んで、またまた不思議な共感に胸が
高鳴りました。
 (1)「人はそれぞれみんな違う。ジェンダーフリーとは、男女の役割を交換する
ことでも、男女が同じになることでも、男のかわりに女が強くなることでもなく、
おたがいを大切に育みあって生きていくこと」(2)「ジェンダーにとらわれず、
女の子も男の子も芽をつまれることなく、職業について、将来について、たくさんの
夢と希望を語ってほしい」(3)「『男は強いから泣いてはいけない』と育てられた
男の子はときに、相手を腕力で屈服させることで強さを示そうとするかもしれない。
ジェンダー・フリーとは、対等な人間関係を築くもの」とあとがきに記されています。
 これらの内容は、中学生を対象に昨年度開発し学校で実施しているSEAN G-Free
プログラムの中身そのものだったからです。
 偶然のちょっとしたきっかけから草谷さんと出会い、共感する思いを確認しあえた
ことが、私たちの取り組みが間違っていないという確信になり、活動を続けていく
ための大きなエネルギーとなりました。
 このままでは止められない。ついつい調子に乗って、今年度も引続きSEAN絵本
調査プロジェクトを立ち上げ、年度末には第2弾の報告書をと思っています。
 みなさん、どうぞお楽しみに!
                                      2003.5.15 かえこ

人との出会いとつながりは不可能を可能にする力

 こういう活動をしていると、本当にたくさんの人との出会いを
得ることができます。先だってようやく名刺入れを大きなものに
替えたところですが、もうすでに収まりきらなくなってしまいました。
 様々な社会問題を大きな視点でとらえると、どの取り組みにも
片足を突っ込むことになり、その切り口ごとに人とのつながりも
広がります。また、インターネットを媒介にすれば、地域を越えて
のひろがりも生まれていきます。
 「ジェンダー」という共通言語が通用する人たちとの枠を越え、
例えば「NPO」「子ども」「平和」「福祉」「教育」「経済」「政治」
といったキーワードで人とつながることや、例えば女と男やそこに
属さないセクシュアリティの人たち、また市民と行政職員などの
異なった立場で生きている人たちと出会いつながることが、
様々な問題を解決するための糸口になるのではないかと思っています。
 多くの人と出会う中で、初めてお会いしただけで直感的に
共感しあえると感じる出逢いもあり、これからもきっと何かの形で
つながっていくものと確信する場合がありますが、同じ思いを
相手の方から聞かせて頂く時などは、必然的に起こっている
不思議な縁を感じることさえあります。
 名刺のメールアドレスを頼りに、その名の通り「勝手にSEAねっと通信」を
送り付けながらも、元来小心者の私は内心「迷惑だ!」と拒絶されるのでは
ないかとびくびくしたりもしています。
 そんなリスクも覚悟の上、一か八かの思いで送信し続ける中で
共感の輪を広げ具体的行動へとつないでいくことを目指しつつも、
自分でもどこでお会いしたかさえ思い出せない方から、
「いつもメール読んでますよ。」とにこやかに声をかけて頂く事もあり、
思い出せないでいる自分にもどかしさを覚える事もあります。
 人との出会いとつながりは不可能を可能にする力と信じ、
必然的に生まれゆく小さな出逢いを丁寧につなげていければ、
きっと社会変革を生み出す力になるとひそかに野望を抱きつつ、
6月8日(日)総会終了後に公開イベントを実施します。
 国際戦犯法廷の兵庫公聴会に参加した時、VAWW-NET Japanの
柳本祐加子さんとRAFIQの若者たちの報告を聞き、いたく感激し
是非機会を作りこの心を揺さぶられる感覚をみなさんとも
共有したいとの思いを今回実現できることとなりました。
 小さな出会いを大きな輪に広げていくために、みなさんぜひぜひ
ご参加下さい!これからの社会のあり方を、共に模索していければと思います。
 くわしくは、HPのイベント情報ページをご覧になるか、station@npo-sean.orgまで
お問合せいただければと思います。
                               2003.6.1 かえこ

NPOに託す「夢」

画一化された共産主義社会や、権力志向の政治家と営利第1目的の
一部の企業が牛耳る資本主義社会の行く末に期待が持てないことは、
もはや歴史が物語っている事実だと思います。それでは、これからの
社会をどう具体的にイメージしていくのか?そんなことを少し私なりに
考えてみました。
 個人に生じる様々な問題を社会問題と捉えなおし当事者と第三者が
つながりながら、その問題に取り組んでいくNPOが活性化する中で
経済が緩やかにまわっていく社会、そんな社会が育っていくことで、
世の中はもう少し住みやすくなるのではないかと私は期待しています。
「お金」を単純な1つの価値基準と捉えなおし、人を含む全ての生き物の
生命を育み地球環境を守ること、弱者を援助すること、暴力や差別を
許さないといった取り組みや、子どもたちへの本当に必要な教育などに
「お金」を循環させるために、そこで働く者への正当な労働対価を保障する
ことも含め、
個人、行政、事業者が自らへの見返りだけを期待せず、いさぎよく
それらの活動に「お金」をそそぐ覚悟を決めることなのだと思います。

 そんな壮大な夢を抱きつつも、実際に法人を運営していると、まだまだ
NPO活動や法人を取得することの意味が理解されない中で、憤りを覚える
ことも多々あります。

 私たちのような一市民が運営している法人は、まず認証を受けるために
幾つかのハードルを越え、常に情報公開を行い、人件費を削ってまでも
税金を納め、ましてやややこしい税務処理をまじめにやりなんとか運転資金を
捻出し事務所維持しているのが実態です。
 それにもかかわらず、「法人格を取得している団体は、公的に補助でも
もらっているんでしょ。」と誤解されたり、なんとか自力で事業収入を
確保しようとしても「NPOなのに金儲けをする気か」と陰口をたたかれ、
公的機関からは企業なみに扱われたり、「自立運営するために委託金や
補助金に頼るのはよくない」「法人格を取得しているからといって特別扱い
はできない」と言われ、自らの人件費を削りながらも「労災にかけなさい。
最低労働賃金は保証すべき」と指導を受け...。右に行こうとしても、左に
行こうとしても、足かせが多く、がんじがらめの中でなかなか前に進めず、
活動そのものにエネルギーを注げなくなってしまうような息苦しさがあります。

 正直なところ「それじゃぁ、どうしろって言うんだ!?」と、怒りが爆発
しそうになる瞬間もあったりします。経営という側面に「ど」がつくほどの
素人集団である私たちが、発展途上の中もがき苦しんでいるというところです。

 でも、私には先に述べた「夢」がありますし、この活動への思い入れや、
確かな動機付けがある以上、そんなに簡単に投げ出すわけにはいきません。
理解や協力、信頼を得るために、気長にけれども確実に多くの人や組織を
味方につけるだけの説得力を身につけ、同じ思いを抱えるNPOとつながり
数の力にしていきたいと思ったりしています。

みなさんの持つ情報や知恵や経験を、そしてどうぞ理解と協力と愛情と資金を、
SEANに、また、まじめに悪戦苦闘しているすべてのNPOにお寄せ下されば
と願います。

   2003.6.14 かえこ

『弱さ』を再考する

 言葉の解釈が無自覚なまま、私たちの生き方を左右する価値観に
つながっていることがあります。
 no.51で『強さ』と『やさしさ』についての、定義のしなおしが必要であると
書きました。「男は強く」「女はやさしく」といったジェンダーにとらわれると、
男性性の攻撃性や支配欲、女性性の受動性や自己犠牲を肯定し、対立が
生まれた時に安易に暴力的解決方法を取り、被害者に暴力の責任を
転嫁してしまうことにつながります。真の『強さ』『やさしさ』とは、「自他を尊重し、
決して人の心やからだを傷つけない方法で問題を解決していける力」であると
SEAN G-Free(ジェンダーフリー教育)プログラムでは定義付けしています。

 今回は、G-Freeスタッフミーティングで『弱さ』について話し合った内容を
踏まえ、私なりに『弱さ』について考えをまとめてみました。
 私は正義感と好奇心は旺盛でありながら、自己主張がうまくできない自分を
不甲斐ない『弱い』人間だと思い込む子ども時代を過ごしました。今考えると、
自己主張のスキル(技術)を学んでいなかったことや、経験不足、不安を
解消するための適切なアドバイスを貰えていなかったことやジェンダーによる
自己イメージが、自己主張や行動の制限につながっていたのであり、
それはいわゆる『弱さ』ではなかったのだとの思いに至りました。
しかしながら、自分自身を『弱い』と思い込み、一生懸命強がってしまう自分に
今でも出会うことがあります。
自分の行動に『弱さ』のレッテルを貼る時、その解釈が間違っていることも
結構あるのかもしれません。

 また、私たちはなぜその『弱さ』を否定的に捉えてしまうのでしょうか?
『強さ』は『勝つ』というプラスイメージ、『弱さ』は「負ける」というマイナスイメージ
であり、人より劣っているという意味合いに於いて『弱さ』を忌み嫌うのかもしれません。
 人は『強さ』と『弱さ』を兼ね備えている存在、故に人は支えあいいたわり合って
生きています。 もし、ここに生まれて間のない赤ちゃんがいたら、その『弱さ』
故に手を差し伸べ守りたいと思うように、『弱さ』とは本来劣っているということ
ではないはずです。
 勝つことや人を支配し尊厳を踏みにじる行為を『強さ』としてとらえている限り、
『弱さ』はいつまでたっても支配されること負けることとして忌み嫌われます。
 強者が弱者を支配ではなく、その強さを行使する中で両者をエンパワーする
関係を築くことができれば、『弱さ』をプラスイメージに置き換えることができる
のかもしれません。
 『強さ』も『弱さ』もひっくるめて、誰もがありのままの自他を受容し共存できた時、
構造的な力関係の中でさえ暴力が生まれない社会が築けるものと思います。
                       2003.7.1 かえこ

ファミリーサポートセンターについて

 私は2001年度市民公募による高槻市市民活動促進懇話会の委員として、
市民活動を促進することの意味や重要性をずっと議論してきました。
その内容を提言書としてまとめ市へ提出したことを受けてか、今年度の施政方針の
中で「市民生活の身近な地域ニーズに対し、ボランティアグループとNPOなどが
一定の対価の下に、きめ細かなサービスを提供する、いわゆるコミュニティビジネス
については、生きがいや自己実現、雇用の創出等の効果も期待できることから、
多くのプロジェクトが生まれるよう、先進事例を参考にしながら育成、支援の仕組み
づくりに向けて検討してまいります。」と言う言葉が盛り込まれました。
 また、今回の議会の中で、高槻市でもようやくファミリーサポートセンターを開設する
方向で予算化が進められています。ファミリーサポート事業とは、地域に於いて育児の
援助を受けたい会員と行いたい会員をコーディネートするサポート活動のことで、
地域ニーズに応えるものとしてその開設については私たちも歓迎しています。
 しかしながら、今回のファミリーサポート事業は、市の直営で実施するという方針が
打ち出され、コミュニティビジネスへの育成や支援どころか自力で何とか運営している
NPOと競合する形でその領域に参入する形で行われようとしています。そのことへ
疑問を投げかける意味で、今回当法人から市へ要望書を提出させていただいた次第です。
 その提出に関して、「せっかく今まで市といい関係を作ってきたのに、何故そんなことを
したのか?」と言った発言が私の耳に届きました。その方の言う「いい関係」とはいったい
どういう意味なのでしょうか?残念ながら、私にとってその言葉は「市にとって都合の
いい関係」としか聞こえませんでした。
 確かに決定には、様々な政治的なあるいは経済的な動きが絡んでいることは知って
います。けれども、官と民の構造的な力関係において要望書を提出するなど意見を
表明することは、私たち市民の大切な権利の行使です。ましてや、その方法もよく分から
ないまま、また的確なタイミングなども手探り状態の中でどうにかこうにか行使するわけです。
 『もっとうまく怒りたい!』(キャスリン・フィッシャー著/学陽書房)という本の中に下記の
ような文章を見つけました。
 「非暴力の基本的な3つの方法は、?非暴力と説得―間違っていることをはっきりさせ、
他者に理解できるよう手助けする。たとえばスト、デモ、ロビー活動、署名など。
?非暴力的非協力―間違っていると考えることに参加するのを拒否することができる。
ボイコット、ストや納税拒否など。?非暴力的介入―間違っていると考えるところに踏みこみ、
封鎖、不服従、座り込みによって妨害する。」
 日本ではこういった非暴力の方法でさえ、まだまだ否定的かつ攻撃的なニュアンスで
取られることが多々あります。でも、黙っていたのでは現状を知ってもらうことも出来ませんし、
現状を変える手立てにもなりません。私たちの立場から見えていることの事実は事実として、
めげずにこれからも意見は表明していきたいと思っています。      
                          2003.7.15 かえこ

女性の社会進出!?

 最近は、講演やワークショップ依頼以外に原稿依頼や対談などの依頼も舞い込んで
くる様になりました。

 さて本日、滋賀県にある淡海ネットワークセンター(http://www.biwa.ne.jp/~ohmi-net)
の情報誌「おうみネット」9月号特集記事の対談を仰せつかりました。
 対談者はNPO法人びぃめ?る(http://www.bmail.gr.jp/)代表の小川泰江さん。
夫の転勤で滋賀県に転入してきた当時生活情報が手に入らず、何とか必要な人に
必要な情報を届けたいとの思いで情報誌を発行しておられるとのこと。
ペーパーやWEB上の編集の仕方など技術的な部分は「プロやんかぁ?」って納得。
「うちにもそういう技をもった人が参加してくれるか、育ってくれないかなぁ?」なんて
ちょっとうらやましくもありました。

 元気な女性や活動に出会えると、私もパワーやヒントがもらえ元気が出るのですが、
どこも同じく人件費や運営費捻出のための財源確保に苦労している実態に、抜本的な
解決方法もなく頭の痛い現実にため息が出てしまいます。

 さて、詳しい対談内容は「おうみネット」を手に入れてもらって読んでいただくとして、
「女性の社会進出」という言葉について考えるきっかけを頂きました。
以前あるシンポジウムのシンポジニストとしてお招き頂いた時にも「家事・育児は
社会参加にはならないのか?」といった質問を頂いたことがあります。
 みなさんは「社会進出」「社会参加」といった時、その「社会」っていった何をさすと
思われますか?
 私は、人は生きてそこに存在するだけで、社会を構成している一員であると考えています。
例えば、社会の流れに無頓着で新聞にも目を通さず意見ももたない、投票などにも行かない
としても、無自覚のうちに今の社会の問題を肯定し、温存していく意思表示をしてしまっている
ことになるわけです。
 また、「社会」は経済活動だけで成り立っているわけではなく、日常生活レベルから
子どもたちへの教育、自然環境保全や社会的弱者へのサポート、政治活動など幾つもの
営みで成立しているわけです。現状では、性別によって役割のバランスに偏りがあり、
今の経済中心主義の世の中に於いては、多くの女性たちは「社会」から切り離された、
すなわち経済活動や様々な決定機関から切りはなされた所に生きていることが多く、
「社会進出」「社会参加」という言葉が用いられてしまうのだと思います。
 「おとうさん、子育てに参加しましょう!」という呼びかけに私は違和感を感じています。
それは、すべての大人は子どもたちの未来に責任を持つべき存在だと思っているからで、
ましてや父親となると参加レベルの話ではないと思うからです。
それと同じように、社会は「進出」するものでも「参加」するものでもなく、成り立たせている
一人として責任を持つべきものなのだということを再確認しました。 

 個人として生き、そして集団として共存する時、どれもなくてはならない営みで、性別による
営みのアンバランスから生じる権力や支配の構造を崩すべく、個人がバランスよくいろいろな
切口の営みの情報を得ながら、自ら生き方を選び責任を果たしていく社会になればと
思っています。
                       2003.8.1 かえこ

ちょっと息抜き...

 今年のお盆休みは、山積みの仕事を頭の片隅におきつつ、「休まなければ」 といった半ば義務感も働き、ひたすらだらだらと過ごしました。  なので、本調子にならない頭と身体を引きずりながら、今回は息抜きのコラムです。 (日頃いたって真面目な生き方をしているせいもあって、本来はきつ?い冗談や いい加減なこともたくさん言う生粋の関西人なのですが、冗談を冗談としてとって もらえずヒンシュクをかう事もしばしなのがちょっとつらい...です。)  「あなたは分岐点に立たされた時、何をたよりに進むべき道を選びますか?」最近、 仲間や家族にこの問いかけをよくします。私の場合、その先に何が待っているの だろうかといった「好奇心」と、「正義感」と、そして「意地」による「維持」です。 そう分析してしまうと、無自覚に自分がとっている行動に自分で納得したり、気にしても 仕方がないことがわかっていい意味で開き直れたり、改めて自分が好きになったり しています。もちろん、考え方は変わりゆくもの、あくまでも今の私にとってというお話。  「好奇心」が優先するわけですから、人の考え方にも興味が湧いて聞くわけですが、 たいていの場合その人のとっている行動とその見解の接点が見え、「なるほどなぁ」 と納得してしまいます。 「自分にプラスになること」「損か、得か」「義務感」「楽な方」「考えたことない」 「考えないようにしている」「家族のことを最重視する」「相手がどう考えるか」 「使命感」「おもしろそうなこと」などなど。  何がよくって何が悪いなんてことがあるとは思いませんが、その人の生き様が その言葉に集約されているようで、いろんな人がいてだから世の中おもしろいと 納得したりしています。  また、今の自分のおかれている状況を選んでいるのは、結局のところ自分である ことを改めて実感し、誰のせいにもできないことを思い知らされたりもします。 もちろん、生育歴における出来事や今おかれている状況が、その考え方に大きく 影響していることも事実ですが、自分の責任において、考え方はいつでも変えることが できます。そして、それに伴って選ぶ行動も変わっていくわけです。    「野球の試合、3対0で自分のチームが負けていて、もし9回の裏の満塁さよなら ホームランのチャンスがめぐってきたら、あなたはバッターボックスに立ちたいですか? 立ちたくないですか?」  この質問もまた、私がおもしろがって仲間に投げ掛ける質問の一つです。  20代の頃、そんな場面には絶対バッターボックスに立ちたくないと友人に話した 私ですが、40代の今「私が立つ!」としゃしゃり出たい自分に気づくことも多々あります。  人の考え方は変わりゆくもの。これからもどんどん変わってゆくことを「好奇心」を くすぐられながら実感していきたいと思ったりしています。                                2003.8.18 かえこ

ジェンダー・バイアスと ネコと 秋刀魚の頭

 我が家にまんまと住みついた、みーこと呼ばれているネコが1匹います。 玄関の扉の前で子ネコを1匹産み落とし、家の横の茂みでさらに2匹を出産し、 何度放り出しても子ネコの首をくわえ、すきを見ては我が家に忍び込んでくる ことに根負けし、まんまと我が家を安住の地として住み着いたネコです。  当時のご近所総出で、子ネコたちの飼い主を探し、仲間うちからの心温まる カンパ金で無事避妊手術も済ませ、今では雨上がりの日でも土足のまま我が物顔で 出入りしている我が家の人気者です。  そのみーこは、何故かキャットフードしか食べず、魚にはまったく見向きもせず、 夕食の魚を置きっぱなしにしていても食い荒らされる心配もなく、私としてはかえって 泥棒ネコの心配がない分快適だったりしています。  そんな我が家にもう1匹、別のネコが食事をねだりにやってくるようになりました。  そんなある日、裏木戸の前にちょこんと座ってじっとこちらを伺っているそのネコに、 みーこの食べ残しのキャットフードと秋刀魚の頭とをお皿に入れ差し出したところ、 彼は秋刀魚の頭から食したではありませんか。 私:「秋刀魚の頭から食べてるで。正しいネコのありかたやなぁ。」 夫:「そうやなぁ。ふつうネコはそうするよなぁ。」 私:「あれ、ふつうのネコってなに?」  ネコは魚が好きなのが当たり前。そうじゃない奴は、変ネコでふつうじゃないネコ。 その図式と、ジェンダー・バイアス(社会的・文化的に作られる性差から生まれる 思い込みや差別、偏見)が瞬時に私の頭の中でリンクしました。  みーこが秋刀魚の頭を食べないことで、彼女を強制しようとは思わないわけで、 ふつうじゃないからといって秋刀魚が好きな真っ当なネコに教育したいとは私は思わない。  「男は男らしくあるべき」「女は女らしくあるべき」、それが真っ当な生き方だと決め付けると、 そうじゃない人たちをさげすんで自尊感情を傷つけ、教育してたたき直したくなるのが 世の常です。  世界陸上の放映を見ていてもこんなことを思います。陸上界において女性のトップクラスの 人たちが、男性の平均クラスを優に越えている事実があるにもかかわらず、女性は筋力的 には男性に劣っていると決めつけられ、数々の可能性やチャンスを奪われてしまう現実が あり、それはあまりにももったいない話であると思うわけです。  決め付けの中で他者から「ダメな奴」だとレッテルが貼られたりすることがないように、 また多様な生き方を自分で選ぶことで選択肢や可能性が拡大できるように、ジェンダー・フリー 社会をこれからも目指していきたいと、日常の何気ない出来事から思った次第です。               2003.9.1. かえこ

『罪悪感』とジェンダー(no.70)

 「仕事を持つのは悪い母親?」(シルヴィアンヌ・ジャンピノ著・鳥取絹子訳・
紀伊国屋書店発行・2002年7月発行)という本に出会いました。その本には
「母親は母親であるが故に有職者であろうがなかろうが『罪悪感』を持つもの
である」と書かれており、2001年度に実施した「子育てママのグチグチ電話
相談」の相談内容を思い出し、とっても納得した次第です。
 この本はフランスでの状況を書いたものですが、日本でも多くの母親たちが
『罪悪感』を抱えている現状があります。
 外で働く母親は、「子どものそばにいないこと」「子どもの相手を充分にできない
こと」「仕事も家事も中途半端になること」に『罪悪感』を抱え、一方、仕事をもたない
母親は、「子どもと一緒にいてイライラすること」「かまいすぎること」「夫一人に家計
の責任を負わせていること」「せっかくのキャリアを無駄にしたこと」を気に病んで
『罪悪感』を抱えています。
 では、父親はどうでしょう?本書には「子どもが生まれたら、あなたは仕事を
どうしようとお考えですか?」という質問に対して、たいていの男性は「考えて
いなかった」と答え、女性たちは待ってましたとばかりに詳しい話を延々として
くれると書かれています。
 男性たちの多くは、子育てに関しては今だ「参加」の域を脱してはいませんが、
妻子を養えなくなったその時に、『罪悪感』にさいなまれるのかもしれません。
2002年2月「リストラ、失業で精神疾患40?60代男性の自殺急増」の記事が
新聞に掲載されたことを思い出しました。
 『罪悪感』にさいなまれるのは、「根性が足りないから」「母性・父性の欠如から」
「性別による規範を教育していないから」と片付けてしまう人たちがいますが、
その考え方がさらに『罪悪感』を強め、虐待やD.V.などの問題へとつながっている
ような気がします。
 「?でなければならない」といったジェンダーの押し付けは、それに応えられない
自己を否定し、『罪悪感』をもたらすことにつながります。
 自らが招いた結果を引き受けるための『罪悪感』は時として必要です。しかしながら、
あるがままの自己を否定するジェンダーから『罪悪感』を抱える必要もなく、その
『罪悪感』からは自己肯定的な生き方は導き出せません。そして、その『罪悪感』を
当事者であるはずの女性同士あるいは男性同士で、せめぎ合う必要もないの
だと思います。
 ジェンダーを抱えた自他に『罪悪感』を持ち続けるより、たとえ今はジェンダーに
とらわれた狭い生き方をしていたとしても、あるがままの自他を受け入れ、その中から
今までに押し込められてきた可能性に働きかけ、これからのあたらしい可能性を
発見しあい応援しあえるような関係から、ジェンダー・フリーな社会を目指していき
たいと思います。 
                                      2003.9.15 かえこ

「政治」「宗教」「お金」「性」を考え直そう

 10月13日、正会員交流会を行いました。2002年度の総会員数は51名、
そして2003年度中間地点である10月現在は66名となり、多彩な顔ぶれが
一同に会したらおもしろいかもと、初めて実施した交流会で、大人13名・
子ども2名と少人数ではありましたが、従来接点がないかもしれない人たちが
集うことのおもしろさを実感しました。
 会員数がのびた訳は、昨年度まで事務局主導で運営していた組織体制を、
プロジェクトごとの運営へと移行し、正会員の皆さんにできるだけ主体的に
関わっていただける方向を模索し始めたことがきっかけで、プロジェクトごとに
なかなかおもしろい人材が集まりつつあります。

 交流会での話の中身も「子育て」「政治」「宗教」「お金」「夫との関係」「孫の話」
など、話題に欠くこともなく、まだまだ話したりないうちにお開きとなりました。
また、何かの形でいろいろな人が集える場をと思っていますので、どうぞ次回は
みなさんもご参加下さいませ。 

 さて、「政治」「宗教」「お金」「性」は汚らわしいイメージが強いせいか、NPO
運営の中でそういった内容が見え隠れすると、なんとなく毛嫌いされてしまう
空気があります。けれどもあえてSEANでは躊躇せず、それらについて考える場を
提案し、それに関わる人たちが自然に集える場にしていきたいとも思っています。
 「ジェンダー」とリンクしながら、それらを使った暴力や人権侵害、権力の誇示が
後を絶たないことで、それらを口にするだけで汚れてしまうような感覚を持って
忌み嫌うことを攻めることはできませんが、毛嫌いして直視しなければ、悪用する
ものの思うツボになっていきます。
 そして、実はそれらは使い方によっては、救いであったり、癒しであったり、
安らぎであったり、人と人との関係性や人生そのものを豊かにするパワーで
あったりするわけで、肯定的なイメージを掴み取り互いの幸せのためにそれらを
使いこなしていくことから、社会を変革させる力を生み出せればと思っています。

 NPOは、そういった気づきや思いを具体的な行動へと変えていける場です。
ひとり一人の思いや行動がつなぎ合わさって社会を変革する力になるまで、
気長に小石を積み上げるような活動に取り組んでいければと思います。

 10月20日(月)、1971年からアメリカでNPOとして活動を続け、今では全米
900箇所で事業展開している米国初のレイプ・クライシス・センターのBAWARの
スタッフをお招きし、アメリカにおけるNPOの役割などについて学びます。
会場は高槻市立総合市民交流センター5F視聴覚室で、時間は6時30分開始です。
日本におけるNPOのこれからを皆さんと一緒に考えて行ければと思っていますので、
たくさんの方の参加をお持ちしています。
                               2003.10.16 かえこ

ジェンダーフリー教育の5つの害!?

 某市議会の9月議会で、ジェンダーフリー教育5つの害として
未婚・離婚率の増加、少子化、DV・少年犯罪増加、性同一性
障害・同性愛者の増加がおこるという質問があったと聞きました。
 私たちがジェンダーフリー教育を実施しているのは、DVや
少年犯罪などを防止し、誰もが加害者にも被害者にもならずに
すむ社会を目指しての事であり、この質問内容にとても違和感
を感じました。

 「ジェンダー」とは、社会的・文化的につくられる性差のことで、
「女」「男」はこうあるべきとの決め付けや固定観念は、それに
あてはまらない人たちへの抑圧や差別を生み出し、男女間、
男性間、あるいは性的多数者と少数者間での力関係や暴力
を生み出す、それらを防止するためにSEANではジェンダー
フリー教育に取り組んでいます。

 たとえ、未婚や離婚率が増えたとしても、今までどちらかの我慢
や惰性で維持していた結婚を、共に人生を歩みたいという両者の
尊重と責任の上で考え直すことで起こることだとしたら、害であると
言いきれるものではないと思います。
 また、ジェンダーフリー教育は子どもを産まないことを推し進める
ものではなく、個を尊重し合う生き方への提言であり、子育てを
母親一人に押し付けない考えは、むしろ安心して子どもを産める
社会につながるものです。そして、安易に少子化と騒ぐ中で、どれ
程多くの子どもを授からない女性たちが追い詰められているかを
把握し、世界規模での人口増加も視野に入れつつ、これから
少子化をどう考えるかを議論する必要性を感じています。

 性同一性障害や同性愛者が増加するといった懸念については、
今まで差別される中で沈黙を余儀なくされていた人たちが、やっと
声を上がられるようになるということでしょう。

 またDV増加の懸念ですが、それはまったく逆で、先だって
アメリカ・マサチューセッツ州の民間団体「メンズリソースセンター」
(1982年設立)の代表者と、同センターでDV加害者の再教育
プログラムのインストラクターをされている方が来日し、豊中で
行われたシンポジウムでも、男女への役割期待から生まれる
性差別社会が、DVを作っていると話されており、SEANの見解と
一致していました。

 「その性差別社会ではありのままの姿が歪められ、女性は独立心
を男性は共感する力を否定される。その期待に反すれば罰せられ
従えばほめられ、男性は女性を支配しても良いことを、女性は
男性に服従することを学びそこからDVは生まれる。
その性差別社会は、男性にとっても望ましい社会ではない」と
話されていました。

 犯罪を起こす加害者が少女ではなく少年に多いこともまた、
性差別社会すなわちジェンダー・バイアスから生まれるものと
実感しており、ジェンダーフリー教育の推進はDVや少年犯罪を
増やすのではなく減らすことにつながるものと確信しています。

 この質問をされた某市の市議会議員の方は、当事者の声や
被害者および加害者支援団体が当事者から学び取ってきた見解
を聞かれたことがあるのか、残念ながら疑問に思ってしまいました。
 
 この国の方向性を決めていく選挙の投票日が、目の前に
迫っています。事実から学ぼうとしない不勉強な議員ではなく、
どの国のどの人の命も尊重される政策を打ち出す政党や議員に
私は投票しようと思っています。
 
                      2003.11.3 かえこ 

"ジェンダー"が子どもたちにもたらす問題を考える!

 昨年度中学2年生252名に実施したアンケート結果を見ると、「『女らしく』
『男らしく』しなさいと言われたことがありますか?」という質問に対し、
「はい」と答えたのは女子が68人(53%)男子が39人(32%)で、女子の方が
多いという結果がでました。
 昨年度ならびに今年度実施している中高生を対象にしたG-Freeの授業で、
それぞれの性別によって期待されることを書き出してもらうと、女子の場合は
「お行儀良く」「言葉づかいに気をつける」「お手伝いをする」といった内容が多く、
男子の場合は「強く」「泣かない」「負けない」「仕事をする」といった従来の
古典的な内容が多くでてきます。
  「『らしくしなさい』と言われた時、どんな気持がしますか?」という質問に対し、
女子は「恥ずかしかった」「できないものはしょうがない」、男子は「『女みたい』と
言われるよりまし」「もう男らしくしているのに」などのコメントが書き加えられて
いました。
 いわゆる「男らしい」男性は女性たちから、そして同性である男性たちからも
賞賛され、多くの場合社会的にも認められる位置を獲得します。
 では、いわゆる「女らしい」女性はどうでしょうか?
男社会からは受け入れられはしますが、同性の女性たちからは受け入れられない
場合も多く、その価値観は男性社会の視点であることがわかります。
ゆえにジェンダーから女性同士の対立が生み出される訳です。

 昨年度のアンケート調査をさらに分析してみると、「らしくしなさい」と言われ
ているのは、男子よりも女子の方が多いにもかかわらず、「らしくなりたい」と
思っているのは男子の方が多く、その結果から「男らしさ」は能動的な
肯定メッセージであることが伺えます。
 さらに、そのメッセージを受け入れた男子は「社会には性別による『らしさ』が
必要である」と考える確立が高くなり、「世の中に必要である」との見解は、
性別による「らしさ」にとらわれない生き方をする人、例えば同性愛者などの
マイノリティへの差別意識が高くなる傾向がアンケート調査から読み取れました。

 多様な生き方や考え方があることを認め合う「ジェンダー・フリー」の概念は、
「女らしさ」や「男らしさ」を否定するものではなく、画一化されることで生じる
偏見や差別や支配構造をなくし誰もが安心して命をまっとうできる社会を
築き上げることです。 

 SEANは12月6日・7日に実施される子どもの権利条約フォーラム2003inかわにし
の参画団体として分科会3を担当します。昨年度実施したアンケート内容の
報告ならびに、現在実施しているG-Freeプログラムの内容を通して「ジェンダーと
子どもの自尊感情」「ジェンダーと暴力」など子どもたちへの人権教育としての
ジェンダーフリー教育について考える場を持ちます。

 参加費はおとな1,000円(2日間有効)子ども(18歳未満または高校生まで)は無料。
参加申し込みはSEANでも受付けていますが、下記のHPからもお申込みいただけます。

●かわにし子どもの人権ネットワーク事務局
 http://www.eonet.ne.jp/~kawanishi-kodomo/forum2003/
 kkodomo@ares.eonet.ne.jp
 郵便振込口座 00950-7-264557
 口座名義 「子どもの権利条約フォーラムかわにし」

 子どもたちが誰も被害者にも加害者にもならないですむ社会を、対立が生まれた時に
暴力以外の方法で解決していける社会を模索するために、ぜひたくさんの方の参加を
お待ちしています。

  2003.11.15 かえこ 
 

消費者として問い直す時

 1日に更新する筈がもう早9日。
今回はずいぶん遅ればせながらの更新になってしまいました。
ご心配頂いてメールを下さったみなさんに感謝です。

 学生の頃、ラジオを聞きながら宿題をしていた私は従来「ながら族」で、2?3つの
ことを同時にこなしている方が1つの事で煮詰まり過ぎなくてよかったりするのですが、
5?6つの仕事が同時進行で押し寄せてくる中で、気力と思考が停滞し要所要所に
入ってくる細かな情報や対応の記憶が飛んでしまい仲間に迷惑をかけてしまう程の
ここ1?2ヶ月でした。
 私たちが担っている仕事の金銭的評価は低く、働けど働けどまともに生活するだけの
収入には至らず、かといってこの仕事に対する社会的評価を高くするためにはもっともっと
働きながら実践を積み上げていくしかなく、その悪循環の中で「気力」と「共感」だけを
支えに踏ん張っているといった状況です。
 
 さて、ちまたではイラクで日本人が二人殺されたと連日メディアで報道され、「テロに
屈しない」とばかりに自衛隊派遣が現実味を帯びてきました。亡くなられたお二人や
その遺族の方々の事を考えると、辛く悲しい出来事です。けれども、イラクでは(イラク
だけでなく)今までそして未だに、もっと多くの名前も知らない人たちの命が奪われ
続けているといった現実に目を向けるべきだと思います。
 どの国の人であっても命の重さは同じ。ましてや、武器も持たずただその地で生まれ、
その地を愛し、愛する人たちと共に暮らしていくことだけを願っている人たちの命を
脅かす権利などだれも持ち得ないはず。
 復興支援の名の下でふるわれる暴力の数々。暴力は力関係において、常に力を
持ち得ない弱い立場の人たちに向けられます。そして、暴力的解決方法は、止めどなく
終わりなく繰り返される行為です。
 生き物すべての命を奪い、自然を破壊する暴力的解決方法にお金を注ぎ込むのは
もう止めましょう。命を育むこと、社会的に力を持たされてこなかった人や力を奪われて
きた人たちの権利を保障するためにもっとお金を注ぎ込みましょう。
 私たちがこらからも資本主義社会を選び続けるのなら、一つひとつの小さな金銭的評価を
消費者として問い直す時が来ているのだと思います。
                                      2003.12.9  かえこ

年の瀬に思うこと

 川西の子どもの権利条約フォーラムや、SEAN主催の絵本連続講座も無事に
終わり、なんだか少し肩の力が抜けつつも、中高生を対象とした「ジェンダー」
に関する調査報告書と、 第2弾「絵本100冊読んで見えてきたもの」報告書の
2冊の作成がこれから本番にさしかかることや、来年度の事業計画や予算案にも
思いをはせつつ、気ぜわしく追い立てられるような師走を迎えています。

 1年を振りかってみると、12月現在で正会員70名、賛助会員178名、計248名の
会員数となり、確実に大きくなっていく組織に少し戸惑うこともあります。
 そして、たくさんの人との出逢いや関わりには、共感だけではなく葛藤や対立も
存在し、それをそのまま受け入れていくことが視野を広げエンパワメントに
つながっていくことを、この1年でも改めて実感しました。

 また、SEANが取り組む「ジェンダー」(社会的・文化的に作られる性差)の問題は、
あまりにも日常化されすぎており、誰もがその問題において加害的側面も被害的側面も
持ち合わせている当事者であることから敬遠されることもあり、この問題を伝え広げる
ことの難しさも実感しています。
 ですから、13分科会が同時開催された先だっての子どもの権利条約フォーラムの
SEAN担当第3分科会「ジェンダーってなぁに?」に何人の方が参加して下さるのか
心配もしましたが、男性7名を含む30名が集い、参加された20代男性からこんな
感想をお寄せいただきました。
 「今日はありがとうございました。正直、あんまり乗り気で参加したわけでは
ありませんでしたが、とても勉強になりました。また、こういう機会があればぜひ
積極的に参加し、勉強していきたいと思います。」
 「乗り気がしない」、とても正直な表現です。特に男性の場合「後ろめたさ」を
感じさせるニュアンスもあり、「ジェンダー」や「男女共同参画」といった学びの場へは
足が遠のくことは無理からぬことです。

 家庭や学校、社会から期待され身にまとう性別による「らしさ」は、男性の場合
自己形成を促す上で能動的肯定的メッセージが多く含まれますが、抑圧になることも
多々あります。
 女男を問わず、身にまとってきた「らしさ」に疑いの目を向け、自分自身と向き合う中で、
どんな価値観にとらわれ、どんな生きにくさを抱えているかを問い直してみる。
 自己否定を生み出しているとらわれは何か、生き方の選択肢を制限している考え方は
何か、その考えで他者を否定したり抑圧してはいないか、そして性別による「?らしさ」
にとらわれるあまり差別や偏見や暴力的解決方法をとってはいないか。
 日常のあたり前や無意識の中の意識をたぐり、一旦学習してしまった価値観を
白紙に戻し、わたしやあなたのありのままの違いを認め合い信頼しあえる力を
よみがえらせること、それがSEANのめざす方向性です。

  生きにくさを抱えているあなたとわたし
  自分を否定せざるを得なかったこれまでを
  ここで人と出逢い ここで共感を得
  ここで葛藤し 行きつ戻りつしながらも
  仲間を信頼し あるがままの違いを
  共存する力を育むこと
 
  2004年もそんな出逢いの場、葛藤の場を提供したいと思います。
  どうぞ、末永くお付き合い下さいますようよろしくお願いいたします。
                               2003.12.16  かえこ

 「女性は産む機械」発言で、思うこと(no217)

 「人間として見てくれない。行政のやり方は一方的でむちゃくちゃだ」
 「生きていく場所を奪われ、これからどうすればいいのか」
2月5日付けの朝日新聞(夕刊)の「長居公園野宿者テント強制撤去」の記事の野宿者のコメントです。
大阪市が今夏、長居公園で行う世界陸上のためにとった野宿者強制排除に関する記事です。

 「人間として見てくれない」「生きていく場所を奪われた」これらの言葉に、心が締め付けられ涙があふれました。
この国では「人権」感覚が育っていない、そう思われる出来事が多いような気がします。

 ここに命をもって存在し、ひたむきに生きている。
ただそれだけの事なのに、なぜ、その尊厳が踏みにじられなければならないのでしょうか。
それを弱者・強者を生み出している社会の問題としてではなく、そこから抜け出せない
弱者自身の責任として追い詰め、人としての尊厳を踏みにじってしまう政策や施策が、
次から次へと打ち出されていくことを危惧します。
政策によって、すべての人が人として生きていくことを保障されてこそ、「美しい国」と言えるのではないでしょうか。

 「女性は産む機械」「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」
柳沢厚生労働相の発言もまた、人権を侵害する事に対する鈍感さを際立たせたように思います。

 私は、この発言から4つの問題を感じました。
まず、1つ目は、人の命を機械にたとえ量産するという発想は、母だけでなく子どもたちの
命の尊厳までもぼうとくするものです。
 次に、自己決定権の侵害です。産む・産まない(産めないことも含めて)、それらの選択はとても
デリケートな個人的な自己決定が背景にあります。
 ですから、性と生殖に関する自己決定権を侵害する発言だと言えますし、そのことに、
「健全」「不健全」の評価を下してしまっているわけですから目も当てられません。
 3つ目に少子化対策で取り組むべき事は、産みたい人、育てたい人(里親・養子縁組なども含む)が安心し、
生み育てられる権利を保障する政策です。どのような性別の人でも、働く権利・産む権利・育てる権利が
同時に保障されることが、今最も望まれていることのはずです。「お国のために、産めよ増やせよ」の思想で、
少子化対策を考えてもらっては困ります。
 そして、最後に柳沢さんがどういう立場でそれを発言し、安倍さんがどういう立場でその発言を、
さほど重要なことではないとやり過ごそうとしているのかという問題です。

 今朝のニュース報道で、安倍さんは「真意を汲み取ってあげてほしい」というようなことを発言していました。
何故、一般市民の側が傷つけられながらも我慢して、真意を汲み取らなければならないのかが
私には分かりません。
この国に住む全ての人の、真意を汲み取り政策を打ち出す立場にいるのは政府の側です。
 特に、「力」を所有している側は、その「力」を使って「力」を持たされていない者の権利を、
保障する立場にあるのだと自覚しなければ、その「力」から支配や管理を生み出しかねません。

 「人権」という言葉は、この国では誤解の多い言葉です。
ですから、なおの事「人権」という概念を改めて学び、共有していく事が様々な問題を解決する鍵になる
のではないだろうかと思います。

                        2007.2.7 かえこ

「死」と向き合うことは、「生」を実感すること (no.218)

 今年になってから、1月に愛猫のみ?こが病気で急死し、2月には昨年からすい臓ガンを
患っていた実父が他界しました。

 約13年前、今住んでいる借家に引っ越してきて間がない頃、帰宅すると子どもたちが何やら家の前で騒いでおり、玄関前に産み落とされたまだ白い膜がついたままの子猫を発見しました。
どうも、産み落とした親猫は家の横のバレンの茂みに逃げ込んだらしく、私は人間の匂いをつけると気が立った
親猫がかみ殺しやしないかと、タオルをかぶせてそっとつかんだ子猫を茂みに隠れている親猫に、
恐る恐る差し出しました。その子猫をつかんだ私の手を、その親猫はとても安堵した顔で迎え入れ、
やさしくなめたことにとても驚きました。それが、その親猫であるみ?ことの出会いでした。
 何度追い出しても、子猫をくわえて我が家に忍び込んできては、ゴロゴロのどを鳴らし安堵した顔で
私を見るみ?こに根負けし、彼女たちの今後について考えざるを得なくなりました。
まず、ねこ好きのご近所さんたちと協力し合い、子猫3匹とみ?こに避妊手術をすることに決め、
女性学級の仲間に募ったカンパは2万円ほどになりました。避妊手術を行った後、気のいいご近所さんが
子猫の引き取り手を捜してくれ、その後親猫のみ?こは我が家を安住の地としてまんまと住み着くことに
成功しました。
 み?こは誰かが家に帰ってくる度に、玄関まで迎えに来てくれる穏やかで気立てのいい猫で、
キャットフードしか食べないみ?こは時として我が家では「お嬢様」と呼ばれ、いつのまにか
居候ではなく家族の一員に昇格していました。高齢とはいえ、そんなみ?この急死は下の娘に
過呼吸の発作を起こさせるほどの悲しみを、我が家にもたらしました。

 ようやく別れの悲しみが癒えた約1ヵ月後、実父が他界しました。
大正14年に生まれ、明治生まれの母に育てられた父は、家父長制を地で生きた人でした。
父に従わざるを得ないような母の人生でしたが、聡明で気丈な母は、精神的には父に支配されることはなく、
むしろ母の方が一歩上手を生きているのではないかと思わないでもなく、私は女である自分の「性」を
否定せずに育ってこれたように思います。
亡くなる前の1年の闘病中もわがままをたくさん言った父でしたが、多くの人に愛されていたことを父の死を
持って実感しました。
私が父と最後に交わした言葉は、私へのいたわりの言葉であったこと、そういえば先に逝った義父と
最後に交わした言葉も、私へのいたわりの言葉であったことを思い出し、私も多くの人に愛され支えられて
生きていることを実感します。

 誰かの死と向き合うたびに、中学の頃、日曜日に見舞いに行くつもりだったガンを患って闘病中の同級生が、
その前日の土曜日に他界してしまったことや、夜飲んで語り合った市民活動の仲間が、その翌日の朝近所の
公園で首をつって自死をとげた時のショックや罪悪感を今でも思い出します。

 愛猫み?こも父も高齢で多少の覚悟があったこと、わがままな父の希望を最優先に家族が最善を
尽くしていたことで、今回は罪悪感にさいなまれることはなく、穏やかに死を受け入れることができたことは
とても幸せなことでした。
 いつもそこにあった暖かい気配は消えるはずもなく、なんだかそのぬくもりに抱かれているような安らぎを
覚えられるまでになったのは年を重ねてきたせいでしょうか。

 身近な命が逝くことは、改めて、命あるものはいつかこの世を去る時がくることを思い出させてくれます。
そして、それは自分自身の「生」を実感させることです。
そんなおごそかで尊い時間が、ジェンダーでがんじがらめの葬式という儀式に姿を変えてしまうことが
とても悲しい現実だったりもします。

 この3月で47歳になった私ですが、いつか終わりの時を迎える日に、穏やかな死を迎えられるように、
自分の存在意義が自分や誰かの幸せにつながっているだろうことを信じ、その命を全うできればと思います。

                     2007.3.11 かえこ

「人権」規範と「道徳」規範(no219)

 4月7日(土)の朝日新聞朝刊に、「民法見直し自民ブレーキ/離婚後出生『300日規定』」と
いう記事が掲載されました。

 2年前の夏の国立女性教育会館(ヌエック)の研修で、「婚外子差別」に関するワークショップに
参加し、民法772条には「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とみなすという規定があり、
その民法による差別で苦しめられている人たちのお話をお聴きしました。
 前夫が「離婚を承諾しない」「DVで逃げており連絡を取ることは命に関る」など、
様々な理由で離婚できない人たちが存在する事、出生届を出す際に「子どもの父親は国が決める(!?)」
と職員に言い放たれたというひどい話などを聴き、心を痛めたことを思い出します。
 何らかの状況の下、子どもが民法772条の規定によって戸籍を持てないまま成長し、
海外に行く修学旅行でパスポートを発行してもらえずに困っていることなどが報道されるようになり、
3月28日に国会でも自民・公明両党の政策責任者会議で上記の民法772条と、
民法733条「女性に離婚後6ヶ月以内の再婚を禁じる」の規定を見直すプロジェクトチームが
発足したところでした。

 党内国会対策委員会の幹部は、「離婚して別の男の子を出産しようとはけしからん」とコメントし、
法相は「貞操義務なり、性道徳なりという問題は考えなければならない」とコメントしていると報道されました。
また、「『家族の再生』を掲げる首相は、伝統的な家族の価値観を重んじ、選択的夫婦別姓が議論に
なった97年には、党内の会合で『わが国がやるべきことは民法改正ではなく、家族制度の立て直しだ』
と主張していた。」と記されていました。

 人権侵害を受けている子どもたちの権利を保障する議論は、女性への「貞操義務」「性道徳」
「家族制度」に姿を変えてしまったようです。
 本来法律とは、国家権力など強者によって個の人権が侵害されないために制定されるべきものであり、
1部の国会議員の道徳観念や画一化した価値観の押し付けであっては困りますし、
実際に困っている子どもの人権救済を最重点課題として議論すべきだと思います。

 話は変りますが、SEANでは2001年のプログラム開発時より中高生を対象に人権教育の出前授業を
実施する際、事前・事後に生徒たちにジェンダーに関するアンケート調査を実施してきました。
今回、2005年度に実施したアンケート調査を分析し、『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
「人として強くやさしく」を発行したところです。
 「『男は?』『女は?』といった、性別による役割の違いは必要だと思いますか?」という質問に対し、
中学校2校(約260人)の生徒が授業実施前では35%が必要であると答え、64%が必要でないと答えました。
授業実施後でも34%が必要、64%が必要でないと答え、授業内容が「暴力」に焦点を合わせており、
「暴力」予防の観点からは事後では効果が出ているものの、性役割分業を肯定する考えを
大きく変える結果を得ることは出来ず、「男は仕事」「女は家事」といった「性役割分業」の考えが
非常に強固であることが伺えました。

 生徒が必要だとする理由記述には、「女が力仕事をすると失敗する」とする差別的な意見や、
「なんとなく」「とくにない」といった明確な理由のない意見や「みんなが自由にしてたら
めちゃくちゃになる」「男と女のバランスが崩れていく」「そうじゃなきゃ誰もやらないとかいうことになる
かもしれない」という意見が目に付きました。
 必要でないとする理由記述には、「不平等だから」「みんなでやればいいと思うし、やったらダメな事は
みんながやらなければいい」「それぞれが協力してやる事が必要」「自分の好きなものをしたほうが
気持ちいい」などの意見が見られました。
また、「違う考え方や生き方を、互いに尊重し合いたいと思いますか?」といった質問との相関を見ても
「必要でない」派は「必要である」派よりも尊重し合いたいと答えたものが多く、「人への信頼」「個の尊重」
「協力し合う」といった考えが根底にあることが伺えました。

 心を教育しようとする「道徳」規範と、多様性を共存するために知恵を出し合おうとする「人権」規範とでは、
根底にある考え方が全く逆です。 
 「人権」の考えは、人は一人ひとりが違う存在であり存在意義がある事を信頼する事から始まります。
人権尊重で成り立たせる規範は、違いをもって共存するために、そして誰もが大切にされ、
活かされる社会を築くために、知恵を出し合い協力し合う事、自分が大切にされるように他者をも
大切しようとすることであると言えます。

 問題なのは性別によって画一化される「特性論」「役割分業」「家族制度」から、
個の人権の侵害や差別等をもたらしているという現実です。
しかし、残念な事に国の方向性は、選挙などを通して国民の意向によって決まっていきます。
 今回の選挙結果や様々な報道を見ながら、人権教育の普及にこれからもっと力を入れていかなければと
思いを新たにしているところです。

 上記で紹介した報告書と、啓発パンフレットを下記に紹介していますので、一人でも多くの方に
読んでいただきたいと思います。

                      2007.4.10 かえこ

行財政改革と市民協働(no.220)

 私は2005年から2006年にかけて、高槻市行財政改革懇話会(第2次)の市民公募委員として、
懇話会に参加していました。公募で選ばれる市民委員は定員3名でしたが、応募者はたったの4名、
そういうこともあって私が委員に任命された次第です。
第一回目の懇話会では、市長をはじめ助役・市長公室長などそうそうたる顔ぶれが並び、
しかも男性ばかりの顔ぶれに唖然としたことを覚えています。
 なんとか少しでも市民委員としての私の役割が果たせるようにと一度も欠席することなく、
意見を言うタイミングをはかりながら「市民協働」「男女共同参画」に関する意見を言うように終始努め、
この3月に任期を終えることが出来ました。

 高槻市に住んで25年になりますが、この懇話会に参加しこのまちのことをより身近に感じ、
もっと主体的にこの地に住みたいとの思いも強くなりました。
 懇話会に参加し、昭和40年から50年の人口急増時に採用された市職員が5年後に大量(現状の8割)
退職する事で(きっと退職金がたくさんいるのでしょうね)、経験の浅い職員が多くなり、
高齢化に伴い税収入も減り自主財源が乏しくなる、そのために財政改革に力を入れなければならない、
財源を確保するために市職員の人員を大幅に削減し、かつ市民協働に力を入れていく必要性が
迫っていることなどが見えてきました。
 確かに、市職員の人員削減等により、財政面では高槻市は成果をあげており、その面においては
それなりに評価できるものと言えます。
 しかし、行政改革の面では男女共同参画推進条例ができても、行財政改革の議論の場では、
そんな条例の事などまるで存在しないのではないかと思えるくらい、逆行する方向に向かって
いるような気さえしました。そして、行財政改革においては必要不可欠なはずの市民協働に
向けての施策も、緊迫感をまったく感じることができませんでした。

 市民協働を進める中で、「市民を安く使う」ことに関する懸念がよく言われます。
確かに、公的に職員が行えば全うな給料が支払われるはずが、NPOなどの民間が協働で
請負えばまともな労働対価が支払われないことには私も懸念を感じます。
 しかし、「税金をあげられては困る」ので「市職員を削減して支出を抑える」、でも
「福祉サービスは向上すべき」と言っていたのでは、矛盾がそこに生じます。
公的なサービスの向上を願うなら北欧に見られるように、税収入を上げるのが手っ取り早い方法です。
けれでも、税金が上がるのが困るのであれば、その代わり市民も「知恵」と「労力」を提供する、
だからこそ市民参画・市民協働が必要不可欠なのではないかと思うと、「安く使ってくれるな」と
言ってばかりはおられないのではないかと思えます。
 
 仮にNPOが安く利用されたとしても、NPOはいい意味で「したたかさ」を持って逆にそれを利用し、
経験値を蓄え、その上で発言権を行使できるほどの力量をつけ、主体的に財源を確保できるまでに
育っていけばいいのではないでしょうか。

 市民協働が進めば、行政は市民パワー抜きでは、まちを維持できなくなりますし、住民自治能力も
高まっていくはずです。これからは単純に要求や要望を行政に突きつけているだけでは、
まちも市民も育っていかないのだと気づくことが大事です。
行政に要望すべきことは、「聞きたかったら教えてあげる式」の情報公開ではなく、共に考え行動して
もらうために積極的に市政について市民に知らせること、そして市民に共に考え行動してもらう
仕掛けをたくさん作り、市民と共に育っていくためにリスクも覚悟するべきだということです。

 協働という概念や手法は、まだまだ手探りの状態ですが、行政と市民が信頼し合うことからしか
始まらないことですし、とにかくやってみることが大事なのだと思います。

 2006年度SEANでは、高槻市協働活性化モデル事業の補助金交付を受けて、「公的施設を
活用した子育て支援事業」を実施しました。高槻市立男女共同参画センターとの共催事業として、
企画段階から合意形成に力を入れて共に汗をかきながら事業を終えることが出来ました。
 4月28日(土)1時30分から、高槻市立生涯学習センター研修室にて、2006年度に採択された
5事業の報告会と、4時から2007年度の募集説明会が行われます。
 まだまだ、課題も多い協働実践ではありますが、「とにかくやってみる」ことから新しいまちづくりの
展開へと結びついていくことを願っています。
 今回の報告会では、SEANも事業報告ととりまとめとして発行した報告書の紹介などを行う予定です。
お時間のある方は、ぜひご参加下さい。尚、下記に報告書の案内も掲載していますので、
メールにてお申込みいただければと思います。
                                              2006.4.23 かえこ

::::::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::::::

1)高槻ジャズストリート2007・フリーマーケット出店 5月3日(木)午前10時?午後6時 高槻市民グランド
 *資金稼ぎしま?す!  バザー商品募集!並びに遊びに来られたし!! 

2)設立10周年記念イベント&交流会
  6月10日(日)
  12:30?13:45 総会
  14:15?17:00 設立10周年記念イベント
  18:00?20:30 交流会
  原点に返って、これからの10年を考えよう!!「働きたい!子育てしたい!それって贅沢!?」
  【パネリスト】
   黒瀬 友佳子(帝人クリエイティブスタッフ株式会社.人財部 ダイバーシティ推進室長)
   橋本 久美子(吉村紙業株式会社代表取締役)
   中村 淑子(SEAN サポートとんがらし代表)
  【コーデーネーター】
   遠矢 家永子(NPO法人SEAN理事長)
   会場:高槻市立総合市民交流センター視聴覚室
   参加費等は後日
 
3)サポートとんがらし ワーカー募集説明会 2007
  5月1日(火)・7日(月) 10:30?12:00 会場:シーン事務所 事務局までお問合せを!

4)高槻市男女共同参画週間記念事業実行委員会主催
  ◇記念講演:10時?12時 高槻市立総合市民交流センターイベントホール
   「これからどうなる女と男? 恋愛の才能と結婚の条件」 お話:小倉千加子
  ◇分科会A:13:30?16:00 高槻市立総合市民交流センター第2会議室 
   「こんなはずじゃなかった!?「理想の結婚像」と「結婚の現実」 NPO法人SEAN&グループI 主催
   分科会参加費:300円
  *保育あり(要申し込み)

5)のぞいて・語って・分析しよう講座(定員7名) 「今どきの性情報と恋愛像」
 雑誌等の中の性描写・性情報をリテラシーし、年度末には報告書としてまとめる予定です。
 7/10・8/7・9/4・10/2・11/6・12/4 各火曜日 10:30?12:30 全6回
 SEAN事務所 1Fつどいのスペース(JR高槻駅下車5分)
 正会員500円・非会員700円・保育1,500円(2時間)
 *SEAN調査研究プロジェクト登録スタッフは参加無料
 
6)大人たちのしゃべり場(定員7名)
 語れば何かが見えてくる 「お金」「性」「政治」をオープンに語ろう!!
 Step1「お金」 7/24・8/21・9/25
 Step2「性」 10/16・11/20・12/18
 Step3「政治」 1/22・2/19・3/11
 各火曜日 10:30?12:30 全9回
 正会員500円・非会員700円・保育1,500円(2時間)

7)MY TREE ペアレンツプログラム
 6/25・7/2・9・23・30・8/6・20・27・9/3・10・10/1・15・22・29
 各月曜日 午後1:30?4時 全14回+同窓会
 高槻市立男女共同参画センター研修室
 募集:10名 参加費・保育:無料
 申し込み・お問合せはSEAN事務局まで

8)予告
 SEAプログラムワークスタッフ養成講座
 1.9/8 SEAプログラム公開ワークショップ
 2.9/9 未就学児プログラム
 3.9/15 小学生プログラム
 4.9/16 中高生プログラム
 *1.2が基本になります。
 *詳細が後日ご案内します。

9)報告書のご紹介

◆2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践
 ?子育て支援をジェンダーの視点で?
 A4判 全70頁 800円
 【内容】
 ?.平成18年度高槻市協働活性化モデル事業の取り組み
 ?.子育ち講座
 ?.情報ライブラリー
 ?.子育てママのグチグチ電話相談
 ?.「協働」への新たな理解に向けて
   (大阪府・高槻市職員研修受入れ)

◆『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく
  ?子どもたちを被害者にも加害者にもしないために?
  SEAN G?Freeプロジェクト発行
  A4判 全174頁 2000円
  *大阪府ジャンプ活動事業
  【内容】
  ?.SEANがめざす社会とSEAプログラムの三つの柱
  ?.G-Freeプロジェクトの歩みとSEAプログラム
  ?.中高生のジェンダーの意識:事前アンケート分析
  ?.ジェンダー意識の課題とSEAプログラムの効果:
    アンケート事前・事後 対比分析
  ?.プログラム実施後の感想
  ?.G-Freeスキルアップ講座記録:
    「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」
  ?.VOICEと寄稿

◆啓発パンフレット(上記報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き
"こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 A3判1枚 フルカラー 50円
 【内容】
 ・今度生まれてくるとしたら...
 ・性別役割はいる?いらない?
 ・エンパワメントとは?
 ・「性」のありよう
 ・暴力の連鎖
 ・ジェンダー規範と人権規範 他

◆ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52?59ページ)各400円
  no3.4のみ在庫あり
 【内容】
  ・ジェンダーってなぁに?
  ・待つ、許す、思い続ける
  ・弱さを再考する 他
 
◆子育てに関する意識調査報告書(仮)
 SEAN子育て支援プロジェクト発行
 *5月中発行予定

*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(手数料含む)が別途必要になります。

●更新手続きのご案内が遅れ、ご迷惑をおかけしております。
 会員になって、SEANの活動を支えて下さい!!
 【正会員】 入会金2,000円 年会費6000円
 【賛助会員】 1口2,000円から何口でも
   郵便口座 00960-4-115488
   名称 NPO法人シーン
  みなさん、ご協力をよろしくお願いいたします

善良で真面目な市民が幸せになれる社会を(no.221)

 4月にコラムを更新して以来、3ヶ月何も発信できずにいました。
物理的な忙しさだけでなく、考えを文章にまとめるだけの思考的な余力を生み出せないまま、
今日に至ったそんな感じです。

 6月初旬の10周年記念イベントでは多くのメッセージをいただき、また交流会だけでもと忙しい最中
駆けつけて下さった方もおられ、たくさんのつながりで活動を続けてこられたことを改めて実感いたしました。
今の私のように身動きができないまま、気には留めてくださった方もたくさんいらしただろうことも
想像ができ、本当に有り難いことだと思っています。

 さて先だって、学生時代の旧友から「9月でリストラされるから、至急次の職を探さなくては」といった
メールが届きました。すべての契約社員が対象となる全国的なことだということでした。
彼女の子どもは成人しているものの、シングル家庭であることも含めて何とも言えない気持ちになります。
(幸いなことに、本人は至って楽天的に受け止めているようですが...)

 ふと、今年の1月夫が怒り混じりにこんな話をしていたことを思い出しました。
「0円決算で働いた分の収入が入ってこないから、金が無い!!」
「えっ?!なんや、それ???」
 夫はトラックに乗って建築資材を運ぶ下請け業者。朝は4時くらいに起床し、帰ってくるのも早くて
夜の8時?10時、土曜日も仕事で、詐欺にあったことでの借金返済に追われているために日夜
真面目に働いている善良な市民です。ここまでして、自己努力を怠らない夫に、「下請けと言うだけで、
こんな仕打ちはない!」と怒りを覚えたことを思い出しました。

 また、上の24歳になる娘も社会人。知的障がいの生徒を受け入れている公立高校で非正規の
補助職員として真面目に働いていますが、1人で生活できるほどの給料が保障されているわけでもなく、
深夜2時までショップでのアルバイト、SEANの保育ワーカー、プールの障害者介助や夏休みの開放プール
のアルバイトなどもやりながら、高校・大学でもらっていた奨学金の返済を欠かしたことがありません。

 私もまた過剰労働気味になりつつ、NPO-SEANでお給料をもらってはいますが、同じ時間をパートで
働く方がお金になるのではといった現状で、社会ニーズに応えていても市民活動がベースでは
なかなか正当な労働対価に結びつけることが難しい現実を抱えています。

 今回の参議院選では、自民党が大敗しました。真面目に働くものが、まともな労働対価を得られないような
国のどこが「美しい国」だと言えるのか、そこに疑問を持った民意の表れだと私は思っています。
努力したものが報われる社会を目指すときれいごとを言いつつ、これまでの自民党政権は現状の
社会構造の中で金儲けを考えられる「才能」を「努力」と定義づけ、格差社会に拍車をかけてしまった
のではないでしょうか。

 SEANでも新たな10年に向けて、一歩踏み出す時がきました。善良かつ真面目に命を全うする
すべての人が、ある一定の生活水準が保証され、余裕のある人がいろいろな状況下で余裕を
なくしてしまってる人を支え合える社会を、これからの10年でさらに具体化できればと思ったりも
しているところです。

                                                                      2007.8.1 かえこ


::::::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::::::

★☆★盛りだくさんの情報掲載中!!最期まで見てね!★☆★

1)たかつきまつり出店
 8月4日(土)・5日(日)5時?9時ごろ
 高槻市桃園小学校グランド
 *からあげ・ポテト・フランクフルト・ジュース・ビール・中ハイ・おもちゃくじ
  これも大事な財源確保です!ぜひ、遊びに来てね?
 「♪たかつきウェ?ブ」のメロディー、結構、いけてます! 

2)のぞいて・語って・分析しよう講座
 「今どきの性情報と恋愛像」 
雑誌等の中の性描写・性情報をリテラシーし、年度末には報告書としてまとめる予定です。
 8/7・9/4・10/2・11/6・12/4
 各火曜日 10:30?12:30 全6回
 SEAN事務所 1Fつどいのスペース(JR高槻駅下車5分)
 *SEAN調査研究プロジェクトにスタッフとして登録することが条件です。
 *大阪府ジャンプ活動助成事業

3)大人たちのしゃべり場 語れば何かが見えてくる
 「お金」「性」「政治」をオープンに語ろう!!
 Step1「お金」 8/21・9/25
 Step2「性」 10/16・11/20・12/18
 Step3「政治」 1/22・2/19・3/11
 各火曜日 10:30?12:30 
 SEAN事務所 1Fつどいのスペース(JR高槻駅下車5分)
 正会員500円・非会員700円
 保育あり1,500円(2時間)

4)国立女性教育会館(ヌエック)夏の交流フォーラム
  SEANが分科会でワークショップを開催します!
  9月1日(土) 9:30?11:30 208研修室
  テーマ:安全・安心と男女共同参画
  「ジェンダーによる暴力を断ち切る!?人権教育実践からの提案」
 *報告書の交流の広場にて、報告書の販売も行います!!  

5)SEAプログラムワークスタッフ養成講座
 SEAプログラムとは、2002年に「ジェンダーと暴力」をテーマとしSEANが開発し、以来毎年実績を
 重ねてきたオリジナルプログラムのことです。

 基礎編 "気づきのワークへようこそ" 
   9/8 10時?16時 SEAプログラム公開ワークショップ
     
 1.9/9 未就学児向けプログラム
 2.9/15 小学生向けプログラム
 3.9/16 中高生向けプログラム
   各 10時?17時15分
 *会場 高槻市立生涯学習センター4F 第4会議室
 *1?3の修了生は各SEAプログラムの保有権・使用権が取得できます。
 *他団体でのプログラムの実施についても、ご相談下さい。
 *2と3については未就学児向けSEAプログラム養成講座受講修了生が対象となります。
 *受講料  基礎編+1 (8日・9日)→ 18,000円(学生割引15,000円)  
        2(15日)・3(16日) 各9,000円(学生割引 7,500円)
 *なお、受講後ワークスタッフとして登録する際の、入会金(2000円)は免除されます。
  別途2007年度下半期の会費3,000円が必要です。

6)予告 ドーン協催事業
 ◆日時 2007年12月9日(日) 10時?16時
  ◆会場 ドーンセンター 特別会議室
 1部 10:00?11:30 紛争解決ワークショップ(定員25名) 
          ファシリテーター:奥本京子さん
 2部13:00?14:00 「人として強くやさしく」報告会(定員96名) 
  3部14:15?16:30 対立をちからに!
                 ?Win Win勝ち負けのない解決方法を考えよう?
         コーディネーター:遠矢 家永子
         パネリスト:奥本京子さん・中村正さん・栗本敦子さん

7)報告書のご紹介

◆現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
  このままでいいの?今時の子育て支援
  ★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
   A4判 全58頁 800円
  【内容】
   はじめに
   #1 アンケートの実施目的と「子育て支援プロジェクト」活動のあゆみ
   #2 2005年9月「子育てママのおしゃべり広場」の開催
   #3 「子育て」に関する調査結果の分析
   #4 2006年6月24日「女と男のつどい」分科会
   #5 報告書の発行にあたって
   #6 寄稿 報告書の発行にあたって

◆2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践 ?子育て支援をジェンダーの視点で?
 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる
  行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
   A4判 全70頁 800円
 【内容】
 ?.平成18年度高槻市協働活性化モデル事業の取り組み
 ?.子育ち講座
 ?.情報ライブラリー
 ?.子育てママのグチグチ電話相談
 ?.「協働」への新たな理解に向けて
   (大阪府・高槻市職員研修受入れ)

◆『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく ?子どもたちを被害者にも加害者にもしないために?
  SEAN G?Freeプロジェクト発行
  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の
  関係を読み解きます。講座録も読みごたえあり!
  A4判 全174頁 2000円
  *大阪府ジャンプ活動事業
  【内容】
  ?.SEANがめざす社会とSEAプログラムの三つの柱
  ?.G-Freeプロジェクトの歩みとSEAプログラム
  ?.中高生のジェンダーの意識:事前アンケート分析
  ?.ジェンダー意識の課題とSEAプログラムの効果:
    アンケート事前・事後 対比分析
  ?.プログラム実施後の感想
  ?.G-Freeスキルアップ講座記録:
    「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」
  ?.VOICEと寄稿

◆啓発パンフレット(上記報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き "こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!
 A3判1枚 フルカラー 50円
 【内容】
 ・今度生まれてくるとしたら...
 ・性別役割はいる?いらない?
 ・エンパワメントとは?
 ・「性」のありよう
 ・暴力の連鎖
 ・ジェンダー規範と人権規範 他

◆ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52?59ページ)各400円
 ★「勝手に通信」のバックナンバーです。
  no4のみ在庫あり。お早めにお申込みを!
 【内容】
  ・ジェンダーってなぁに?
  ・待つ、許す、思い続ける
  ・弱さを再考する 他

「強さ」を再考しよう (no.222)

 ようやく、金木犀の香る季節となり、祝日に散歩がてら銀杏を拾いに神社に足を運び、
しばし秋の風を感じました。

 8月1日に通信を発行してから、早2ヶ月以上が経ち、その間ヌエックの夏の交流会で
ワークショップを開催したり、ここ数年恒例となってきたSEAプログラム・ワークスタッフ養成講座を
開催したり、小学生向け教材DVD制作の追い込みでPCとにらめっこしたり、高槻市協働活性化
モデル事業が動き始めたりで、ぱったりと通信を配信できないままになっていました。

 社会情勢は安倍政権が終わりとなり、活発に変化しており、憲法改悪の流れもまだまだ
踏ん張れば阻止できるのだと、少し希望を感じたりしていますが、活動に取り組めば取り組むほど、
ジェンダーの問題が明確に見えてくるといった日々をおくっています。

 最近起こった出来事では、若い相撲取りの暴行致死事件がジェンダーの縮図を見るようで
非常に腹立たしさを覚えました。

 その事件の少し前、「一般女性が神聖な土俵に上がろうとした!」とメディアが騒いで
いたことを思い出し、不浄の女が上がることは許されないほどに神聖だと言い張る
土俵のはずが、そこでは稽古と称した体罰やイジメが横行しており、一人の尊い命までもが
奪われたという事件です。
 そして、その殺人事件でさえも、男たちの格闘技であり、伝統・国技という名において
容認しようとするニュアンスが関係者たちの言葉に当初は感じられ、それそのものが
ジェンダーの縮図であると実感し、殺されたものやその遺族の悲しみを考えれば
許せない思いでいっぱいになりました。

 少し話は変わりますが、SEANがこの6月に発行した報告書「人として強くやさしく」の中に、
2005年度に実施した中高生を対象にしたアンケートの調査分析を掲載しています。

以下の質問の回答集計をご紹介します。

 Q.あなたが『強く』『やさしく』生きたいと思う時の、『強さ』『やさしさ』とはどんなイメージですか?

 ?我慢 ?勇気 ?腕力 ?権力 ?正義 ?思いやり ?自立 ?助ける ?守る ?その他

 上記の項目から、複数回答で○をするというアンケートです。

 中学生のアンケート結果では、?勇気が女子75%・男子74%が○をし、男女共に1番人気でした。

 女子と男子を比較してみると、?守る(女子53%・男子38%)?助ける(女子47%・男子24%)などは
男子よりも女子が選択する割合が高く、?我慢(女子27%・男子29%)、?腕力(女子5%・男子11%)、
?権力(女子4%・9%)の3項目だけが女性よりも男子の方が多く選択するという結果でした。

 本来、いわゆる「女子ども」を守るために一人前の男となるよう期待されるのが、
「男は男らしく。女は女の子らしく」のジェンダー信仰派の主張のはずですが、実は「守る」「助ける」などの
他者を思いやる精神は、子どもたちが受け取っているニュアンスでいうと、女らしさへの期待の方に
多く含まれているようです。

 また、「男は強く、女はやさしく」というジェンダー規範は、強者・弱者といった主従関係を生み出す概念です。
ですから、暴力防止教育の中で「人として強くやさしく」生きようといった人権規範を広め、「強さ」の意味を
再定義していきたいと思います。

 冒頭で少し触れましたが、「ジェンダーと暴力」をテーマとしたSEAプログラムを、小学生向けのDVD教材
として、松下電器産業株式会社の協力の下、10月下旬に発売することとなりました。
下記にお申込み方法などを掲載しています。

 前予約・前入金でお申込みの方のみ、送料無料とさせていただきますので、お早めに
お申込みいただければと思います。

                   2007.10.10 かえこ


::::::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::::::

★☆★盛りだくさんの情報掲載中!!スケジュールチェックをお忘れなく!!★☆★
 *お申込み・お問合せはSEANまで

1)枚方男女共同参画社会づくり支援事業 子育ち講座

 子どももわたしも★どっちも活き活き 
「女の子なのに」「男の子だから」ではなく "ありのまま"を受け止めよう!!
 10/22(月) 子どもにつらくあたりそうになる時
 10/29(月) 「女の子なのに」「男の子だから」?!
 11/5(月) 子どももわたしも、ありのままを抱きしめよう
 講師 遠矢 家永子
 会場 ラポールひらかた3F 研修室2
 参加 無料
 保育あり 各500円(要事前申込み)

2)大人たちのしゃべり場  語れば何かが見えてくる
  「お金」「政治」をオープンに語ろう!!
 Step2「お金」 10/16・11/20・12/18
 Step3「政治」 1/22・2/19・3/11
 各火曜日 10:30?12:30 
 SEAN事務所 1Fつどいのスペース(JR高槻駅下車5分)
 正会員500円・非会員700円  保育あり1,500円(2時間)

3)19年度ドーンセンター協催事業
 対立をちからに!Win Win?勝ち負けのない解決方法を考えよう!
 日時 2007年12月9日(日) 10時?16時
 会場 ドーンセンター 特別会議室
◆午前の部 10:00?11:30 
<G-Freeプロジェクト公開研修会>
 紛争解決ワークショップ(定員25名) 
  ファシリテーター
   奥本京子さん(大阪女学院大学准教授)
◆午後の部 13:00?16:30 (定員96名)
<SEAN事業報告会> 13:00?14:00
 ?報告書「人として強くやさしく」   報告者 片田 孫 朝日
 ?小学生教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」
<シンポジウム> 14:15?16:30 
 対立をちからに! ?Win Win勝ち負けのない解決方法を考えよう?
   [パネリスト]
     奥本京子さん
     中村正さん(立命館大学大学院応用人間科学研究科教授)
     栗本敦子さん(Facilitaor's LABO <えふらぼ>
   [コーディネーター]
     遠矢 家永子

 【午前の部】  参加費 1000円  保育料  700円
 【午後の部】  参加費 1500円  保育料 1000円       

4)報告書等のご紹介

A.小学生向け教材DVD
 わたしもボクも☆みんな活き活き?ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり?

 ?.気もちってなあに?
 ?.気もちにフタをしていたらどうなるの?
  ?女の子だって言っていい!!の巻
   「やさしさ」と「なかよし」について
  ?男の子だって泣いていい!!の巻
   暴力の連鎖について
   3つの解決方法

 *時間 18分
 *個人価格 2,000円
   ライブラリー価格 10,000円(上映権付き)
 *送料 300円
 ☆発売前予約のみ送料無料!くわしくは下記事務局まで。
 
B.現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
 このままでいいの?今時の子育て支援
 ★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
 A4判 全58頁 800円
 【内容】
 はじめに
 #1 アンケートの実施目的と「子育て支援プロジェクト」活動のあゆみ
 #2 2005年9月「子育てママのおしゃべり広場」の開催
 #3 「子育て」に関する調査結果の分析
 #4 2006年6月24日「女と男のつどい」分科会
 #5 報告書の発行にあたって
 #6 寄稿 報告書の発行にあたって

C.2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践 ?子育て支援をジェンダーの視点で?

 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる
  行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
 A4判 全70頁 800円
 【内容】
 ?.平成18年度高槻市協働活性化モデル事業の取り組み
 ?.子育ち講座
 ?.情報ライブラリー
 ?.子育てママのグチグチ電話相談
 ?.「協働」への新たな理解に向けて
   (大阪府・高槻市職員研修受入れ)

D.『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく ?子どもたちを被害者にも加害者にもしないために?
  SEAN G?Freeプロジェクト発行

  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の関係を読み解きます。講座録も読みごたえあり!

  A4判 全174頁 2000円
  *2006年度大阪府ジャンプ活動助成事業
  【内容】
  ?.SEANがめざす社会とSEAプログラムの三つの柱
  ?.G-Freeプロジェクトの歩みとSEAプログラム
  ?.中高生のジェンダーの意識:事前アンケート分析
  ?.ジェンダー意識の課題とSEAプログラムの効果:
    アンケート事前・事後 対比分析
  ?.プログラム実施後の感想
  ?.G-Freeスキルアップ講座記録:
    「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」
  ?.VOICEと寄稿

E.啓発パンフレット(上記報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き "こころ"に決めたことに男も女もないんや!

 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!

 A3判1枚 フルカラー 50円
 【内容】
 ・今度生まれてくるとしたら...
 ・性別役割はいる?いらない?
 ・エンパワメントとは?
 ・「性」のありよう
 ・暴力の連鎖
 ・ジェンダー規範と人権規範 他

F.ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52?59ページ)各400円
 ★「勝手に通信」のバックナンバーです。
  no4のみ在庫あり。お早めにお申込みを!
 【内容】
  ・ジェンダーってなぁに?
  ・待つ、許す、思い続ける
  ・弱さを再考する 他

「強さ」を再考しよう(2) (no.223)

   「泣くんじゃないよ男だろ!」   男の子だって泣いていい
   「理屈を言うな女のくせに!」   女の子だって言っていい
    強くやさしく生きたいな  みんな活き活き生きたいな
   わたしはわたし ボクはボク  やりたいことは自分で決めよう!
   みんな違って違いはステキ!  尊重し合うっていい気持ち♪

 これは、SEANがこの10月に制作した小学生対象教材DVD
「わたしもボクも☆みんな活き活き」のオリジナル挿入歌の歌詞です。
 岩崎書店発行のシリーズあなたへ14「おんなのこだから」
(レイフ・クリスチャンソン文・にもんじまさあき訳・はたこうしろう絵)を参考に、
SEANが出前授業で実施しているSEAプログラムの中で子どもたちに伝えている
メッセージを歌詞にしました。

 滋賀県近江八幡市の金田ミュージカル「ポップスター」の歌唱指導をされている
山本惠子さんに、前半はラップ調でとお願いして作曲していただき、DVD収録では
「ポップスター」の子どもたちの夏季合宿中におじゃまし元気いっぱい唄ってもらいました。

    ♪強くやさしく 生きたいな  みんな活き活き 生きたいな♪

 子どもの頃私は、日記に「強くなりたい」とよく書いていたことを思い出します。

 3人姉妹の末っ子で、幼い頃は姉達についていけないとくやしくって悲しくって、トイレで一人泣いていました。
思春期の頃は人との関係でくじけそうになると、すぐに泣いてへこたれてしまいそうになる
自分を叱咤激励して自分に言い聞かせるために書いていたのが「強くなりたい」という言葉でした。

 その頃の私の「強さ」のイメージは、何事があっても傷つかない頑強な心を持つことでした。

 でも今は、傷つくからこそ、人の心の痛みを感じる力があるのだと思えるようになりました。
傷つくことから逃げず、その傷を修復できる力を持つ自分を信頼すること、全てにおいて
自分の意志で選び、その選んだことを人のせいにせずに引き受けていくことを「強さ」だととらえ、
その「強さ」をめざし生きたいと願います。
 「死ぬまで修行だ?」とつぶやきつつではありますが...

 まだまだ社会では、「男は強く、女はやさしく」と性別によって役割を分担する中で
つくられるイメージが幅をきかせ、他者との比較の中で「強く、勝者になること」という
意味合いが強いのではないかと思います。

 ??人は誰もが存在意義があり、尊厳を持ったかけがえのない命の存在??

 その力を信頼し合い、関係性の中で相互に「強くやさしく」関り合い支え合うこと、
その方向性を共有し合いめざしていくことが、この現代社会において、特に子どもたちに
指し示していくべきもっとも重要なことなのだと思い日々活動を続けています。

 DVDの内容もさることながら、挿入歌も一押しです。
DVD視聴(18分)を含むセミナーなどもお引き受けしていますので、興味のある方は
SEAN事務局までお問合せいただければと思います。

              2007.11.4 かえこ


::::::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::::::

★☆★盛りだくさんの情報掲載中!! スケジュールチェックをお忘れなく!!★☆★
 *お申込み・お問合せはSEANまで

1)大人たちのしゃべり場  語れば何かが見えてくる 「お金」「政治」をオープンに語ろう!!
 Step2「お金」 11/20・12/18
 Step3「政治」 1/22・2/19・3/11
 各火曜日 10:30?12:30 
 SEAN事務所 1Fつどいのスペース(JR高槻駅下車5分)
 正会員500円・非会員700円 保育あり1,500円(2時間)

2)19年度ドーンセンター協催事業
 対立をちからに!Win Win?勝ち負けのない解決方法を考えよう!
 
 日時 2007年12月9日(日) 10時?16時
 会場 ドーンセンター 特別会議室

◆午前の部 10:00?11:30 
<G-Freeプロジェクト公開研修会>
 紛争解決ワークショップ(定員25名) 
  ファシリテーター  奥本京子さん(大阪女学院大学准教授)

◆午後の部 13:00?16:30 (定員96名)
<SEAN事業報告会> 13:00?14:00
 ?報告書「人として強くやさしく」
   報告者 片田 孫 朝日
 ?小学生教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」

<シンポジウム> 14:15?16:30 
 対立をちからに! ?Win Win勝ち負けのない解決方法を考えよう?
   [パネリスト]
     奥本京子さん
     中村正さん(立命館大学大学院応用人間科学研究科教授)
     栗本敦子さん(Facilitaor's LABO <えふらぼ>
   [コーディネーター]
     遠矢 家永子

 【午前の部】  参加費 1000円  保育料  700円
 【午後の部】  参加費 1500円  保育料 1000円       

3)報告書等のご紹介

A.小学生向け教材DVD
 わたしもボクも☆みんな活き活き ?ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり?

 ?.気もちってなあに?
 ?.気もちにフタをしていたらどうなるの?
  ?女の子だって言っていい!!の巻
   「やさしさ」と「なかよし」について
  ?男の子だって泣いていい!!の巻
   暴力の連鎖について
   3つの解決方法

 *時間 18分
 *個人価格 2,000円
  ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
 *送料 300円
 

B.現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
 このままでいいの?今時の子育て支援
 ★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
 A4判 全58頁 800円
 【内容】
 はじめに
 #1 アンケートの実施目的と「子育て支援プロジェクト」活動のあゆみ
 #2 2005年9月「子育てママのおしゃべり広場」の開催
 #3 「子育て」に関する調査結果の分析
 #4 2006年6月24日「女と男のつどい」分科会
 #5 報告書の発行にあたって
 #6 寄稿 報告書の発行にあたって

C.2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践 ?子育て支援をジェンダーの視点で?

 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
 A4判 全70頁 800円
 【内容】
 ?.平成18年度高槻市協働活性化モデル事業の取り組み
 ?.子育ち講座
 ?.情報ライブラリー
 ?.子育てママのグチグチ電話相談
 ?.「協働」への新たな理解に向けて
   (大阪府・高槻市職員研修受入れ)

D.『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく ?子どもたちを被害者にも加害者にもしないために?
  SEAN G?Freeプロジェクト発行

  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の関係を読み解きます。講座録も読みごたえあり!

  A4判 全174頁 2000円
  *2006年度大阪府ジャンプ活動助成事業
  【内容】
  ?.SEANがめざす社会とSEAプログラムの三つの柱
  ?.G-Freeプロジェクトの歩みとSEAプログラム
  ?.中高生のジェンダーの意識:事前アンケート分析
  ?.ジェンダー意識の課題とSEAプログラムの効果:
    アンケート事前・事後 対比分析
  ?.プログラム実施後の感想
  ?.G-Freeスキルアップ講座記録:
    「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」
  ?.VOICEと寄稿

E.啓発パンフレット(上記報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き "こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 *上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!

 A3判1枚 フルカラー 50円
 【内容】
 ・今度生まれてくるとしたら...
 ・性別役割はいる?いらない?
 ・エンパワメントとは?
 ・「性」のありよう
 ・暴力の連鎖
 ・ジェンダー規範と人権規範 他

F.ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52?59ページ)各400円
 ★「勝手に通信」のバックナンバーです。 no4のみ在庫あり。
 【内容】
  ・ジェンダーってなぁに?
  ・待つ、許す、思い続ける
  ・弱さを再考する 他

*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(手数料含む)・DVDのみ送料300円が別途必要になります。

●会員になって、SEANの活動を支えて下さい!!
 【正会員】 入会金2,000円 年会費6000円
 【賛助会員】 1口2,000円から何口でも
   郵便口座 00960-4-115488
   名称 NPO法人シーン

子どもたちの現実と、大人社会の混乱(no.224)

 12日松山市議会の委員会で、「松山市男女共同参画推進条例の運用の基本方針を
明確にすることを求めることについて」という、とんでもない内容の請願が採択され、
17日の本会議で審議されるという情報が届きました。

  請願事項は次のとおりです。
1.日本の伝統と文化を尊重すること。
2.身体及び精神における男女の特性の違いに配慮すること。
3.家族と家庭を重視すること。
4.専業主婦の社会的貢献を評価し、支援すること。
5.子どもを健全に育成する上で、乳幼児期に母親の役割が重要であることに配慮すること。
6.性教育は社会の良識に配慮し、子どもの発達段階に応じて行うこと。
7.数値目標は現実的に策定し、長期的視野に立って達成すること。
8.教育においては上記の全項に配慮するほか、規範意識と公共の精神の醸成にも努めること。
9.表現の自由及び思想信条の自由を侵さないこと。
10.松山市はジェンダー学あるいは女性学の学習あるいは研究を奨励しないこと。
11.性別による固定的役割分担意識及びそれに基づく社会習慣を認定した場合には、
その認定について松山市議会に報告すること。

 私は上記の内容について、国の基本法違反となり、国連から勧告を受ける程のとんでもない
内容だと腹立たしく感じましたが、みなさんはどう思われましたか?

 ここ数ヶ月、SEANは高槻市協働活性化モデル事業や大阪市デリバリー講座、そして、単独での学校からの依頼で、小学校や中学校でジェンダーや性をテーマに授業を実施してきました。
そして、大阪府ジャンプ活動助成事業として子どもたちが読んでいるコミックや情報誌などを調査し、
中学生の「性」に関する意識調査などにも取り組んできました。

 子どもたちが得ている情報は約30年前の600倍だと言われ、携帯・インターネットなどの急激な普及に
伴い「男尊女卑」「女性性の商品化」「異性愛中心主義」「権力関係や暴力の肯定」などが野放し状態で
氾濫しています。その状況下でとりわけ家族における性別役割に固執し、性別に関わらない
子どもたちの自律を促す教育は行わず、上記のようにむしろ「家父長制」「性役割分担意識」
「母親役割を強調する3歳児神話」を強化させることは自虐行為であるとしか思えません。

 中高生たちが授業の中で発言してくれる意見には、下記のようなものがあります。

男に期待されることは
  「財力」「労働力」「才能」「跡継ぎ」
  「どこかに行くときは一人で行きなさい」
女に期待されることは
  「ある程度の頭の悪さ」
  「『財力』『労働力』『才能』を持った男と結ばれること」
  「危ないからみなで行きなさい」

  「女子が自分よりも頭がいいといやな気持ちになる」(中学男子)
  「好きな人からは、束縛されたい」(高校女子)

 それらを発言した子どもたちを攻める気はありません。
そう思わせ、自分や友だちを追い込んでしまう状況の中で子どもたちが生きにくさを覚えているわけで、
そう言わせてしまっているのは、私たち大人社会の責任だと思うからです。
若者の性感染症や中絶、親からの子ども虐待、子どもの親殺し、DV、ストーカーなど、その責任を
私たち大人一人ひとりが請け負い、子どもたちに「人権」の尊さをきちんと教え、規範意識にして
いくべきなのです。規範意識を家族や性別で固定化することは、権力構造を生み出すだけでなく、
不幸な人権侵害を生み出すだけです。

 自分の「こころ」と「からだ」の状態を受け止め、それを言葉で表現できる子どもであってほしい。
そして、他者の「こころ」と「からだ」の状態も受け止め、安心し尊重し合える関係を築ける大人に
成長してほしい。それを現実にするためには、ジェンダーという性役割の画一化と権力構造に
ついて大人たちがもっと洞察力を高めていく必要があると思います。
 
 女の子も男の子も、そしてその二分化の中に分類できない人も、すべての人が一人の存在意義を
持ったかけがえのない人として、もって生まれた力が活かされる社会に向かって、共感し合える
ものがつながって踏ん張る時なのだと思っています。

 子どもたちの、そして私たちの明るい未来を信じて。

                  2007.12.14 かえこ

2008年☆「人権尊重」と「協働」の実践を!(no.225)

 昨年は、学校の授業でたくさんの子どもたちと出会いました。下記は、高槻市立小学校の人権学習に
お呼びいただいた時の、6年生の子どもたちの感想です。
 小学生の頃は夢などなかったこと、NPOを立ち上げる前のこと、今NPOでやっていること、
「性別ではなく、人として強くやさしく生きる」ということなど、絵本・クイズ・紙芝居などを使いながらの
45分授業でした。

 「初めはNPOとはなにかわからなかった。けど、話を聞いていてすてきな事だと思う。
誰かのために自分のできることをしていきたいと思いました。NPOはお金もうけより目的を達成すること、
それが第一の考えということを聞いてすてきだなと思いました。その他にベビーシッターをしたり
ようち園から家に送ってあげたりもしていると聞きました。NPOはとてもすてきだなと思います。
そして最後の紙しばいの中に『強くやさしく生きたい』私もそんなふうに生きていけたらすてきだなと
思いました。今日の話を聞いて少し考え方がかわりました。」

 「遠矢さんは男と女、別々に生きていかずに『男女共生』で生きていこうと考えた。
ぼくも女子をいじめる時もあるけど、この言葉の意味を知って『自分も変わらんと!!』と思った。
遠矢さんは、なぜそうゆう仕事が好きかよくわかった!
人にこのことを知ってもらいたくて、この仕事に入り、わかってもらって、男も女もいっしょに
生きてゆこ?よとゆう事を知ってほしいんやと、男女の差別はいけない事だよと知って
ほしいんじゃないかとぼくは思った」

 昨今、「子どもたちに、奉仕や道徳を教育することが必要だ」と力説する人がいます。
でも、上記の感想からお分かりいただけるように、子どもたちに必要なのは、自分を含めた誰もの
人権を尊重することの重要性を学ぶこと、その実践努力を惜しまない大人たちとの出会いから
学ぶことなのだと思います。

 結局のところ、大人である私たちの生き方を省みることからしか始まらないのではないでしょうか。

 また、下記は1996年わびあいの里で平和学習をする小学生への反戦地主平和運動家であった
故:阿波根昌鴻/あはごんしょうこうさんの言葉です。
(*昨年の我が家のカレンダーに記されていた12月の言葉)

 「五本の指はすべて力が違う、形も違う、立場も違う。
だがそれぞれの指の役割は大きい。五本の指全部が協力し、理解し、団結すれば何事も簡単にできる。
だが、できたときに威張る指はない。これこそ助け合って共に生きる平和の道人間の道です。」

 一本の指では、物を掴むことはできません。でも指が協力し合えば物を掴んだり投げたりすることもできます。
単独ではなし得ないことが、協働することで実現できるというとても分かりやすいたとえ話です。
そして、できた時にどの指が一番偉いということもないのだと教えてくれる、阿波根さんの尊い教えです。

 誰もの存在意義が認められ活かされる「人権尊重」、支え合い・活かし合いによる「協働」の社会づくりを
めざすことそれらを、NPOで実現していくために、2008年もまた一歩一歩"想い"をかたちに
していきたいと思います。

 今年もご支援・ご協力・ご参画をよろしくお願いいたします。

                        2008.1.4 かえこ

過不足のない「たくましさ」と「やさしさ」を

 昨年10月に制作した小学生向け教材DVDですが、全国各地の男女共同参画センターなど公的な施設等のライブラリー貸し出し用として、ご購入いただいています。
このDVDは松下電器産業株式会社の協力のもと制作したもので、企業のCSRという観点においても注目すべき取り組みであったと思っています。

 18分のDVDですが、小学校4年生の子どもたちに実施した出前授業の様子などが収録されています。
このDVDを使っての講座依頼も増えつつありますが、子どもたちの素直な反応に感心される方が多いようです。
 映像の中で「『悲しい』『うれしい』などの気持ちに、男も女もない」と、言い切る子どもの姿にたのもしさを感じ元気をもらうことができます。しかし、これまで実施してきた出前授業の中では、「男は泣かない」といった古典的なジェンダー観をもっている子どもに出会うことも多く、「たくましい」「やさしい」や「かっこいい」「かわいい」には、固定的な性別のメージが根強くあるようです。

 時には「たくましく」、時には「やさしく」あることが、実は人が大人へと成長し他者との関係性を築いていく上では、性別に関わりなく必要なことなのだと思います。

 「過不足なく」という言葉が私は好きです。
ジェンダーによる性別役割への期待は、「過剰」になる場合が多く、「不足」と思われる者へのバッシングが目につきます。
そして、そのバッシングは自己否定にもつながっていきます。
性別役割ではなく、人としての成長として考えると、「過不足なく」がぴったり当てはまります。

 また、自然に沸き起こる「悲しい」「腹が立つ」などの感情を、その過剰な役割期待で抑圧してしまうと、その感情を自己認知できなくなり、認知できないまま自己コントロールもできなくなってしまったり、他者の感情への想像力さえもてなくなってしまうようです。
 大切なことは自分の中で沸き起こる感情を認知し、その感情を表現するかしないかを自己責任のもと選択し、その結果を引き受けていくこと、他者の感情に想像力を働かせ傾聴し、その感情に対しての対処も自己責任のもと選択し、その結果を引き受けていくことなのだと思います。
 そうすることで、抑圧された感情を爆発させるといった無用な暴力の連鎖を断ち切ることができるはずです。
 DVDでは、その暴力の連鎖について、子どもが観ても分かりやすいアニメーションにして収録しています。

 タイトルのとおり一人でも多くの子どもたちが、「みんな活き活き」生きるられるよう願いをこめて、多くの産みの苦しみと共に制作した力作のDVDです。
 内容も分かりやすく副読本付ですので、上映権ライセンス付をご購入いただければ自由に教材として使っていただくことも可能です。
また、SEANでは、そのDVDを使用した講座なども請け負っていますので、事務局にお問い合わせいただければと思います。

 予告:ただいま、報告書「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」の編集真っ只中です。
先日「中学生の『性』に関する意識調査」(A4、8ページ)の冊子が発行できたところですが、その内容も上記報告書には収録する予定です。
 内容や販売に関しては、このコラムにてご案内させていただきますので、乞うご期待願います。


:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

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 *お申込み・お問合せはSEANまで

1)4enサイト http://4en.jp
  NPOの情報発信と企業における寄付文化を広めるためのサイトです。
  とおやがBLOGで情報発信しています。よければ、のぞいて下さいませ!
  
2)わたしもボクも☆みんな活き活き
〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜小学生対象教材DVDの視聴と講座
  遠矢 家永子(SEAN代表)
 2008年3月16日(日) 高槻市立総合市民交流センター5F 視聴覚室
 主催 高槻市立青少年センター
 参加 無料

3)サポートとんがらし有償スタッフ養成講座

 4月26日(土)10時〜16時
 ?NPOとは?ジェンダーについて  遠矢家永子(SEAN代表)
 ?【公開講座】 子どもの発達心理  落合正行さん(追手門学院大学教授)

 4月27日(日)10時〜16時
?【公開講座】 コディネーター概論 筒井のりこさん(龍谷大学教授)
?"サポートとんがらし"支援の現状   中村淑子(SEANサポートとんがらし代表)
 高槻市立総合市民交流センター 第4会議室

資料代 【養成講座】ワーカー登録会員 2,500円
             新規ワーカー登録希望者 4,000円
     【公開講座】正会員500円・非会員900円

4)報告書等のご紹介

A.小学生向け教材DVD
 わたしもボクも☆みんな活き活き〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜

 ?.気もちってなあに?
 ?.気もちにフタをしていたらどうなるの?
  ?女の子だって言っていい!!の巻 「やさしさ」と「なかよし」について
  ?男の子だって泣いていい!!の巻
   暴力の連鎖について
   3つの解決方法

 *時間 18分
 *個人価格 2,000円
   ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
 *送料 300円
 
B.現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
 このままでいいの?今時の子育て支援
 
★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
 A4判 全58頁 800円
 【内容】
 はじめに
 #1 アンケートの実施目的と「子育て支援プロジェクト」活動のあゆみ
 #2 2005年9月「子育てママのおしゃべり広場」の開催
 #3 「子育て」に関する調査結果の分析
 #4 2006年6月24日「女と男のつどい」分科会
 #5 報告書の発行にあたって
 #6 寄稿 報告書の発行にあたって

C.2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践 −子育て支援をジェンダーの視点で−

 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる
  行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
 A4判 全70頁 800円
 【内容】
 ?.平成18年度高槻市協働活性化モデル事業の取り組み
 ?.子育ち講座
 ?.情報ライブラリー
 ?.子育てママのグチグチ電話相談
 ?.「協働」への新たな理解に向けて (大阪府・高槻市職員研修受入れ)

D.『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく 〜子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜   SEAN G−Freeプロジェクト発行

  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の関係を読み解きます。講座録も読みごたえあり!

  A4判 全174頁 2000円
  *2006年度大阪府ジャンプ活動助成事業
  【内容】
  ?.SEANがめざす社会とSEAプログラムの三つの柱
  ?.G-Freeプロジェクトの歩みとSEAプログラム
  ?.中高生のジェンダーの意識:事前アンケート分析
  ?.ジェンダー意識の課題とSEAプログラムの効果:アンケート事前・事後 対比分析
  ?.プログラム実施後の感想
  ?.G-Freeスキルアップ講座記録:「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」
  ?.VOICEと寄稿

E.啓発パンフレット(上記報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き"こころ"に決めたことに男も女もないんや!

 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!

 A3判1枚 フルカラー 50円
 【内容】
 ・今度生まれてくるとしたら...
 ・性別役割はいる?いらない?
 ・エンパワメントとは?
 ・「性」のありよう
 ・暴力の連鎖
 ・ジェンダー規範と人権規範 他

F.ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート 「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52〜59ページ)各400円
 ★「勝手に通信」のバックナンバーです。
  no4のみ在庫あり
 【内容】
  ・ジェンダーってなぁに?
  ・待つ、許す、思い続ける
  ・弱さを再考する 他

G.中学生の「性」に関する意識調査 〜性に関するよりよい学校教育のために〜
 (A4判8ページ)100円/送料込み代金200円
*この内容は、4月発行予定の報告書「マンガ・雑誌の
 『性』情報と子どもたち」のも収録する予定です

*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(手数料含む)・DVDのみ送料300円が別途必要になります。

財政危機を乗り越える「手立て」って?

 「大阪府の財政危機とは何か」というタイトルの学習会に参加してきました。
大阪府が抱える5兆円の債務の根底にあるのは、これまでの歴代知事が取り組んできた 巨大プロジェクトの度重なる破綻、その破綻を穴埋めする方法論が間違っていたこと、そもそもその開発の発端も歴代の総理大臣が出した方針の影響を受けたものが多いのだということが漠然とではありますが、私の頭でも理解できました。

大阪府ではそのつけを、府民のセーフティネットや居場所、文化などを縮小あるいはなくすことで支払おうとしているように見えます。
表面上は取り繕えても根本の問題を残したまま、歴史は繰り返されるだけのような気もしますし、自立した地方自治こそがこの危機を救う手立てなのだとしたら、府民のセーフティネットや居場所、文化などを縮小あるいはなくすことは、自立した地方自治をまっこうから否定することであり、財政危機を招いたサイクルにさらなる拍車をかけていく方法論なのだと思えてなりません。

 「住民が主人公の地域づくり兵庫4町長が語る」という文章の中に、「国の政治に振り回された夕張市を見せしめのような象徴にしようとしている」こと、「国の言いなりにならないで、住民とともに知恵と力をあわせて、独自の道を追求してきた自治体こそが、すばらしい発展を遂げることができます」という文章があります。そして、「自由で民主的な社会教育活動が、今こそいっそう重要になってくる」とありました。

 私が現在の活動に行き着いたのは、高槻市の社会教育の恩恵です。
行き着いた先は男女共同参画の活動ではありますが、入り口は社会教育でした。
 25年前に長女を産み、彼女の未来を案じる中から様々な学びや活動に足を突っ込んでいったわけで、子ども会・PTA・親子劇場・生協や図書館運動や反戦など地域の自主的な運動や活動が、私を突き動かす機動力となりました。

 約19年前、高槻市の家庭教育学級(現学び舎ネット)の運営委員のなり手がなく、長女が1年生に入学した年に委員を引き受けたことが大きな転機となり、「まじめなことをまじめに考えてもいい」ことに私は力を得ました。
当時は、「まじめなことは損なこと」「まじめなことを言う人は変わった人」「率直にものを言うとはじかれる」という空気が女性たちの地域コミュニティに充満しているように見え、私自身もなかなかそこから抜け出す自信がもてなかったわけですが、「なり手がない」という大義名分が私にとっての新たなきっかけとなりました。
その延長線上で、1994年に当時社会教育課が委託金を出していた「女性学級」(当時は婦人学級)を発足させることとなり、その学級で保育が必要になって1997年にSEANを立ち上げることとなりました。
 家庭教育学級や当時の女性学級は、市からの補助金・委託金を受けての運営でした。 税金からの補助を受けての活動だったので、そこで得た知識や経験を市に還元することを 私は頭の片隅においていました。

 地方分権が進む今、地方行政が自立していくことが最重要課題のはずです。
そして、それは自立・自律した市民の手でしかなし得ないことなのだと思います。
国も地方自治も、市民の自立や自律について責任追及だけを向けてきているように感じますが、市民が責任を負えるだけの自信や力量を持つための支援づくりは、国や地方行政の責任であり、それが役割なのだと私は思います。
 
 NPOもまたその縮図です。財源や人材確保においてなど、うまくいかないことも多々あり悩ましい限りですが、道は開けるものと信じて2008年度も乗り切りたいと思います。

:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

1)協働活性化モデル事業成果報告会(無料)

 4月12日(土)午後2時〜午後4時  高槻市生涯学習センター3F研修室
  2007年度協働事業に採択された
  「小学校の校歌を遺そう」(NPO高槻ブロードキャスト)
  「演芸ボランティアのネットワーク事業」( 民謡・松の会)
  「地域力発掘!子育て支援スタッフ養成講座」(NPO法人三島子ども文化ステーション)
  「かけがえのない命」についての出前授業の実施」(NPO法人SEAN)
  がそれぞれ事業報告。
  2008年度の「市民協働のまちづく事業」概要説明も行われます。
  問合先:高槻市 コミュニティ推進室(674-7462 )

2)サポートとんがらし有償スタッフ養成講座

 社会の一員として、あなたにできることがあります!まずは、ここから始めてみませんか?
  
 4月26日(土)10時〜16時
 ?NPOとは?ジェンダーについて  遠矢家永子(SEAN代表)
 ?【公開講座】
 子どもの発達心理  落合正行さん(追手門学院大学教授)

 4月27日(日)10時〜16時
 ?【公開講座】
  コディネート概論 筒井のり子さん(龍谷大学教授)
 ?"サポートとんがらし"支援の現状 
  中村淑子(SEANサポートとんがらし代表)
 高槻市立総合市民交流センター 第4会議室
 資料代 【養成講座】ワーカー登録会員 2,500円 新規ワーカー登録希望者 4,000円
     【公開講座】正会員500円・非会員900円

3)2008年度SEAN総会 5月26日(月) 2時〜4時
 高槻市総合市民交流センター 4階 研修室

 会員になって、SEANの活動を支えて下さい!!
 【正会員】 入会金2,000円 年会費6000円 【賛助会員】 1口2,000円から何口でも
   郵便口座 00960-4-115488
   名称 NPO法人シーン

4)たかつきジャズストリート
 5月3日・4日のいずれかでフリーマーケットに出店して、資金稼ぎをします。
 物品のカンパと販売の手伝いをお願いします!!

★報告書等のご紹介★

1.中学生の「性」に関する意識調査〜性に関するよりよい学校教育のために〜 (A4判8頁)100円
 *2007年度高槻市協働活性化モデル事業

2.報告書「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」 (4判102頁)1,800円
 *大阪府ジャンプ活動事業

3.小学生向け教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」
  〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜

 小学4年生の子どもたちの授業の実際の様子やアニメーションの映像を通して、「気もちってなあに?」「気もちにフタをしていたらどうなるの?」「やさしさ」と「なかよし」や、暴力の連鎖などについて学びます。18分。

  *個人価格 2,000円 *ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
  *送料 300円
 
4.現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書 このままでいいの?今時の子育て支援
 ★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
 A4判58頁 800円
  「子育て」に関する母親122人のアンケート調査結果など

5.2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践−子育て支援をジェンダーの視点で−
 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
 A4判 全70頁 800円
  高槻市立男女協働参画センターとSEANが協働で取り組んだ子育ち講座・情報ライブラリー
  ・子育てママのグチグチ電話相談などの取り組みについて

6.『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく〜子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜
  SEAN G−Freeプロジェクト発行
  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の関係を読み解きます。講座録も読みごたえあり!

  A4判174頁 2,000円
  *2006年度大阪府ジャンプ活動事業
  
  中高生の「ジェンダーと暴力」に関する意識調査分析
  人権教育の必要性と効果を見るための事前・事後アンケート対比分析
  講座録「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」

7.啓発パンフレット(6.報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き"こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!
 A3判1枚 フルカラー 50円

F.ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート 「かえこのちょっと言わせて
(A5判52頁)各400円
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 送料200円(手数料含む)・DVDのみ送料300円が別途必要になります。

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デートDVを容認する、子どもたちをとりまく「性」情報

SEANでは、2年続きで大阪府ジャンプ活動事業の助成を受けることができ、成果物として2冊の報告書を発行しました。

 2006年度は、SEANが2002年から取り組んできた「ジェンダーと暴力」の人権教育の 実践内容や、中高生約600名を対象に実施したアンケートでの意識調査をまとめ、「人として強くやさしくー子どもたちを被害者にも加害者にもしないためにー」(A4判174頁・2,000円)と題した報告書を発行しました。

 2007年度は、「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」(A4判102頁・1800円)を発行し、その報告書には中学生約400名を対象に実施した「性」に関するアンケート意識調査分析や、中学生がよく読むマンガ誌やファッション情報誌等の内容調査をまとめ収録しました。
 
 (ちなみに、大阪府ジャンプ活動事業は、助成といっても半額助成であり内部スタッフの人件費は予算に組み込めないので、取り組みの経費の大半が人件費である調査研究事業では、結局スタッフはボランタリーにならざるを得ないわけですが、それでも調査した内容を社会に知らしめる意義を実感しているNPOにとっては、とても有り難い助成でした。 しかし、今回の橋下大阪府知事のPT案ではそういった事業予算は軒並みなしということで、とても残念だと思っているところです。)

 さて、2007年度報告書は、中学生のアンケート調査とマンガ誌や情報誌の調査分析の 二本柱で構成しています。
アンケート調査の方は、2007年度の高槻市協働活性化モデル事業として取り組んだもので、企画立案やたたき台作成、実施、分析はSEANが主体で取り組んではいますが、高槻市教育委員会との協働で取り組みました。今回の協働事業は、アンケートと併せて公立中学校3校でセクシュアルライツ教育出前授業も実施しており、「性」に関する教育が及び腰になっている今、全国的に見ても評価に値する取り組みであったと自負しています。

 中学生の「性」に関する意識は、異性愛が中心で「つき合い方」や「恋愛」には興味が あるけれど、「はずがしい」「いやらしい」「エロイ」といったマイナスのイメージが主流でした。
 それらのイメージを生み出している情報源は、テレビ・マンガ・雑誌などのメディアであり、今回の報告書では主に中学生がよく読むマンガ誌や雑誌の内容を調査し分析することを試みました。
 女子がよく読むマンガ誌や情報誌のほとんどが「恋愛」をテーマにしており、彼氏をゲットするためにいかに自分をよく見せるかといった内容のオンパレードで、「強く」リードする彼氏像とそれに従順である彼女像がたくさん描かれています。
そして、恋愛における彼氏の「強さ」や「愛情」表現を、彼女への支配や嫉妬という形で 描いているマンガが少なからずあることに目がとまりました。

 男子がよく読むマンガ誌は「恋愛」ではなく、「勝負」「スポーツ」「戦い」などのテーマが主流です。
アンケート結果をみると、男子も女子同様「恋愛」に興味がないわけではなく、そのニーズにこたえる情報源がアダルトゲームやインターネット情報に流れてしまう危険性を強く感じました。
 また、少年マンガ誌が「恋愛」をテーマにすることが少ないにもかかわらず、「女性性」を人格の備わった「人」としてではなく、脈略もなく性的な商品として扱う描写が 多く登場することに強い嫌悪感をもちました。

 育ちの中で少女誌と少年誌の描写を鵜呑みにしてしまうと、恋人間のデートDVの関係を普通の恋愛関係であると容認してしまう恐れがあるのではないかと心配になります。
 メディアの中のつくられた「性」の神話を読み解くメディアリテラシー教育やジェンダー平等教育、セクシュアルライツ教育、デートDV予防教育などの取り組みの必要性や重要性を、今回の調査分析で強く実感しました。
 
 子どもたちをとりまく「性」に関する情報が膨大かつ過激になってしまった今日、2冊の報告書の内容はこれからの教育を考える上で貴重な資料となるはずだと期待しています。
 ぜひ、ご一読いただければと思います。


:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

★☆★盛りだくさんの情報掲載中!!スケジュールチェックをお忘れなく!!★☆★

1)2008年度SEAN総会
 5月26日(月) 2時〜4時 高槻市総合市民交流センター 4階 研修室

 会員になって、SEANの活動を支えて下さい!!
 【正会員】 入会金2,000円 年会費6000円 【賛助会員】 1口2,000円から何口でも
   郵便口座 00960-4-115488  名称 NPO法人シーン

2)DVD教材「わたしもぼくも☆みんな活き活き〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり」を使っての
   ファシリテーター養成講座  ***ジェンダー規範から人権規範へ***
  日時:7月26日(土)13時〜16時
  会場:ドーンセンター4階 中会議室
  参加:1,500円
     *DVD教材を使用した講座の実施をお考えの方は別途、上映権付DVDをご購入願います

3)予告:SEAプログラム実践者養成講座開催! 10月25日・26日

★報告書等のご紹介★

1.中学生の「性」に関する意識調査 〜性に関するよりよい学校教育のために〜(A4判8頁)100円
 *2007年度高槻市協働活性化モデル事業

2.報告書「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」(4判102頁)1,800円
 *大阪府ジャンプ活動事業
 *上記1.冊子の内容も収録されています

3.小学生向け教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜
 小学4年生の子どもたちの授業の実際の様子やアニメーションの映像を通して、「気もちってなあに?」「気もちにフタをしていたらどうなるの?」「やさしさ」と「なかよし」や、暴力の連鎖などについて学びます。18分。制作協力:松下産業株式会社
  *個人価格 2,000円 *ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
  *送料 300円
 
4.現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書 このままでいいの?今時の子育て支援
 ★「母親役割強化支援」ではなく、人としての「生き方支援」を訴えます!
 A4判58頁 800円
  「子育て」に関する母親122人のアンケート調査結果など

5.2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践−子育て支援をジェンダーの視点で−
 ★少子化高齢化に向けて、ますます必要不可欠となる行政とNPOの「協働」の具体例の紹介です!
 A4判 全70頁 800円
  高槻市立男女協働参画センターとSEANが協働で取り組んだ子育ち講座・情報ライブラリー
  ・子育てママのグチグチ電話相談などの取り組みについて

6.『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく 〜子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜
  SEAN G−Freeプロジェクト発行
  ★生徒たちのアンケート調査から、「ジェンダーと暴力」の関係を読み解きます。
   講座録も読みごたえあり!
  A4判174頁 2,000円
  *2006年度大阪府ジャンプ活動事業
  <内容>
  中高生の「ジェンダーと暴力」に関する意識調査分析
  人権教育の必要性と効果を見るための事前・事後アンケート対比分析
  講座録「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」

7.啓発パンフレット(6.報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き"こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!
 A3判1枚 フルカラー 50円

F.ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」 (A5判52頁)各400円
 ★「勝手に通信」のバックナンバーです。 no4のみ在庫あり。

*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(手数料含む)・DVDのみ送料300円が別途必要になります。

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「依存」「自立」と子どもの育ち

 最近、「子どもの育ち」をテーマとする講座の講師をお引き受けすることが増えてきました。
そこで、私なりの考えをまとめてみます。

 私は1997年から約5年間、CAP(子どもへの暴力防止)の活動に取り組み、子どもへの暴力防止のための子どもの権利について考えてきました。
 それと並行してSEANが請け負っている保育や、人権教育出前授業などで他年齢の子どもたちに出会い、講座の中で子どもを取り巻く多くの大人たちの「子育て」「教育」の悩みにも出会い、そして子どもを取り巻く「絵本」や「マンガ」などの情報についての調査も試み、それらの課題と直面してきました。
 また、私自身の子ども時代や、我が娘たちの子育て経験を通して、子どもには5つの権利を保障すべきだと提唱してきました。

≪子どもの育ちで保障すべき5つの権利≫
 (1)存在意義を認められる権利
 (2)知る権利
 (3)考える権利
 (4)選ぶ権利
 (5)結果を引き受ける権利

 「生きている、ただそれだけで意味を持つ」子どもにとってそのことを体感させてくれる大人の存在が何より必要です。
「きっと喜んでくれるに違いない」「こんなことをしたら悲しむだろうな」と自分が存在することを無条件で受け止めてくれる人が一人いるだけで子ども自身に生きていく力が生み出されますし、他者をも「かけがえのない命」として認識することができるようになります。
 そこから出発すれば、多くの正しい情報や教えから学び、自ら考え、自分で行動を選んでいくことができるようになります。
そして、選んだことの結果である評価も、失敗からの学びも自分の中で消化し、「自立」したそして「自律」できる大人へと成長していきます。
 その繰り返しの中で、「誰のせいでもなく、誰のためでもない」、自分の人生の主人公になれるのだと思います。

 報道番組を見ていると、大人になって犯罪を犯すものが、親や社会への恨みを口にすることが多く、「親が忙しかった」「一人親家庭だった」などの物理的な成育暦の問題に着眼するコメントが多いことが気になります。
とても不幸な生い立ちで育った人の中で、犯罪を犯すものはほんの一握りの人たちです。 一見幸せそうな家族であっても、5の権利のどれかが保障されないこともよくあることです。
自分の行動は自分で選んでいるという実感がなければ、犯罪を犯しても悔い改めるどころか恨み辛みを口走るだけで、加害者ではなく被害者であると主張してしまうことになります。

 また、「依存」と「自立」を考えるとき、女の子は「弱い」存在として「依存」することが許され、男の子は「強い」存在として「自立」を促されて育ちます。
(1)は「依存」する関係性です。それが欠落したまま、(2)で「男は泣かない。弱音を吐かない」といったジェンダーを学んでしまったら、当然(3)(4)の考えと選択もジェンダーにとらわれ、人を踏みつけてでも「勝つこと」へのこだわりが強くなります。 「負け組み」となってしまった場合は、自分に存在価値が見出せなくなり、ひきこもりや自殺へと追い立てられていきます。
(2)で私たち大人が、何を情報として提供するのかが問われます。
成長段階で、「依存」も「自立」も共に必要なことなのに、性別によって容認されたり求められたりすることが違うのは大きな問題だといえます。

 また、「母親役割」は「依存」を受けとめる役割、「父親役割」は「自立」を促す役割として奨励する考えが、まだまだ多数派を占めているのも気になるところです。
上記の権利の(1)と(2)は大人に「依存」することで成立し、大人が(3)〜(5)を保障することで「自立」が促されていくわけですから、役割を分担せず1人の大人の中に「強さとやさしさ」として統合していくことこそが、子どもにとって「人として」のよりよいロールモデルとなれることです。

 活動を続ける中で、ジェンダーの視点で子どもたちに関わることが、子どもたちを被害者にも加害者にもしないための防止になることだと確信を強めてきました。
 さらなる取り組みを続けていきたいと思っています。


:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

★☆★盛りだくさんの情報掲載中!!詳細については事務局にお問合せ下さい★☆★

≪SEAN主催講座≫
*事務局にお問合せください
1)DVD教材「わたしもぼくも☆みんな活き活き
 〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり」を使ってのファシリテーター養成講座
     ***ジェンダー規範から人権規範へ***
  日時:7月26日(土)13時〜16時
  会場:ドーンセンター4階 中会議室
  参加:1,500円
     *DVD教材を使用した講座の実施をお考えの方は別途、上映権付DVDをご購入願います

2)予告:SEAプログラム実践者養成講座開催!
  10月25日・26日

≪一般公開されている依頼講座から≫
*主催者にお問合せください

1)(財)近江八幡人権センター主催
  7月7日(月) 19時〜21時
  「わたしがわたしであるために」講師:遠矢

2)兵庫県小野市男女共同参画センター
  7月10日(木)10時~12時
  「私のしあわせ・子どものしあわせ」講師:遠矢

3)NPO法人GGOジェンダー・地球市民企画主催(福岡小倉)
  7月11日(金)14時〜16時30分
  パネルディスカッション「DVの解決をめざして〜非暴力への道」
   遠矢がパネラーの一人です
  7月12日(土)10時〜12時30分
  体験!学校での人権教育で前授業 SEAプログラム」
   ファシリテーター:遠矢

4)川西市教育委員会 教育情報センター主催
  7月25日(金)14時〜16時
  「DVを生み出す背景と予防教育の可能性」講師:遠矢

★報告書等のご紹介★
*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(封筒1cm以内・手数料含む)〜が別途必要になります。
 詳しくはSEANのHPをご覧下さい

1)中学生の「性」に関する意識調査
 〜性に関するよりよい学校教育のために〜
 (A4判8頁)100円

2)報告書「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」
 (4判102頁)1,800円
 *上記1)冊子の調査内容も収録されています

3)小学生向け教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」
  〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜

 小学4年生の子どもたちの授業の実際の様子やアニメーションの映像を通して、「気もちってなあに?」「気もちにフタをしていたらどうなるの?」「やさしさ」と「なかよし」や、暴力の連鎖などについて学びます。上映時間18分
  *個人価格 2,000円
    ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
  *送料 300円
 
4)現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
  このままでいいの?今時の子育て支援
 A4判58頁 800円
  *「子育て」に関する母親122人のアンケート調査結果など

5)2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践−子育て支援をジェンダーの視点で−
 A4判 全70頁 800円
  *高槻市立男女協働参画センターとSEANが協働で取り組んだ子育ち講座・情報ライブラリー・
   子育てママのグチグチ電話相談などの取り組みについて

6)『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく
  〜子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜
  SEAN G−Freeプロジェクト発行
  A4判174頁 2,000円
  *中高生の「ジェンダーと暴力」に関する意識調査分析
  人権教育の必要性と効果を見るための事前・事後アンケート対比分析
  講座録「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」

7)啓発パンフレット(6.報告書ダイジェスト版)
 わたしもあなたも★みんな活き活き
"こころ"に決めたことに男も女もないんや!
 ★上記報告書の抜粋、学習会の資料として使用できます!
 A3判1枚 フルカラー 50円

8)ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52頁)各400円
 ★「勝手にSEAねっと通信」のバックナンバーです。
  no4のみ在庫あり。

●4enサイト http://4en.jp
  NPOの情報発信と企業における
  寄付文化を広めるためのサイトです。
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『協働』を大事に育てていこう!!

 大阪府では橋下知事のもとで「大阪維新」プログラム案なるものが公表されました。
そのことを踏まえて、先だって「大阪府行財政改革」に関する基調講演とワークショップで構成される1日がかりの学習会が幾つかの中間支援組織の協働で開催され、私はその講座に参加してきました。

 一市民としてはそれなりに学ぶ機会も多いはずの私の頭でも、理解できない専門用語も多く、難解な部分もたくさんありました。しかしながら、「行財政改革」というしろものは、実際には私たちの日々の暮らしと直結していることであり、子どもたちの未来に関わることであるわけで、なんとか社会の構成員の一人としてしっかり学び、自分なりの意見が言えるよう、考えを深めたいと参加しました。

 基調講演者のお一人である同志社大学大学院教授の新川達郎さんの講演は、「これからの行政改革は節約型から脱皮し、選択と集中型をめざすこと、優先順位をつけて政策重視、成果重視、協働重視、ガバナンス(統治)重視の行政改革がのぞましい」というお話から始まりました。

 「無理やり税金を取ってなんでも行政が提供し、行政の権限が増大していくような福祉国家型地方自治体から脱皮する。
これからの府政改革は協働が鍵を握る。
協働は住民満足度と制限制約・経済効率を両立させる道である。
ただし、標語としての協働や府民との役割分担論議は、実態として府民負担拡大路線となる。
今回の大阪維新プログラムは、何のための教育改革、何のための子育て支援か、最も有効な手段が選択されているのか疑問が残る。」

 当日頂いたレジメをもとに、要約するとこのような話でした。 

 まだまだ、一般的には認知度の低い『協働』です。
この言葉が使われ始めてからの歴史は短く、まだ「なぜ、今『協働』か?」
「そもそも『協働』ってなんだ?」ということさえ、共通見解になりきれてはいません。
 ただ、行政の財源も破たんし、格差社会が広がりつつある今、『協働』への期待は高まりつつあることだけは確信します。

 午後からのワークショップでは、5つのテーマに別れ議論を深めました。
 私は、「【大阪維新29】自己決定と自己責任による行政のかたちを発信」というテーマに参加しました。
 そこで、私なりに気づいたことは下記のとおりです。

・社会的弱者(女子ども・障害者・高齢者・ホームレスなど)といわれる人たちは、自己決定権を保障されているのだろうか。
・自己決定を保障するには、選び取るだけの力や条件をまず整備することが必須であるはずだが、上記「社会的弱者」はそのスタートラインに立たせてもらえていないことが多いのではないか。
・自分で選んでいないのに、責任だけを要求されることは差別である。
・その不平等を回避するために条例や条約・憲法が策定されているのに、担当課職員の努力のみで、全庁的な見解にまで至っていないことが多く、政策そのものにその理念が組み込まれているとは言い難いことが多い。
・結果、トップが変われば、本来不平等・差別を是正し理念を遂行するためにつくられている計画・条例などは絵に描いたもちになってしまう。
・でも、そのトップを選んでいるのが民意であるとしたら、その時点で自己決定は行使されているという話になってしまう。

 結局、一人一人の生き方・考え方を終結させた時の多数派とならなければ、堂々巡りが繰り返されるだけだということなのでしょうか。
多数派の見解が、少数派の人権を保障するものでなければ、弱肉強食の格差社会は社会を 侵食していくことになるのでしょう。

 「市民参画」「市民協働」とは、「誰もが大切にされ、活かされる社会」に向かうための方法論なのだと思います。
そうやって課題と目的を共有し、共に知恵と汗を出し合うプロセスにこそ意味があるようにも思います。
 まだ産声を上げたばかりの『協働』です。
私たちの未来のために、みんなで一緒に大事に育てていきませんか?


:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

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≪SEAN主催講座≫
*事務局にお問合せください

1)ヌエック
 男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム 公募ワークショップ
 中学生の「性」意識とマンガ・雑誌の「性情報」
 8月29日(金)16時〜18時
 (独)国立女性教育会館 研修棟 3階 301号室
 資料代 500円

2)第11回男のフェスティバルinとよなか 分科会
 「強さ」を再考しよう!!
 9月7日(日) 13時〜15時
 主催 NPO法人SEAN 教育部門「G-Free」
 ファシリテーター かえっこ&アッキー
 資料代 500円
 会場 とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ 視聴覚室

3)〜子どもをとりまくジェンダー問題への気づきとその対応のために〜
 気づきのワーク・SEAプログラム
 実践者養成 集中講座
 日時 10月25日(土)・26日(日) 各10:00〜16:30
 受講料 正会員  18,000円 非会員20,000円 学生割引 15,000円
 *修了生はSEANの会員になって、スタッフとして活動することができます。
その際の入会金(2,000円)は免除されます。
 会場 ドーンセンター

≪一般公開されている依頼講座から≫

*主催者にお問合せください
*その他の講座予定については、
 http://www.npo-sean.org の2008年度依頼予定のページで
 ご覧になれます。

1)姫路市男女共同参画推進センターあいめっせ主催
  (tel079−287−0803)
  8月24日(日) 10時〜12時
  デートDV防止セミナー
  彼と彼女の恋愛事情
  講師:遠矢 家永子
  場所:イーグレひめじ4階セミナー室A
  受講料 300円

社会の担い手の一人として

 「したいことが見つからない。それが私の悩みです。」講座の参加者から、こんな言葉を聞くことがあります。
「自己実現」という言葉が流行ってから、そんな悩みを持つ人や青い鳥症候群のように足元を見つめずに、「ただただジプシーのように探し続ける人」「他者からの評価を気にしすぎる人」が増えてしまったのかもしれません。

 ふと、私は「したいこと」をしたくて、この活動を続けているのだろうかと自分自身に問いかけたくなりました。
確かに、「やりたくないこと」「不向きなこと」は極力しないようにしています。
私が最終的に「したいこと」とは、「死ぬときに『生きててよかった』と思いたい」、ただそれだけのことです。

 これまで幾度となく様々な活動に関わってきましたが、出発は「やりたいこと」というよりも、「やれること」「わたしが周りから期待されているであろうこと」だったように思います。

 その足がかりは、自分が困っていて必要なことであったり、学習したものごとの理不尽さや憤りであったり、「もっとできるかもしれない」という自らへの期待であったりで、「わたしの力を必要としている人がいてくれている」という想いであったり、どんな些細なことであっても自分にできることがあればやりたい、行動に結び付けていきたいという思いからの出発でした。

 その時点での自分にできそうなことをやっているわけですから、まわりからの見え方とは別にして、当然私にとってのハードルは低く、繰り返しの中でハードルは少しずつあがり、自分もエンパワーされていくといった循環の中にいるという感じです。

 そんな繰り返しの中で、自分の存在意義への確信と信頼がさらに強化されていくように感じます。 

 また、子育て支援の講座の参加者から、「ありのままの自分を受け入れるといわれても、ありのままの自分がわからない」「今の自分は『自分らしく』ないので、好きにはなれない」といった悩みを聴くことがあります。

 「ありのままの自分がわからない」というのがありのままの自分であり、「好きになれない」という自分がありのままの自分であるということだと私は答えています。
 たとえ、好きになれなくても、わたしはわたし。
大事なことは、自らの存在の意義を信じ、もくもくとできることを積み重ねていくこと、あるがままの姿を正直にそして真摯に生き、誰のためでもなく誰のせいでもない自分の人生を全うすることだと思うのです。
それが結果として、誰かのためとなり、自らの存在意義につながっていきます。

 そして、大人となった今、この社会でのできごとの責任の担い手の一人として、子どもたちの未来に私は何ができるのか。
そんなことを考え続け行動に変えていける人間でありたいと思います。

 もちろん、行きつ戻りつではありますが、できることを一歩一歩確実に、その中で確かな足跡を残していければと願うばかりです。


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≪SEAN主催講座≫

1)SEAプログラム集中養成講座 実践者のための気づきのワーク 〜ジェンダー規範から人権規範へ〜

 [日時]  10月25日(土)・26日(日) 各10:00〜16:30
 [受講料] 正会員  18,000円 非会員20,000円 学生割引 15,000円
 *テキスト代(「人として強くやさしく」)も含まれています。
 *修了生はSEANの会員になって、スタッフとして活動することができます。
  その際の入会金(2,000円)は免除されます。

 [会場] ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)
 [講師] 遠矢 家永子(教育部門「G-Free」代表)
 [講座内容]
  1日目 子どもをとりまくジェンダー・セクシュアルライツ・力関係と暴力の連鎖
  2日目 子どもに保障すべき5つの権利・「自律」「依存」とジェンダー

2)中学生の「性意識」と「性情報」調査報告セミナー
  「デートDV」も愛の証!? 〜マンガ・雑誌にみる恋愛パターン〜
 [日時] 12月13日(土) 13:30〜16:30
 [会場] 高槻市立総合市民交流センター
 [資料代] 900円

≪一般公開されている依頼講座から≫
*主催者にお問合せください

1)高槻市立子育て総合市民センター「カンガルーの森」 子育て講座「子どもの心の受け止め方」
 10月11日(土)10時〜11時30分 [講師] 遠矢 家永子 申し込み順40名
 [問合せ] カンガルーの森(072・686・3030)

2008年の終わりに思うこと

また、ずいぶんご無沙汰をしてしまいました。

 2008年は出張で遠出することも多く、訪れたことのない土地に出向き新たな出会いや
共感を得るといった収穫がたくさんありました。
しかし、その分からだの疲労度も高く、もうすぐ50に手が届くといった年齢との
格闘の始まりの1年であったようにも思います。

 そのおかげか、かえって自分の「こころ」と「からだ」の状態に目をむけ、そのことを
自分の責任として自覚できるようにもなりました。
来年も今以上にで、きるだけストレスをためこまず、こころにゆとりが生まれるような
工夫や気持ちの切り替えを心がけたいと思います。

 さて、暮れが押し迫ってのニュース報道は、経済の破たんや労働者の切り捨て
ばかりが目につきます。
これまでのこの国の政策が突き進めてきた結果が、ここにきて目に見える形で表れ始め、
生活そのものを圧迫し、未来への不安感をあおり始めることとなりました。

 比較的プラス思考の私でも、12年もの間SEANで取り組んできたことに、何の意味も
見出せなかったのではないかと無力感にさいなまれる事態です。
こういった状況を阻止するには、次の時代を築く子どもたちへの教育が大事であると
確信はしているものの、教育行政の路線はさらに競争原理での生産性の重視へ拍車が
かかっているような報道ばかりが目につき、さらに不安感や危機感が高まり、
「諦めモード」になっていきます。

 方程式を解くなどの学力は、「あきらめないこと」「課題を解決することでの達成感」など
得ることはたくさんあるのでしょう。
けれども、人がこの世に生を受け、一人ひとりが違う存在として共生していくスキルを
身につけていくこととは直結してはいません。

それどころは、優劣がはっきり現れる「学力」だけに力を入れれば入れるほど、強い者だけが
勝ち残っていく格差社会は容認され、さらなる広がりを招くものと懸念します。

 子どもたちにとって、公共教育や地域のコミュニティは、「人権尊重」という概念を身をもって
学んでいく場です。
生身の人と人とがぶつかり合う葛藤や対立を通して、非暴力の問題解決力を学んでいけるよう、
そこにかかわる大人も一緒になって時間をかけて取り組んでいくことがとても重要です。
勉強嫌いの私が学校で学んだと実感できることは、そんなことだったのではないかと思うくらいです。

 園児から大学生まで、SEANの出前授業で多くの子どもたちと出会います。
正しい情報を得ることができ、自分の頭で考え、行動を選択し、その結果を自分のものとして
積み上げていくことができれば、未来はどんどん開けていく力を子どもたちは持っていると
確信できます。

 そして、私たち一人ひとりが一つ一つのできごとを、「誰のためでもなく、誰のせいにもせず」
第三者的に原因追求だけで終始することのないよう、そして過不足なく責任と結果を引き受け、
自分にできることを小さなことでも確実に積み上げていくような生き方を心がけるロールモデルとして
生きてみせることが必要であると思います。

 少し気持ちは後退気味の年の瀬ではありますが、「こころ」と「からだ」が動き出せるよう
2009年に向けてのゆとりのある時間をしばし過ごしたいと思います。

                     2008.12.19  かえこ

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≪SEAN主催講座≫
*事務局にお問合せください

1)2008年度高槻市市民協働のまちづくり事業
 子育て・生活支援スタッフ養成講座
  今がチャンス!何かをはじめたいあなたへ
 <受講料>無料
 (但し、第3回の公開講座のみお申込みの方は資料代500円が必要になります。)
 各 10時〜12時
 ???高槻市立総合市民交流センター4F第4会議室
 ?高槻市立総合市民交流センター5F視聴覚室
 
?1月29日(木)
  オリエンテーション
 ファミリー・サポート事業について(高槻市)
 「とんがらし」のシステムについて(NPO法人SEAN)

?2月2日(月)
 思いをカタチにかえる第一歩〜わたしの場合〜
  遠矢 家永子(SEAN代表)

?【公開講座】2月5日(木)
 アドラー心理学に学ぶ 〜子どもとの関り方第一歩〜
  山口育子さん(NPO法人チッチキンダーガーデン理事長)

?2月9日(月)
 ・妊産婦さんへのサポート〜今どきのお産事情〜
   時本秋江さん(大阪府助産師会高槻支部支部長)
  ・ボランティアをするにあたって
       金子芳恵さん(高槻市ボランティア・市民活動センター職員)
 *要事前申込み  

かえこのちょっと言わせてバックナンバー

変化がのぞまれる2009年の始まりに

 みなさんは最近のバーゲンセールに、行かれたことがありますか?
セール期間は長く、驚くなかれ50%〜70%オフがざらです。
私はその恩恵を受けている一人ではありますが、どこのお店
にも商品が溢れかえり、いくら格安の値段が並んでいても、
欲しいものが手に入ってしまえば、購買欲もなくなってしまいます。

 しかし、人気の商品で話題性があれば、販売前日から徹也で
並んででも、手に入れようとする人たちを報道では目にしますし、
化粧品など景気のいい商品も存在しています。
 とどのつまりが、経済は需要と供給で成り立っており、人々が
欲しいと思わなくなったものは売れないし、需要と供給のバランスが
崩れ、たちまち製品がだぶついてしまうということです。
 企業が儲けを見越して製造しても、売れなければ、経費が回収
できず、破綻状態になっていきます。挙句の果てに、切り捨てられて
いくのが末端労働者という経費であり、そのことが、法人税収を
あてにしている自治体にも影響を及ぼしていくわけです。
輸出入の関係もあるだろうとは思いますが、今私たちが直面
している事態は、そんな単純な話なのではないでしょうか。

 そして、「景気回復」「雇用回復」が強く叫ばれ、給付金なるものが
支給されようとしています。しかし、老後への不安からお金を使わない
といった理由だけでなく、最低限必要なものを普及してしまった日本社会
では、結局のところどうしても必要なものや、手に入れたいものが
なくなってしまったことも1つの要因だとしたら、給付金の支給は国の
借金を増やすだけで効果は期待できないのではないでしょうか。
 それでもとりあえずは促されるままに、一時的に何かを購入し、お金
が多少社会で循環したとしても、そんなものは長続きするはずがなく、
環境を破壊する消費社会を繰り返すだけです。

 私は経済学者ではないので、難しいことはわかりませんが、私たちが
この世に生を受けて死ぬまで、必要不可欠なことが雇用に結び付けば、
安定した経済が生み出されるのではないかと思います。
命を全うするために必要不可欠なこと----衣食住の基本的人権や・
子どもの育ち・看護・介護・環境・社会構造上の弱者支援など、それら
に関わる労働で雇用を促進し経済を回復していく。行き詰った社会は、
言い換えれば、方向性を見直す絶好のチャンスだとも言えます。
そして、NPOや協働、CSRなどの今後の取り組みに期待をもっています。

 ジェンダーの視点で社会を見ると、これまで日常の生活を支える
ためにお世話役を担ってきたのは、古くは奴隷と言われた人たち、
そして女・子ども、近年では末端の労働者たちと女たちです。
それらの労働価値は低く位置づけられ、権力者たちの手によって
搾取され、簡単に使い捨てられてきました。
 強いものや富めるものが、「勝ち組」となっていく男性中心の資本
主義社会が破綻をきたしているのであれば、多様性を共生する支え合い
の社会を再構築していくべき時なのだと思います。
 強いカリスマ的なリーダーシップが期待されていますが、弱者の視点が
なければ人々を更に追い込んでいくだけですし、市民協働・住民自治
による成熟した社会は望めません。

 変化が望まれる2009年の始まりですが、どの方向に社会を変革
させていくかは、私たちの学びや行動力、主体性にかかっている
のだろうと思います。
 あきらめで無力感にさいなまれないよう、学び合いながら共に行動に
結びつけていければと願います。
                             2009.1.24


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★☆★盛りだくさんの情報掲載中!!
  詳細については事務局にお問合せ下さい★☆★

≪SEAN主催講座≫
*事務局にお問合せください

1)2008年度高槻市市民協働のまちづくり事業
 サポート部門「とんがらし」と
 高槻市立子育て支援センターとの協働開催

 子育て・生活支援スタッフ養成講座
  今がチャンス! 何かをはじめたいあなたへ

 <受講料>無料
 (但し、第3回の公開講座のみお申込みの方は
 資料代500円が必要になります。)
 各 10時〜12時
 ???高槻市立総合市民交流センター4F第4会議室
 ?高槻市立総合市民交流センター5F視聴覚室
 
?1月29日(木)
  オリエンテーション
 ファミリー・サポート事業について(高槻市)
 「とんがらし」のシステムについて(NPO法人SEAN)

?2月2日(月)
 思いをカタチにかえる第一歩〜わたしの場合〜
  遠矢 家永子(SEAN代表)

?【公開講座】2月5日(木)
 アドラー心理学に学ぶ
 〜子どもとの関り方第一歩〜
  山口育子さん(NPO法人チッチキンダーガーデン理事長)

?2月9日(月)
 ・妊産婦さんへのサポート〜今どきのお産事情〜
   時本秋江さん(大阪府助産師会高槻支部支部長)
  ・ボランティアをするにあたって
       金子芳恵さん(高槻市ボランティア・市民活動センター職員)
 
 *要事前申込み、SEANサポート部門「とんがらし」まで  

2)SEANまちづくり事業第1弾 SEAN理事会主催
 4月4日(土)午後
 講師 中川幾郎さん(帝塚山大学法政策学部教授)
 高槻市総合市民交流センター第4会議室
 *詳細については、決まり次第お知らせしますので、
  乞うご期待!!

あらゆる政策にジェンダーの視点を

 「介護保険制度 殺人防げず」(毎日新聞3月3日朝刊)と
いう記事に、目が留まりました。
その記事には、「06年?08年の3年間で報道した介護殺人・
無理心中(未遂を除く)は計97件で、年間30件を超えるペース」
「3年間の加害者側の内訳の約7割(70件)が男性。
年代別で65歳以上の高齢者が加害者の4割(44件)を占めた」
と報道されていました。また、ここ10年ほどは年間3万人
を越えると問題視されている自殺者の70%以上が男性である
実態も含め、これからの時代をどう乗り越えていくかを、
ジェンダーの視点で問い直す時なのだと思います。

 高槻市女と男のつどいが2月15日に開催され、「人生100年を
生きる女と男の覚悟」といったタイトルで樋口恵子さんのお話を
お聞きしました。このつどいは高槻市立男女共同参画センター
の登録団体と行政が実行委員会を形成し、NPOと行政との協働
で開催したイベントで、現役で頑張っておられる大先輩の樋口さん
のお話から元気を頂きました。印象に残ったのは次のような話です。

 「人生100年となった今、これまで人類が経験したことのない
超高齢化時代が到来しています。その時代にあって、もうすでに
めずらしいことではなくなっている老老介護についても、
男女共同参画の視点で取り組んでいく必要があります。」
誰も経験したことがない時代の到来で、古き良き家族像として
「嫁役割」「夫役割」などと時代錯誤なことをいっている場合
ではないのだということです。

 私事ではありますが、私の実母は77歳・義母79歳でそれぞれ
一人暮らしをしています。義母の方は2年ほど前から認知症を患い、
今ではデイサービスと配食サービスのお世話になりながら、私の
夫である息子が中心に母の世話をしており、老老介護とまでは
言わないまでも、これから先を多少憂いながら私も抱え込み
すぎないようできることはやり、公的サービスの有難さを
実体験しているところです。

 未だ、子育てや介護、障がい者介助などをジェンダー規範に
おける「家族役割」に押しつけ、就労などの問題を「自己責任」
だと主張する政治家が目につきます。確かに「家族」は最も
機能しやすいコミュニティであり、大切なセーフティネットの一つ
だとは思いますし、私自身も「家族」とともにすごす時間が大好きです。
でも、子どもや若者の人数が減り、超高齢化時代に伴う財政赤字、
その上で家族形態や社会ニーズは多様化し地方分権が推し
進められている現代社会において、性別における「役割」や「責任」
の強化は、弱い立場にいる人をさらに追い詰めていく
だけのことと危惧します。

 ジェンダーの視点であらゆる分野を検証しなおし、政策や教育を
組み立てなおすことが必要なのだと思います。
2009年度SEANでも、よりいっそうの取り組みをと思っていますので、
ご協力・ご参画の方よろしくお願いいたします。

                      2009年 3月13日 かえこ

経済活動としてのNPO (no.237)

  満開の桜も散り始め、若々しい新緑に新たな希望を感じる今日この頃です。

 4月は前年度の決算と今年度の予算を立てる時期であり、連日数字とにらめっこで悩ましい日々を送っているところです。

  法人格を取得しているNPOは、年間約80,000円の均等税の支払いやその他の税務対応、職員の労働条件を整えていく労務対応なども要求され、その上でのやりくりは至難の業であると言わざるを得ず、たかだか1200万円程度の収支ではありますが、考えれば考える程その責任の重さを実感してしまいます。

  経済学など学んだことがない私ですが、入ってくる金額と必要な経費につじつまを合わせていく行為の中で、世の中の理不尽なあるいは不公正なお金の動きにまで思いをはせることになります。

  第1部第1章を読んだだけで、「積読」状態になっている「アメリカの高校生が学ぶ経済学」(ゲーリーE.クリイントン著・WAVE出版)という、ずいぶん前に購入した本が家にあります。

その本は、アメリカの高校生の経済学の教科書を訳したもので、冒頭には「ただで手に入るものなどない」とはっきり記されています。子ども時代にこういった世の中の仕組みについて、きちんと学んでおくことはとても大事なことだと今更ながら実感します。(「積読」状態なので、偉そうなことは言えませんが...)

  「ただで手に入るものなどない」ということは、無料のサービスを受けたとしても、誰かがその代償を支払っているということです。資本主義社会の日本では、たいていの価値はお金で換算されており、金銭が介在する需要と供給の中で成り立っているのです。安値であるということは、生産過程や流通過程のどこかに無理が生じている場合が多く、まわりまわって自分たちの日常に振りかぶってくるということへの想像力を養うということが大事だということです。

  社会構造上の弱者を対象に、事業展開しているNPOはたくさんあり、SEANもそのうちの一つです。必要不可欠な需要はあっても、需要者に十分な資金がないというケースが多くあります。供給者の方も、金銭的に余裕があり志だけで支援者となりたいという人材がごろごろいるわけではありませんし、志だけで請け負うには責任が重すぎる内容が多いというのも、需要と供給のバランスが崩れる理由の一つだと思います。

ほっておくわけにはいかないので、誰かの努力で引き受けたとしても、その金銭的な穴を埋めるために気前よく寄付金やカンパで支援してくれる人もそんなに簡単には確保できず、そんなジレンマをいつも抱えている現状が多くのNPOにはあると思います。

  賃借料や光熱費などを削るわけにもいかず、それらの代償は本来必要経費であるはずのスタッフの給与を抑えることで、なんとか事業継続しているというのが実態ですが、事業運営の要となり責任を担う職員の人件費が確保できなければ、継続運営も夢と消えてしまいます。

  そして現状では、特に若い世代の生活にゆとりがなく、余暇をボランティアにといった恵まれた時代ではすでになくなっており、一部の裕福な人たちを除けば、私も含め誰もが日々稼がなければ、自分や家族の今と未来の命の継承さえも危ぶまれる現実の中で生活しています。

  そんな悪循環を抱えるNPOを支援するとうたう助成金でさえも、事業を遂行するための団体職員の人件費を認めないものも多く、NPOが雇用促進していける時代への突入はまだまだ先のことだとあきらめ気味になります。

 NPOがめざすのは、みんなで支え合う社会のはずです。会費や寄付金は、税金と同じく支え合う社会のための貴重な財源となります。SEANも会員のみなさんの「汗・知恵・金」で支えられ、これまで活動を継続してくることができました。2009年度もそこのところをご理解いただき、ご協力いただければ幸いです。

  多くのみなさんにご理解いただき活動を支えていただくためにも、事務局長として私も説明責任をきちんと果たしていきたいと思っているところです。                    

 2009.4.17 かえこ

 

  sakura2.JPG 

キーワードは「居場所」と「役割」(no.238)

soukai2009-HP.jpg 昨日、会場使用の「自粛要請」を押し切って、SEANの総会を開催し、

無事終了いたしました。年に一度、会員が集まる大切な総会ですし、

延期できる日程的な余裕もない現状での決行ですが、万が一、感染者が

出ようものならお叱りを受けるような選択ですので、多少なりとも覚悟が必要でした。

  ニューヨークで開催された「模擬国連」に生徒を送り出したことで、

新型インフルエンザに感染させてしまったと、学校長による「謝罪会見」が

テレビニュースで報道されていました。

感染者である生徒の謝罪の言葉を受けて、「許可をした私の責任です。」と

学校長が涙ぐみながら謝罪しておられる姿が映し出され、本来は被害者である

はずの人たちがまるで加害者であるかのような扱いを受けている

この異常事態に対して、違和感を通り越し嫌悪感を持ちました。  

確かに、被害が拡大してからでは遅いとは思います。

しかし、人の命の重さは等しく同じはず。

たとえば3日に1人、妻が夫から殺されているDV被害や、後を絶たない児童虐待、

介護・看護に追い詰められての殺人、 1998年以降3万人を超えてしまった

自殺者などに対する予防策にもこれくらい予算も含めて力を入れ、メディアも

こぞって報道して欲しいものだと思っているのは私だけではないでしょう。

 さて、先日、テレビを見ていたら、特別養護老人ホームの取り組みについて

紹介されていました。「認知症の動物が大好きなおばあちゃんに、ぬいぐるみの

お世話をお願いすると、活き活きとそのぬいぐるみのお世話をし、そのことで

脳も刺激を受け、生きる気力を取り戻されます。」

確か、テレビではたとえ認知症で記憶が残らないという状態であっても、

「居場所」と「役割」が必要なのだと話されていたと思います。

 NPOを運営していて感じることは、子どもから大人まですべての人が他者との

関りの中で生きているということ、そして、自分にとっての安心で安全な「居場所」と、

他者との関係の中で活かされる「役割」が必要なのだと常日頃から思っているので、

その内容にとても共感しました。  

 私たち一人ひとり、すべての人に「存在意義」があるのだと私は信じています。

もし、「無用」な人だとレッテルを貼られている人がいたとしたら、多くは社会に

問題があるのだと思います。特に育ちの中で、本来保障されるべき「居場所」や、

「性別役割」などではなく、大人から存在そのものを必要とされるといった「役割」が

奪われていたからなのではないかと想像します。

  第9回総会を終えた今、SEANの存在や活動そのものが、その2つのキーワードと

直結しているのだと実感しました。

SEANだけではなく、多くのNPOが「居場所」として存在しています。

既存のコミュニティには、ジェンダー(社会的・文化的な性のありよう)などの

力関係が温存されている場合も多く、また強制力の低下で機能しなくなっている現状が

見受けられる中、対等な関係性の中で年齢や様々な対象者に応じた

「居場所」や「役割」を提供しているNPOの存在意義は大きいのだと改めて確信しました。

  これからも、息の長い活動を続けていきたいと思います。                         

                                                                        2009.5.22 かえこ

 

すべてを肯定する「ありのまま」(no.239)


***あせらずに のんびり ゆっくり ありのまま***
 オールネコ好きの家族のために、昨年の暮れ夫がネコのイラストの
カレンダーを買ってきました。何となく見ていた6月のカレンダーのこの言葉に、
疑問を持ちはじめました。
 「ありのまま」という言葉を、最近よく見聞きします。
「自分らしさ」という言葉に続いて、講座のタイトルにもよく使われるようになりました。
にもかかわらず、「『ありのまま』の自分というものがわかりません」という、
質問を受けることがよくあります。
もしかしたら、上のような表現が混乱のもとになっているのかもしれません。
この表現では、焦ることは「ありのまま」の状態ではないという意味にもなり、
焦る自分を否定するニュアンスになってしまいます。
 
 誤解なく「ありのまま」を伝えるために、表現を変えてみました。
***あせっても のんびりしても ありのまま***
 
 講座では悩んでいるという状態が、悩みになっている人にもよく出会います。
以前、フェミニストカウンセラーの和田洋子さんの電話相談員になるための講座の中で、
辛いことに目をそらさずに悩むということは「力」であると学びました。
大事なことは悩みぬくこと、そのことに寄り添うことだと話されました。
 焦るときも、悩めるときも、頑張り過ぎるときも、いかなる状態であっても
それが自分の「ありのまま」だということです。
「ありのまま」に目をそむけずに受け入れ、誰のせいにもせず、主体的に自己を
受け入れることによって人生を自分の手に取り戻す。
そうすれば、おのずと道は開けていく。自分の存在意義を信じぬく強さと、
他者の存在意義を信じぬくやさしさ、その力が人権やエンパワメントという概念と
つながっているのだと思います。
 
 画一化された社会的な性のありようとしてのジェンダーは、
「男の価値は○○」「女の価値は○○」といった性別による価値付けそのものです。
価値を競うわけですから、勝ち負けといった格差を生み出します。
個の「ありのまま」の否定は、時として自尊感情に大きな影響を与えます。
自尊感情が育たなくなるだけでなく、それが負け組という社会評価になるわけですから、
さらに追い込まれ存在意義を見失い、世の中への恨みを抱えることによって
犯罪の加害者になることだってあるのです。
 一人ひとりの「ありのまま」が認められるということは、多様性が認められ、
負け組をつくらないということです。
他者の幸せを踏みにじらない限り、一人ひとりの自己決定が尊重されるということです。
 
 一人ひとりが大切にされ、活かされる国であってほしいと思います。
もうすぐ、衆議院選挙。そのために、見極める力を持ちたいと思います。
                           2009.7.5 かえこ
 
:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

★詳細については事務局にお問合せ下さい★☆★

≪SEAN主催講座≫
 
★G-Free stuff presents talk of gender
 会場:SEAN事務所1F他
 お茶代:1回500円

・7月21日(火) 10時?12時 ホリキリ発 おたく文化と「ジェンダー」  
・8月21日(金) 10時?12時 アッキー発 スポーツ嫌いは「ジェンダー」のせい?
・9月18日(金) 13時?15時 ハッチ発 なぜ、「男」にとって政治家は魅力的なのか?
・10月16日(金) 13時?15時 みさりn発 わたしの「ジェンダー」とのつきあい方
 
<予告>近日発行予定!!
未就学児版SEAプログラムの教材冊子。詳しくは、後日お知らせします。

●4enサイト http://4en.jp
  NPOの情報発信と企業における寄付文化を広めるためのサイトです。
  とおやがBLOGで情報発信しています。
  SEANのブログの広告をクリックすると1クリックで、4円がSEANに寄付されます。
  よければ、のぞいて下さいませ!

「ジェンダー教育」の実践者になりませんか?

 

nuekku web.JPG 

 

 8月28日から30日の3日間、(独立行政法人)国立女性教育会館(ヌエック)で

「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」が開催され、

今年もワークショップを開催してきました。

 SEANのワークショップは29日3番目、今年の内容は3歳から8歳を対象とした

ジェンダー平等教育プログラムの紹介で、ジェンダーから生じる暴力の連鎖の問題、

暴力を予防するための教育の必要性や可能性などを報告し、

40名がつどい共に学び合いました。

 今年のヌエックは、デートDVをテーマとするワークショップが毎時間開催されており、

私はその中から29日2番目に行われた大学生を対象とするデートDV予防教育の

ワークショップに参加しました。

最後の意見交換で、「もっと小さな頃からの予防教育が必要なのではないか」といった

問題提起をしたところ、他の参加者から共感いただく声も聞かれ、引き続き同じ会場で

行われるSEANのワークショップにも参加してくださった方も数人おられました。

そのことからも、小さな頃から繰り返し予防教育を受けることの必要性の確信を

強めました。

 子どもへの虐待も夫婦間や恋人間のDVも、暴力による支配関係の問題で

単なるケンカとは異なります。子ども時代に生命線を握られている大人から、

不当な支配や所有を「愛情」「教育」だと教え込まれること、救いの手から隔離され、

人との安心できる関係を遮断されてしまうこと、人間関係における暴力による支配関係を

肯定する中で育つことなどが、大人になってからの人との関係の持ち方にも

大きな影響を及ぼすのではないかと危惧します。

 自分が信頼し心を許す相手から、不当に人権が侵害され傷つけられても、あるいは

大切な人であるはずの相手を支配し傷つけても、それを「愛情」だと信じ、

逃げ出しにくくなるあるいはその支配関係に固執してしまうことで、

さらに状況が悪化していくケースがあるのではないかと思われます。

  わたしの「こころ」と「からだ」は、わたしのもの。

 「愛情」とはその「こころ」と「からだ」が大切にされ、尊重されること。

 「教育」とはその延長線上で、自己管理しながら主体的に人との豊かな関係を

築いていく方法を学び、自分自身の人生における選択と責任を持つ喜びについて

教えてもらうことです。

それらのことを体感し学ぶ権利を、すべての子どもに保障し、暴力の連鎖を

断ち切るためにも予防教育は必要です。

 今年度SEANでは、近畿ろうきんNPOアワードの奨励賞をいただけることとなり、

8月末に3歳から8歳を対象とする冊子教材「ジェンダーに気づこう!現場で

すぐに使える教材」を発行しました。

小さな頃から、自分やお友だちのありのままの「こころ」と「からだ」を大切に

することを学び、「こころ」のありようや表現方法も女の子や男の子といった

性別で良い悪いを決めつけるジェンダー規範ではなく、より豊かな関係を

築ける人権規範を、楽しくそしてわかりやすく学ぶための教材です。

 冊子にはプログラムを実施するためのシナリオと、パネルシアターの絵人形の

型紙が収録されており、どなたでも使用できます。

また、教材を活用した実践者養成講座を高槻で11月1日(日)に開催します。

詳しくは、下記に掲載していますので、ご購入並びにご参加の上、

実践者の一人に加わっていただければと思います。
                             2009.9.24 かえこ

:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

≪SEAN主催講座≫
 
1)G-Free stuff presents talk of gender
10月16日(金) 13時?15時 
かえっこ取りまとめ 総集編「それってジェンダー!?」 
お茶代:1回500円 会場はお問い合わせください。

2)実践者養成 集中講座
 すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育
11月1日(日) 高槻市立総合市民交流センター3F 第1会議室
<Step1> 
 小学生対象DVD教材活用プログラム
 ・アニメ映像などを含む、DVD(18分)を活用した楽しい45分授業。
 時間 9:30?12:30
 受講料 11,500円(上映権付きDVD教材費含む)
<Step2>
 3歳?8歳対象プログラム
 ・パネルシアター・手遊び・ロールプレイの楽しい50分授業。
 時間 13:30?16:30
 受講料 3,500円(冊子教材費含む)

*Step1・2あわせて15,000円の受講料です。
*Step2を受講される方は、基礎講座となるStep1も受講願います。
*地元地域で、養成講座開催を希望される場合はご相談ください。
*受講修了生には修了証書を授与します。

3)依頼講座
じんけんフェスタしが2009 ふみ出そう 素敵な未来のために

9月26日(土)
大津市民会館&なぎさ公園 10:00?16:00 入場無料で色々な催し物があります。
じんけんシンポジウム 14:45?15:45 大津市民会館大ホール
今日からスタート?わたしにもできること?
コーディネーター 羽川英樹  パネラー 遠矢家永子・松野明美

★報告書等のご紹介★

1)現場ですぐに使えるジェンダー平等教育の教材
 冊子教材「ジェンダーに気づこう!」
 対象年齢3歳?8歳
 年齢の小さな子どもが楽しみながら、わかりやすく学べる
 使いやすい03年にSEANが開発したオリジナル教材です。
 幼稚園・保育所等で自由にお使いいただけます。
 シナリオ・パネルシアター絵人形型紙付き
 定価 2,000円 A4判/20頁

2)小学生向けDVD教材「わたしもボクも☆みんな活き活き」
  ?ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり?

 小学4年生の子どもたちの授業の実際の様子やアニメーションの映像を通して、

「気もちってなあに?」「気もちにフタをしていたらどうなるの?」「やさしさ」と「なかよし」や、

暴力の連鎖などについて学びます。

上映時間18分 小学校の授業の教材として使用できます。
  *個人価格 2,000円
    ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
  *送料 300円

サーバーダウンと空き巣の悲劇 (no.241)


  09.11.07 takayama 2.JPG 
 
 10月の中旬頃から、連日のハードスケジュールをこなす日々。
11月1日の教育部門「G-Free」の実践者養成講座も無事終了し、やれやれと一息ついた矢先、HPサーバーが4日間もダウンするというアクシデントが発生しました。苦労して制作したHPもメールアドレスもアクセス不能となり、復旧するまでは落ちつかない日々を過ごし、ようやく復旧した翌日の深夜、なんと事務所に空き巣が侵入しました。たまたまいつも以上に置かれていた現金(小分けされていた大量の小銭)を、根こそぎかき集め持っていかれてしまいました。被害総額約60万円(汗)。

 2001年から事務所を持ち、現金管理に気のゆるみがあったことを反省しつつも、今年は人件費などの支出を極力切り詰めて、何とか維持していた運営状況の中でのこの悲劇。
この状況をいかに乗り越えるか、事務局長としての経営手腕が問われているようで、運営体制を見直し、強化し、安定した財源をいかに確保していくのか、なんてことを頭に置きつつ、相変わらず一つ一つの依頼や助成事業などを精一杯こなしているという2009年の年の瀬です。
***
 最近はデートDV予防教育に関わる依頼講座が多く、11月8日には岐阜県DV被害者支援基礎講座の公開講座の講師で、高山に行ってきました。行楽日和の日曜日にも関わらずたくさんの方が参加され、「DVの被害者に対する警察の二次被害に対して、何か出来ることはないでしょうか?」というご質問をいただきました。
 余談ですが、先日の盗難の際も被害者である私たちに対して「奥さん」を連発する警察官がいましたっけ。私などは名前や事務局長という役職も名乗っているわけで、「遠矢さん」「事務局長さん」と呼べたはずです。女だからといって「なんで『奥さん』なんだ!」と心の中で叫びつつ、しかし、被害者である立場からか、指紋を取るなどというドラマさながらの現場検証に戸惑いつつ、こちらには指摘するなどという余裕もなく、あの時にきちんと指摘して置けばよかったと、それをできなかった自分の力の無さを後から嘆くだけでした。
 
 そんな体験を通して、やっとの思いで逃げ傷心しきっている弱い立場にいるDV被害者が、警察官の言動で二次被害を受けることの悔しさや、そのことによって被害者が自らを責めるといった状況が生み出されることが想像できました。
 話は戻りますが、講座の参加者の方からの質問にはこんな風に答えました。
 「法整備などによって、研修の義務付けなどが必要ですが、それが難しい中では一般の世論の意識を高めていくこと、そのためにはみなさん一人ひとりが啓発者となっていくことがまずは大事なのではないでしょうか。」

 講座参加者の中に警察官の家族や知人がいれば、その方から二次被害という問題への認識が伝わることもあるだろうし、世論の認識が高まれば、当然いい加減な対応など出来なくなっていくわけですし。そんなわけで、私も微力ながらお声がかかれば、多少過酷な条件であっても(笑)、可能な限りどこへでも出向くといった日々が続いております。
***
 2009年も、後1ヶ月あまりで終わりです。
SEANや私個人が進むべき方向や、運営を維持していくための財源や人材の確保、起こってしまった盗難というアクシデントにどう対処するかなど、考え、行動していくべきことはこれからもまだまだ続きます。
 不況といわれる状況下ではありますが、基本的にNPOの運営はみなさんの支援によって支えられています。金銭的にも、精神的にも、心暖まるご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

                                                                 2009.11.24 かえこ
:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::
★年末恒例 SEAN年末お疲れ様会 12月23日(水) 7時~9時
 マサラバザール(JR高槻駅南口すぐグリーンプラザ1号館地下1階)
 会費 2,500円(1ドリンク・食事代)

1)12月13日(日) 1時30分?4時30分
<わたしと政治のつながり> 佐倉智美先生の大人のための公民授業
 
世の中どんどん変わっていくけど、今さら聞けない公民の話。
学校で習ったはずのあんなことから、こんなことまで、智美先生から学んでみよう!
 
高槻市立総合市民交流センター4階 第4会議室
講師 佐倉智美先生(SEAN理事・元高校社会科講師)
授業料 正会員500円・非会員900円
保育あり 800円(要事前申込み)
 
2)プレ&ベビーママ*ハートセラピー  私のもどれるステキな時間
◆Part1 2010年 2月9日(火)
 子育てに悩む 新米ママへ ?子どもも私もありのままの自分で?
 講師 遠矢家永子(SEAN GCRトレーナー)
◆Part2 2月17日(水)
 癒しのPianoカフェ&プチおしゃべりタイム
 講師 川野恵美(Brillante<ブリルランテ>主宰) 
◆Part3 2月23日(火)
 カラーボトルで感じる今の私&プチおしゃべりタイム
 講師 松原みちよ(オーラソーマプラクティショナー)
 
会場 高槻市立総合市民交流センター Part1・3 第4会議室  Part2 音の工房&第2会議室
時間 各10時~12時
参加費 全3回 2,700円(900円×3回)ハーブティ・手作りお菓子代含む
対象 主にプレ(妊婦さん)&ベビー(乳幼児)のママ
定員 20名
保育あり 要事前申込み 1講座に付き 1人1,000円(きょうだい500円)

★報告書等のご紹介★

●4enサイト http://4en.jp
 NPOの情報発信と企業における寄付文化を広めるためのサイトです。とおやがBLOGで情報発信しています。SEANのブログの広告をクリックすると1クリックで、4円がSEANに寄付されます。
よければ、のぞいて下さいませ!
 
●会員&支援者募集中!
 
「誰もがありのままの自分を大切にされ、活かされる社会」をめざし活動しているSEANを
応援したい人を募集しています!下記、口座から会費等をお振込みいただけます。
 
正会員 入会金2,000円 年間費6,000円(上半期3,000円)
賛助会員 一口2,000円から 何口でも
 
郵便振替口座番号 :00960-4-115488
名義:NPO法人シーン

子どもたちの声に後押しされて(no.242)  

WEB kyoudoujigyou.JPG 2009年の年の瀬、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか? 

 前回のコラムで、事務所の盗難の話を書いたことで、みなさんにご心配をおかけしてしまいましたが、のんびりうなだれている暇もなく、負債を補填すべく、ここ数日は来年度に向けての助成金申請書を書きまくっていました(笑)。心温まるご支援をくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 さて、2009年度はといえば、3つの助成金を獲得しました。

 1つは、「近畿ろうきんNPOアワード奨励賞」で、未就学児対象の冊子教材「ジェンダーに気づこう!!」を発行することができました。2007年にパナソニックの協力で製作した小学生対象DVD教材「わたしもボクも☆みんな活き活き」に続く2つ目の教材で、パネルシアターの絵人形の型紙や、ロールプレイのシナリオを掲載しています。今年は11月に、この2つの教材を活用した実践者養成講座を開催し、岐阜から九州まで広域から受講した9名が修了書を手にしました。

  2つ目の助成は「高槻市市民協働のまちづくり事業」。高槻市教育委員会との協働で幼稚園と小学校の教員研修と、保育課との協働で保育士研修を開催し、年末年始にかけて小学校5校・幼稚園3園・保育所3所にて教材を提供するとともに、教材を活用したモデル授業を実施しています。小学校3?4年生の子どもたちは、DVDの映像に登場するネコを見て笑ったり、「暴力の連鎖」のアニメーションに自分を重ね合わせて笑ったり、涙ぐんだりで、子どもたちにとって映像はとっつきやすい身近な教材であることを実感しました。18分のDVDをところどころで停止し、問いかけたり、感想を聞いたりしながら授業を進めていきます。

 「『男のくせに』『女の子でしょ』って、言われたことがある人はいますか?」その問いかけに、クラスで5人くらいの子どもが元気よく手を挙げます。

「『男なんだから、やり返してこい』って言われた」

「『男のくせに、女みたいにメソメソ泣くな』って言われた」

「『女のくせに、空手なんか習ってる!』ってからかわれた」

「『女のくせに、力が強すぎる!』って馬鹿にされた」

 中学生や高校生では、ここまではっきり自覚できる生徒、あるいは言語化する生徒は少なく、言われて「悔しかった」「反抗した」と話す子どもたちの率直な言葉と、心の傷をどうやって受け止めればいいのかと、大人としての責任を強く感じます。その心の傷を、「八つ当たりしてしまった」「相手を蹴っ飛ばした」と、涙を浮かべて話してくれる子どももいて、「あなたの『こころ』と『からだ』を大切にしてほしい」「それと同じように、他の人の『こころ』と『からだ』も大切にできることを『なかよし』っていうんだよ」と精一杯伝える45分の授業になります。

 「ジェンダー平等教育など必要ない」という声に対して、負けていてはいけないのだと子どもたちが教えてくれている、そんな気持ちにも支えられ、次年度に向けての助成金申請書を書き上げました。

 今年度の後1つ残る助成は、「大阪府福祉基金社会起業家ファンド」です。その事業では2010年、3月13日(土)14日(日)の2日間、GCR@SEAN認定講座を開催します。GCRとは「G-Free Child Hu-Rights」の頭文字で、ジェンダーの視点で子どもの育ちの中の人権についてふか?く考える、これまでのSEAN「G-Free」の取組みの集大成とでもいうべき12時間の講座です。子どもと関わるみなさんに、是非受けていただきたい認定講座です。詳細のお問合せは、事務局まで。

 では、よいお年をお迎えくださいませ!            2009.12.25 かえこ

ジャンケンと多数決(no243)

小学校ワーク(圧縮).JPG

 

小学校3年生の子どもたちへの出前授業でのこと。

授業の最後に子どもたち全員に一言ずつ、感じたこと・気づいたことを発表してもらう。

 「発表してもらう順番をどうやって決めようかな?」

「あっちから!」

「ジャンケン!」

「多数決!!」

ほとんどがジャンケンで収まりがつく。

ところがあるクラスでは、「ジャンケンはダメ!多数決!!」の声が飛び交い、多数決で決めることになった。これまでにはなかったこの展開に、なんだか私も結果が楽しみになっていた。半分ずつになるんじゃないかとの私の予想はみごとに裏切られ、5人の子どもが自分に近い方から始めることを選び、発表する順番に決着がついた。子どもたちは偶発的に決まるジャンケンよりも、より多数の意見の反映である多数決の方が民主的だと思ったのかもしれない。

 あるクラスでは、「多数決!」「ジャンケン!」「ここから!」様々な意見が飛び交い、なかなか決着がつかなかった。

「じゃぁ、かえっこさん(私のこと)が選んだ人に決めてもらうというのはどう?」

「それがいい!!」

「○○さん、決めてくれますか?」

私が指名した彼はしばらく考えた末、自分に遠い方を選んだのだが、文句を言う子どもは誰一人としていなかった。子どもたちは自分たちで決めた結果を、ちゃんと引き受けていく力を持っているんだと感心した。

最初に自分の番が回ってきたときに何も言えなかった子どもも、「他の人の番が全部終わってから、最後にもう一度聞くから考えておいてね」と言うと、次に番がまわって来た時にはちゃんと自分なりの考えを発表してくれる。

小学校での出前授業は本当に楽しく、たくさん元気をもらっているのは私の方かもしれないといつも思う。

 ところで、多数決って本当に民主的なんだろうか?

合意する努力を両者がしないまま多数決で決められていく、この国の国会の状況や選挙の結果を見ながら疑問に思ってしまうのは私だけではないだろう。

考えの違いを明確にし、話し合いによる合意形成の心地好さを教育の場で、子どもたちにたくさん体験してもらいたいと思う今日この頃である。  

 2010.2.26 かえこ

 ★大阪府福祉基金社会起業家ファンド事業

GCR@SEAN認定講座
(Gender Sensitive Child Hu-Rights)
「次世代の子どもたちへの大人の責任力!」

子どもの育ちの中の人権を保障するために、
ジェンダーの視点・大人の責任について
ともに学び・気づき・考える12時間の認定講座

2010年 
3月13日(土)Step1・2
  14日(日)Step3・4
9:30?16:30
高槻市立総合市民交流センター第4会議室
受講料 12,000円
定員 20名
トレーナー 遠矢 家永子
*修了認定書が発行されます
*修了生は、SEANサポート部門「とんがらし」や
 教育部門「G?Free」のワーカースタッフやワークスタッフ
 として登録することができます。
 お申込みはSEAN事務局まで
 
★かえっこさんの個人ブログ始めました!
「ねこ好き市民活動日記」

2010年度に向けての二本柱の取組み(no.244)

  GCR@SEAN-WEB4.JPG 

 GCR@SEAN-WEB5.JPG

 早いもので、もう4月です。組織は2009年度から、 2010年度へと移行しました。  

法人設立から10年、子どもから大人まで「ジェンダー」に関する啓発や予防教育に

取り組んできて、ますますその必要性を実感しています。

2009年度の終わりに、子どもへのSEAプログラム(人権教育)やデートDV予防教育等の

出前授業と、次世代の子どもたちへの大人の責任力を高めるGCR@SEAN認定講座の

開催と、二本柱の取り組みを展開しました。  

 小学生3年・4年対象に、SEAN-DVD教材を活用したモデル授業の前後に、

アンケート意識調査を実施しました。子どもたちの意識には、性別によるとらわれが

大きく影響している実態を把握することができ、今後このデータを報告書などに

まとめていければと思っているところですが、下記に少しご報告させていただきます。

 

Q.「女の子は女らしく」「男の子は男らしく」している方がいいと思いますか?

●とても思う・やや思う

 女子 事前52%→事後29% / 男子 事前69%→事後40%

<事前・自由記述から>

女子「女の子は男の子らしくだったら何かへんでからかわれる」

   「女の子はちゃんと女の子みたいにしないと恥ずかしい」

男子「男が女みたいになってたら、気持ち悪い」

   「男子が女のようにしていたらいじめられたりする」

●あまり思わない・まったく思わない

女子 事前48%→事後71% / 男子事前30%→事後60%

<事後・自由記述から>

女子「人には人の生き方があるから、一人ひとりちがう」

   「自分の心と体だから自由」

男子「みんなの心はいろいろあって性別があるだけで、そうは思わない」

   「男の子らしくしてても、心にフタをすることだから」

Q.その他、女の子や男の子について思うことについて自由にかいてください。

事前 女子「男の子は外でいっぱい遊べるからいい」   

       「男の子はやんちゃやし、うざい」

    男子「女の子には暴力はだめというが、相手が暴力をやってきたら、

       もう男、女関係なくやってもいいことにしてほしい」

       「女の子は女の子らしくしてほしい」

事後 女子「「男の子だから」「女の子だから」じゃなくて、

       みんなちがっていいというのに気づきました」

       「自分の気持ちを捨てたらあかん」と思いました」

    男子「心って大切だなと思いました」

       「一人を傷つけたらいろいろな人まで傷つくことがわかった」

  授業の最後に、一人ひとり気づいたことや感じたことを発表してもらい、

男子「明日からみんな変わると思いました!」、女子「安心しました♪」と

発表してくれました。

DVDという視覚に訴える教材の力を、改めて実感し、なんとかもっと普及できないものかと

思案中です。  

 大人の責任力の講座では、いくつものワークショップをやりましたが、

最後に下記のテーマで受講生みんなで考えをまとめました。

 

「ジェンダーにとらわれず、子どもをエンパワーするための5か条」 

 一. 自分がジェンダーセンスティブ(敏感な視点を持つ)になる

 一. ありのままの子どもを認める

 一. 子どもの言葉を傾聴する

 一. 子どもと信頼関係をつくる

 一. サポート体制を構築する

 

 この二本柱の取組みを、新たな年も自信を持って継続して取り組んでいこうと心に決め、

2010年度のスタートをきりました。

みなさん、どうぞ引き続きご支援・ご協力・ご参加をよろしくお願いいたします。                     

         2010.4.1 かえこ

 

 ★SEANもぎたて情報★

 ●2009年度高槻市市民協働のまちづくり事業報告会 

 13:30ー 高槻市立生涯学習センター研修室 

 行政との協働で取り組まれた4事業についての報告会です。

 <参加無料> 

 上記コラムに書いている、教育委員会との協働事業として取り組んだ

DVD教材活用出前授業等についてご報告いたします。

 ●SEAN通常総会 5月26日(水) 15:00ー17:00 高槻市立総合市民交流センター

 ●報告書等のご紹介 http://npo-sean.org/tr-store/

 ●4enサイト http://blog.4en.jp/nposean/1/

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★かえっこ個人ブログ「ねこ好き市民活動日記」

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  組織を離れて、ねこのこと・家族のことなど自由にブログを書いてます!

 

 ミッションへのこだわりと組織経営の健全化に向けて


 1997年に結成したSEANですが、2001年法人格を取得してから、
早いもので今年法人設立10周年のときを迎えます。

 事業体として組織経営などやったこともないど素人集団でしたが、
なんとか解散することなく10年のときを維持し続けることができました。
しかし、10年もの歳月が経過すると、「ど素人ですから」という
いい訳もできないのだと、この10年を総括する作業にとりかかり
始めています。

 NPO業界において1,500万円程度の事業規模は、小さな団体
からは優良組織としてうらやましがられ、事務局人件費などの
経費もきちんと保障している組織や企業からは、まだまだ努力が
足らないと叱咤激励されるような位置にあります。
男女共同参画という分野での活動であるなら、なおのこと適正な
労働対価の保証をと思うのですが、充分に財源確保がなされない
状態では、責任や専門性を背負いながら組織を支えている
シャドーワークへの配分に充分な賃金が支払われないという
問題を潜在的に抱えています。
 少しずつは変わってきてはいますが、多くの助成制度はまだ、
内部スタッフへの賃金を認めないものが多いのが現状だったりします。

 企業という組織形態とは違い、NPOは会員のみなさんの
「汗・金・知恵」といったボランタリーな支えが必要であり、その支え
があってこその10年間だったとは思っています。
その上で、「専門性」と「責任」については「労働」として位置づけて
いくことが必要不可欠であることは言うまでもなく、そのことが
組織の健全な継続維持や世代交代につながっていくはずだからです。
そのことをめざすことは、あくまでも目的を遂行するための手段
であることを意識しながら、ミッションである「性別などにとらわれる
ことなく、誰もがありのままの自分を生き、活かされる社会」
「多様性の尊重と共生と非暴力な関係づくり」の実現をめざす
ことを最終目的としてこだわり続けていきます。

 具体的な今後の取り組みとしては、次の3つを掲げています。

1)「とんがらし」の依頼に増えてきている発達障がいのある
子どもたちの受け皿の強化やシステムの確立。
福祉施策としての取り組みとなるよう、公的機関への働きかけなど。

2)「次世代の子どもへの大人の責任力」を学ぶGCR@SEAN
認定講座の開催と普及。
主催講座としては、第2回認定講座を8月21日(土)・22日(日)
に開催します。
夏休み期間中の、教職員のみなさんの参加を呼びかけます。

3)子どもたち自身がありのままの自分を大切にでき、仲間と
非暴力で尊重し合える関係を築くことの心地好さを学び、
将来像に夢と希望を持つためのジェンダー平等教育の
推進と教材等の普及。
教材活用実践者養成講座の開催は9月11日(土)です。
(講座のお問合せは、下記SEAN事務局までメールか電話で)

 まだまだ、手探り状態の粋を超えないのが悩みの種ですが、
道は切り開いていけるものと信じて、これからの10年も前進
あるのみで活動をしていきます。共感していただける方は、
引き続きあたたかいご支援とご協力をお願いいたします。

 さて、12月末には、ちょっとした10周年記念イベント
(内容は乞うご期待!)やパーティを予定しています。
SEANのメッセージを届けるイベントの開催と、交流のための
楽しい軽食付きのパーティなど、たくさんのみなさんと
お祝いできることをスタッフ一同今から楽しみにしています。
 また、10周年記念プロジェクトスタッフの募集、
10周年記念イベント基金(郵便振替口座にて、1口2,000円から)
なども受け付けていますので、そちらの方もなにとぞ
よろしくお願いいたします。
                   2010.5.11 かえこ

≪SEANからのもぎたて情報≫

1)2010年度通常総会
 5月26日(水)15:00?17:00 
 高槻市立総合市民交流センター4F 研修室

2)次世代の子どもたちへの大人の責任力!
GCR@SEAN第2回認定講座
(Gender Sensitive Child Hu-Rights)
子どもの育ちの中の人権を保障するために、
ジェンダーの視点・大人の責任について
ともに学び・気づき・考える12時間の認定講座。
第1回では15名の方が、終了認定を受け、
その後の地域での活動に活かされています。

8月21日(土)Step1・2&22日(日)Step3・4
9:30―16:30
高槻市立生涯学習センター3F 第1会議室
受講料 12,000円  先着順定員20名
トレーナー 遠矢 家永子
*修了認定証が発行されます
*修了生は、「とんがらし」ワーカスタッフや
 「G?Free」のワークスタッフとして
 活動することもできます。
 お申込みはSEAN事務局まで

3)実践者養成 集中講座
 すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育

9月11日(土)
 高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室
<Step1> 9:30?12:30
 小学生対象DVD教材活用プログラム
 ・アニメ映像などを含む、DVD(18分)を活用した楽しい45分授業。 
 受講料 11,500円(上映権付きDVD教材費含む)
<Step2> 13:30―16:30
 3歳―8歳対象プログラム
 ・パネルシアター・手遊び・ロールプレイの楽しい50分授業。
 受講料 3,500円(冊子教材費含む)

*先着順定員 各25名
 教材は、自由に使用できます。
 Step2のみの受講は認められません。

●4enサイト http://4en.jp
NPOの情報発信と企業における寄付文化を広めるためのサイト。
ID登録の上、SEANのブログにある広告をクリックすると
1クリックで、4円がSEANに寄付されますので、ご協力を!

●会員&支援者募集中!
http://npo-sean.org/welcome/

「誰もがありのままの自分を大切にされ、
活かされる社会」をめざし活動しているSEANを
応援したい人を募集しています!
下記、口座から会費等をお振込みいただけます。

正会員 入会金2,000円 年間費6,000円(上半期3,000円)
賛助会員 一口2,000円から 何口でも

郵便振替口座番号 :00960-4-115488
名義:NPO法人シーン

★かえっこさんの個人ブログ始めました!
「ねこ好き市民活動日記」
http://kaekko.blog.so-net.ne.jp/

助成事業として取り組む、子育て支援スタッフ養成講座とジェンダー平等教育実践録

 早いもので、もう7月ですね。 

事務局は09年度から10年度への切り替えも、まだ完璧とはいえない状況なのですが、

10年度事業は着々と前に進んでいます。

10年度事業として、(1)「とんがらし」は(財)子ども未来財団の

 「子育て支援者向け研修事業<小規模研修会>」、

 (2)「G-Free」ではクレオ大阪東の「エンカウンター制度」の助成が決まりました。

 

 (1)子育て支援スタッフ養成講座 11月の3日間・5講座

 ―コミュニケーションが苦手な学齢期の子どもたちへの理解と支援―

 子どもをとりまく現状・課題・支援方法・体制づくり・NPOの役割など

(2)クレオエンカウンター制度「教育委員会との協働による児童への

アンケート意識調査報告書発行と男女共生教育の実践報告」

 09年度に、高槻市市民協働のまちづくり事業を実施しました。

教育委員会との協働で、小学校5校で児童を対象にジェンダーに関する事前意識調査と、

DVD教材を活用した出前授業実施後の意識調査を実施し簡単な分析を行いました。 

 今回のエンカウンター制度の助成では、その調査分析を報告書としてまとめて発行し

啓発ツールとすること、報告会の実施などを盛り込んでいます。

  男女平等は進んでいると言われる昨今ですが、子どもたちの意識には

「女の子」「男の子」といった性別によるすみ分けや固定概念が強く刻み込まれています。

そのことが劣等感や敵対心、差別意識や嫌悪感などにつながっていることが

子どもたちの自由記述からも読み取れます。

 教育現場で、ジェンダー(男女)平等教育に取り組むとなると、とかく

「男女混合名簿」「『さん』付けで呼ぶこと」「色分けしない」「女の子たちへのキャリア教育」

などといった手段に目がいきがちです。

しかし、ジェンダー平等教育とは、人権、すなわちアイデンティティの確立や

自己決定権の享受に関する教育であることを再確認する必要があります。

 <めざすべきジェンダー平等教育>

 子どもたちのエンパワメント、カテゴリ分けすることで生じる関係性の修復、

性別にとらわれない将来像を獲得し視野や可能性を拡大することなどをめざし、

子どもたちにジェンダーについて考える授業を提供するとともに、日常の関わり方を見直す。

・「性」を「個性」の一つとしてとらえなおし、一人ひとりの「性」を 人権として位置づけ、

個の違いを認め尊重する

 ・世の中に蔓延するジェンダー概念を読み解く力をつける

 ・性別を集団化させることで生じる固定的なイメージから、子どもたち一人ひとりを

 解放する SEAN「G-Free」では、継続的にジェンダー平等教育に取り組み、

子どもたちの現実を把握し、一定の方向性がまとまりつつあります。

 上記助成事業以外にも、下記のような主催事業が続きます。

ぜひ、講座に参加し、共に学び、啓発者・実践者の一人になってください。

詳細は事務局まで。 

 

1)EDU☆COLLE2010 多様な教育の博覧会 

 日時 2010年8月1日(日)  場所 YMCA学院高等学校(大阪・天王寺駅から徒歩5分)

 SEAN「G-Free」が、講座を開催する予定です。 詳しくは、お問合せください。  

2)次世代の子どもたちへの大人の責任力! 

 GCR@SEAN第2回認定講座(Gender Sensitive Child Hu-Rights)

 子どもの育ちの中の人権を保障するために、ジェンダーの視点・大人の責任について

ともに学び・気づき・考える12時間の認定講座。

第1回では15名の方が、終了認定を受け、その後の地域での活動に活かされています。

8月21日(土) Step1・2&22日(日)Step3・49:30―16:30

高槻市立生涯学習センター3F 第1会議室受講料 12,000円

先着順定員20名トレーナー 遠矢 家永子

*修了認定証が発行されます

*修了生は、「とんがらし」ワーカスタッフや「G-Free」のワークスタッフとして

活動することもできます。 

3)平成22 年度「男女共同参画のための研修と実践の交流推進フォーラム

 (NWECフォーラム) ワークショップ開催 8月28日(土)

4)実践者養成 集中講座 すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育

 9月11日(土)高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室

<Step1> 9:30-12:30 小学生対象DVD教材活用プログラム 

・アニメ映像などを含む、DVD(18分)を活用した楽しい45分授業。

受講料 11,500円(上映権付きDVD教材費含む)

<Step2> 13:30?16:30 3歳?8歳対象プログラム 

・パネルシアター・手遊び・ロールプレイの楽しい50分授業。 

受講料 3,500円(冊子教材費含む)

 *先着順定員 各25名 教材は、自由に使用できます。 

Step2のみの受講は認められません。

子どもの成長に必要なジェンダー平等教育の実践を(no.247)

 一人ひとりの人間は様々な属性をもち、その属性に帰属することが、

良くも悪くもその人自身の自尊感情につながっています。

例えば女や男といった生物学的性差・「女・男らしさ」といったジェンダー・

人種・年齢・居住地・趣味嗜好・肩書き・経済格差・障がいの有無 などなど

 その帰属意識がアイデンティティ(自己同一性)となり、その人となりを形成しています。

しかし、一つひとつの属性は、「わたし」という人間の一部に過ぎず全てではありませんし、

人の命が持つ存在意義につながるものではありません。

 にもかかわらず、その一部に過ぎない属性がその人の全てであるかのように扱い、

そこに善し悪しの価値付けを行い、存在意義をも否定してしまうことが,

差別や偏見を生み出しています。

 性差による価値付けやとらわれをはずし、総合的な一人ひとりのありようを

尊重していくこと、その個の違いを活かし合い、支え合える社会を互いの責任を

持って築き上げていくことが「男女共同参画社会」「ジェンダー平等」です。

 

 アイデンティティは育ちの中で形成されていきます。

 「自分は何者であるか」「どのように生きたいのか」といった

自分のありようを、自覚することは大事なことです。

それを探り出そうとする成長期に、周辺の大人や社会全体が

その子どもにどんなメッセージを贈るかがとても重要なのです。

けれども、そこに「男の子なのに」「女の子なんだから」といった

大人や社会からの価値観の押し付けが、未だに繰り返されているのが現状です。

 

 アイデンティティの確立は、自分自身と向き合うこと、

すなわち感情や感覚を自覚することから始まります。

 周りの大人や社会から価値観を押し付けられ、自分自身の本質と向き合えなければ、

自分を見失い自己選択できる力が育まれないまま大人になってしまいます。

 感情や感覚を自覚し、自己コントロールしつつ、人とのかかわりの中で

表現するしないといった自己選択を適切に選び取っていく力を身に着けるには、

子ども期におけるロールモデルとなる大人との出会いと、

ジェンダー平等教育を保障していくことが必要です。

 

 そんなことを考えながら、9月11日(土)に DVD教材や冊子教材を活用した

ジェンダー平等教育実践者養成講座を開催します。

 申込みはまだ受け付けています。

 年に1回開催のこの講座に、まずは参加いただき 1人でも多くの方に

子どもの成長に関わる実践者になっていただきたいと思います。

2010.9.3 かえこ

 

 【実践者養成 集中講座】  

 すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育

日時 : 9月11日(土) 9:30?16:30

会場 : 高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室 

    (JR高槻駅南口下車 徒歩3分)

<Step1> 9:30-12:30 小学生対象DVD教材活用プログラム 

   ・アニメなどを含む、DVD(18分)を活用した楽しい45分授業

<Step2> 13:30?16:30  3歳?8歳対象プログラム

 ・パネルシアター・手遊び・ロールプレイの楽しい50分授業

  受講料 15,000円(上映ライセンス付きDVD教材・冊子教材費を含む)

*教材は、自由にご使用できます。 

 お申込みは、下記SEAN事務局まで。

 http://www.npo-sean.org

station@npo-sean.org

 tel/fax 072-684-8584

子どもたち一人ひとりの大切なこころとからだ(no.248)

 ようやく原稿が入稿できました。

いつもながら産みの苦しみはそーとーなもんでしたし、

たくさんのストレスを抱えたことも事実。

でも、形になれば、すぐにそんなことも忘れて、次は何に取り組もうかと

考えてしまうわけです。

 

 クレオエンカウンター制度助成事業

 調査報告「小学生が考える女の子と男の子」&エンパワメントする授業の効果  

 一人ひとりの大切なこころとからだA4判24頁/800円(送料200円)

 

 来週には事務所に届く予定です。

小学生約400人のジェンダーに関する意識調査ですが、同じ質問で調査した

中学生の意識と比較しての考察も収録しています。

 「今度生まれてくるとしたら、女の子と男の子のどちらがいいですか?」という質問では、

小学生も中学生も男子は5%以内しか「女の子」を選びません。

 男子にとって「女の子」であるということは、あまり魅力的ではないようです。

小学生では女子が「女の子」を選ぶ割合は高いのですが、中学女子では

「女」を選ぶ割合が低くなります。かわいさに価値を置いていた小学生時代から、

「女」であるが故の社会的価値の低さを実感するようになるからではないでしょうか。

 

  「もし友だちにいじわるされたらあなたはどうしますか?」という質問では、

小学生は女子の方が割合は高いですが、男女ともに「誰かに話を聞いてもらう」が

授業をする前から1番多く選択されています。 しかし、中学生になると男子は

「やりかえす」がトップになり、「誰かに話を聞いてもらう」は「がまんする」の次で、

20%弱しか選びません。授業終了後は、「誰かに話を聞いてもらう」は、

1番の「相談する」に続き、2位に選ぶ割合が増えます。

 小学生の頃から、男子は「うじうじするな!」と泣き言を許されず、

やりかえすことを奨励されてます。そのことは、授業での子どもたちの発言からも

聞こえてくることです。

 

 誰かに泣き言を言うことは、ストレスマネージメントやいやしにもなりますし、

暴力の連鎖を断ち切る最もいい方法であるにも関わらずです。

 少年院に収容される子どもたちの男女比は、9対1で男子の方が多いのです。

しかも、社会の混乱期、経済の不況下では男子の少年院の新入院者数は激増します。

 悲しみや痛みを共感してくれる人がいるだけで、暴力の連鎖は断ち切ることができます。

暴力的解決方法を否定されて育てば、非暴力の解決方法を考え出す力が育まれるはずです。

 子どもたちの生身の声は貴重です。子どもからみれば強者の大人である私たちの何気ない

ジェンダーを価値付ける言葉が、子どもの自尊心を傷つけていることはよくあることです。

その抑圧が子ども同士のピアプレッシャーをも生み出し、被害者出会った子どもを加害者へと

転じさせていくのです。 DVD教材を活用した45分の授業を受けるだけで、

子どもたちの意識には大きな変化が見られました。教育の必要性や可能性についても、

データ化して報告書としてまとめることができました。

 この報告書は、クレオ大阪東のエンカウンター制度助成事業として発行させて

いただくことになっています。その報告会が、下記の通りクレオ大阪東フェスタで

行われる予定です。

 

 11月13日(土)2時ー4時

小学生が考える女の子☆男の子 ―アンケート結果からみる教育の必要性

大阪市立男女共同参画センター クレオ大阪東1階 会議室

参加 無料当日、直接会場にお越しください。

 

 報告会では、教材として使用したDVD「わたしもボクも ☆みんな活き活き」も

視聴していただく予定です。

子どもたちを被害者にも加害者にもさせないために、今わたしたち大人にできることを

参加者のみなさんと一緒に考えたいと思っています。

  ちなみに、エンカウンター制度事業としては、大阪市立小学校の先生を対象に

報告&研修会も予定しています。

その際、調査報告書を100部限定で先生方に差し上げる予定です。

子どもたちと直接かかわっている先生方に、ぜひ読んでほしい報告書であるからです。

 これから、この報告書を使ってさらなる啓発をと思っています。

 購入を希望される方は、「一人ひとりの大切なこころとからだ購入希望」

名前・住所・TEL・FAX等を明記の上、お申し込みいただければ、

振込用紙と報告書を送付させていただきます。

事務局まで、ぜひお申込みください。

2010.11.10.かえこ

★かえっこ事務局長の活動日記 

SEANのこと・家族のこと・ ネコのこと、日常の出来事をいろいろ書いてます^^

「ねこ好き市民活動日記」http://kaekko.blog.so-net.ne.jp/

 

発達しょうがい等多様な状況下にいる子ども一人ひとりに、適切な支援が届く教育を!

2010年度 財団法人こども未来財団「子育て支援者向け研修事業(小規模研修会)」
主催 NPO法人SEAN 財団法人こども未来財団
子育て支援サポーター養成講座
コミュニケーションが苦手な子どもたちへの理解と支援
?学童期から思春期にかけての発達しょうがいの子どもたち?

Step2 11月14日(日)午前
支援される側の立場にたった支援とは?
?一人ひとりの特性やスキルレベルに配慮した支援について、学び考える?

社会福祉法人 北摂杉の子会・自閉症療育センターwill
自閉症療育センターLink・児童デイサービスセンターan
谷岡とし子さん

Web-2010tonngarasikouza.JPG

 
Step2 11月14日(日)午後
学校現場の取り組みから
NPO法人特別支援教育ネットワーク がじゅまる理事
近畿情報高等専修学校 不登校・支援コーディネーター
上好功さん
Web-201tonngarasikouza2.JPG


Step1には講師の仕事があり参加できず、私はStep2からの参加となった。

この講座は告知以来、すぐに申込が入り始め、会場の都合もあって
Step2はキャンセル待ちがでるほどの人気の講座となった。

2007年4月1日から学校教育法が一部改正され、
「特別支援教育」なるものが始まり、
小・中学校等において、LC・ADHD等を含む障害のある
児童生徒等に対して、適切な教育を行うようになった。

お二人の話をお聞きしていて、子どもたち一人ひとりへの
キメの細かい対応に感心させられた。

ジェンダー平等教育で学校に出向く中で、
様々な子どもたちと出会ってきた。
子どもをとりまく側面はとても多様である。

発達しょうがいといわれる子ども
親から虐待を受けている子ども
セクシュアルマイノリティの子ども
ジェンダーによって傷ついている子ども
貧困家庭の子ども
親が自殺した子ども
シングルの過程の子ども
施設から通っている子ども
DV家庭の子ども
暴力の被害者となった子ども・加害者となった子ども

先天的な課題であっても、後天的な課題であっても
子どもたちへの適切な関わり方は共通する。

子どものこころとからだのありのままの姿や存在意義を受容する。
その子が理解できる方法で、適切な知識や情報を提供する。
その子が自分で考え、自分で選んでいくことができるようにサポートする。
選んだ結果を引き受けていく力を応援し、支持をする。
そして、子どもの自立と自律を促していく。

子どもたちの支援は、その状況によって分断されがちである。
トータルに一人ひとりの子どもたちを把握し、
専門家がネットワークを組みながら、
子どもの権利条約に則った大人の関わりが今求められている。

そのすべての関わりにジェンダーの視点を組み込んでいきたいと、
節に願う今日この頃である。

17日は子育て支援サポーター養成講座Step4.5を開催しました!

17日、財団法人こども未来財団「子育て支援者研修事業(小規模研修会)」として、子育て支援サポーター養成講座のStep4.5がこども未来財団とSEAN「とんがらし」の主催で開催されました。

 

Step4
子どもとその家庭を支援する地域の体制づくりについて
?「NPO法人ファーム」の取り組みから、地域支援者としての実践を学び、よりより支援につなげる?
濱野幸恵さん(NPO法人「ファーム」代表理事)
 

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感覚統合やデイジー図書のお話です。
子どもありのままを正確に知り、その子にあった教材をつくっての支援には頭が下がります。

「その子の笑顔が途絶えないように」
「支援は一人で完結することではない。自分のことをよく知り、表現することが大事」
「自分で耐える幅を増やしていく」
「しんどい時に回避する方法を用意しておく」
などの濱野さんの言葉が心に残りました。
 
 
Step5
NPOにおける子育て支援?知る・寄り添う・つながる?
遠矢家永子(SEAN「G-Free」代表)
子どもをとりまくジェンダーや子どもの自立・自律を支援するための協働のあり方など。
Web-2010step5.JPG
子どもが抱えるしょうがいなどの先天的な課題と、家庭環境や虐待・いじめ・被災などの後天的な課題。

一人の子どもが複合的な課題を抱えていることもあります。

母親が一人で抱え込めるはずもなく、家族だけで、あるいは学校だけで解決できるものでもありません。

子どもの育ちのは多様な大人の関わりが必要です。

無縁社会といわれる昨今、自縁を紡いで子どもたちをみんなで育みたい。

今回は子育ての話だったけれど、介護も看護も全部同じです。

自縁を紡いで、協働による地域力を高めたいと改めて思いました。
 
かえこ

大阪府内10市の自治基本条例比較と、埼玉県草加市条例から学ぶこと

18日は、大阪府内10市の市民自治基本条例を調べた結果報告を、

高槻市市民公益活動サポートセンターの登録団体向けの学習会で実施した。

大阪府内の自治条例は、箕面・岸和田・池田・大東・八尾・吹田・豊中・柏原・寝屋川・阪南

で策定されている。

ただし、箕面は「まちづくり理念条例」と「市民参加条例」という位置づけである。

「権利と責務」という項目で、市民の権利という言葉はないのは3市で、

箕面は「責務」のみ、八尾と寝屋川は「役割と責務」という言葉になっており、

納税者である市民の権利として位置付けられていないことに疑問を感じた。

コミュニティに関する項目では、箕面と柏原が記載なし、自治会などの地域コミュニティが

イメージされる言葉で記載されているのは岸和田・池田・大東・豊中など。

市民公益活動となっているのは、八尾・寝屋川・阪南。

吹田は「居住地域又は関心、目的等を共にする自主的集団・組織」という言葉で、

自治組織とNPOの両方をイメージする言葉となっていた。

肝心な、「市民参画・市民協働」の項目については、ほとんどどの自治体も具体的な

内容が盛り込まれておらず、かろうじて大東に「自律して活動する仕組みや協働の

ルールと整備と、必要な支援。自主的学習・活動環境の整備。

協力・協働体制による子ども育成の積極的取り組み」などがあげられ、

吹田には「市長の付属機関として、市民参画・協働に関する重要事項の調査審議と

答申を行うための市民自治推進委員会の設置」が謳われている程度だった。

SEANでは、12月11日(土)13:00ー16:30に、高槻市立総合市民交流センター5階

視聴覚室にて「ー市民自治力を高めるー草加市民のネットワークから学ぼう」

(資料代500円)を開催する予定である。

基調講演として「みんなでまちづくり自治基本条例」ができるまで」をテーマに

宮本 節子さん (特定非営利活動法人みんなのまち草の根ネットの会 会長)に

お話いただく予定で、後半では先に述べたSEANが調べた大阪府内10市の

比較調査の報告なども行う。

埼玉県草加市の「みんなでまちづくり自治基本条例」は、市民の手で一から

作り上げられた条例だ。

市民活動の条項には、次のような内容が盛り込まれている。

・市による技術的支援、人材育成

・市民の自主的学習と人材育成

・市は必要な能力を備えた市職員の育成に努める

・市民は組織をつくることができ、市は必要な組織をつくる

・市の市民の主体的まちづくり活動を目的とする基金と制度の創設

・市民・市はまちづくり拠点やネットワークづくりに努める

・市はまちづくり支援団体をつくり、経費助成などの財政的支援・業務委託することができる

また、具体的な参画・協働の手法として

・市民は市民や市にまちづくりの相談をすることができる

・まちづくり登録員は〈みんなでまちづくり会議〉で、まちづくり計画を提案することができる

とあり、条例の運用の監視も〈みんなでまちづくり会議〉で行うと記載されている。


 NPO支援や市民協働に関して国の大きな流れは、1995年に起こった阪神・淡路大震災

でのボランティアやNPOの活動が注目されたことから始まる。

1998年12月には「特定非営利活動促進法」(通称NPO法)が施行された。

2000年4月には地方分権改革を目指した大がかりな地方自治法の改正が行われ、

国と地方の関係は上下・主従関係から対等・協力関係へとかわり、地方自治体における

主体性が尊重されるとともに責任が増した。

自治体運営における財源が減少する超少子高齢社会に向け、公共サービスを

低下させないためにもさらなる市民自治・市民参画の推進が迫られることとなってきた。

 それらの時代背景の移行に、行政も市民も認識が追い付いておらず、

市の予算全体から見ても高槻市における市民参画・市民協働にかける予算は

わずかであると言わざるを得ないが、着実に前進していることも確かだ。

 もっともっと、予算・計画・実行・評価のすべての段階で市民参画を推進するための、

具体的施策を講じ、市民や職員の人材育成、NPOへの支援を抜本的に

進めてほしいものだ。

教員研修:ジェンダー規範から人権規範へ

 
 
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ブログで報告したい事業はいろいろあるのですが、なかなか時間がとれずにいます。

事業関係者で、記事になることを楽しみにしてくださっている方がいたら
申し訳ないと思いつつ、その中からご紹介を1つ。

2010年度SEANでは、クレオ大阪東のエンカウンター制度事業の助成をいただいています。

まずはじめに、調査報告書を発行しました。

「小学生が考える女の子と男の子」&子どもをエンパワメントする授業の効果
一人ひとりの大切なこころとからだ
A4判24 800円 以下から申込可
http://npo-sean.org/tr-store/

内容については以前にもこのブログで紹介しましたが、
DVD教材を活用した授業を実施する前の小学生の事前ジェンダー意識調査と、
実施後の意識調査の比較、また中学生のジェンダー意識調査の比較などです。

助成の審査会からの条件として、その報告書100冊を無料配付し、
大阪市に還元するという内容が盛り込まれれました。
そこで、配付するなら大阪市内の学校教員のみなさんに、
ぜひとも配付したいとお願いし、内容説明ができる研修会という場での
配付を希望しました。

こちらの思いを受けて、大阪市教育委員会ならびに教育センターに足を
運んでくださったクレオ大阪東の館長さんをはじめとするみなさんの
ご努力もあって研修会が実現しました。

12月9日(木) 3:30?5:00 於:クレオ大阪東
人権教育推進教職研修・(全区合同)地域研修会
男女共生教育研修会 
子どもの自尊感情とジェンダーのとらわれ
―子どもたちを被害者にも加害者にもしないために―
参加:約60名

時間を延長して、活発な意見交換も行われ、有意義な研修会となりました。

男女平等教育は進められていると考えられている昨今、
子どもたちのジェンダー意識を調査すると、決して進んでいるとはいえず、
むしろ後退しているかもしれないといった実態が見えてきます。

ジェンダーの再生産の何が問題で、どんな取り組みが必要か、
そこの共通理解が進んではいません。

ジェンダー規範は権力意識・構造と結び付き、暴力を容認し、
あるいは肯定する考えと直結しています。

ジェンダー規範から人権規範へ。
性別による分断と支配構造ではなく、個の多様性を尊重する共生社会を
私たち大人も子どもたちと一緒に学んでいく教育をこれからも実践していきたいと思います。
 

今年もよろしくお願いいたします♪

寒中お見舞い申し上げます。

年始のごあいさつが遅くなってしまいましたが、
旧年中は、お世話になりありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は2つの助成金事業に取り組みました。

1.(財)こども未来財団とサポート部門「とんがらし」とが
共催で開催した、「子育て支援サポート養成講座」5コマ
「コミュニケーションが苦手な子どもたちへの理解と支援」
をテーマに、のべ227名が講座を受講しました。

<感想より>
「子どもに対しての気持ちは親も保育者もサポートする側も
同じ気持ちでありたい。『どこかにいると思うと心温かい人』
に私もなりたいです。」
「ADHD傾向の子どもを育てる中で、自他ともに"精神論"的な
対応をしがち、言われがちなのですが、(忙しい日々の中
面倒ではありますが・・・)環境調整、道具を使うこと、
即実践させていただきます。貴重な実践者のお話でした。」

2.教育部門「G-Free」が取組んだエンカウンター制度事業
「教育委員会との協働による児童へのジェンダー意識調査の
報告書発行と男女共生教育の実践報告」

a.2009年度に実施した小学校5校でDVD活用出前授業の
 前後にとった、アンケート意識調査(高槻市教育委員会との協働)
 の結果分析を報告書にまとめ発行しました。
◎調査報告「小学生が考える女の子と男の子」
 &子どもをエンパワメントする授業の効果
 "一人ひとりの大切なこころとからだ"
 (A4判/24頁・頒布800円)

b.11/13クレオ大阪東フェスタで中間報告会開催

c.12/9大阪市教職員地域研修推進委員会4ブロック合同研修会
「子どもの自尊感情とジェンダーのとらわれ
  子どもたちを被害者にも加害者にもしないために」
講師 遠矢家永子
参加:62名
報告書を資料として無料配付し、大阪市の幼・小・中の教員を
対象に研修会を開催いたしました。

<感想より>
「まず、日常の中で自分が子どもにかけている言葉を、
ジェンダーの視点で見直す必要があると感じました。」
「ジェンダーバイアスがかかりまくっている年齢ですので、
こうした研修を受けるたびに考えさせられます。
これだけ、格差社会になっていると、子どもの社会でも、
より男子にしっかりしないと、という期待がかかると思います。」

・・・・・

これら成果を次につなげていけるよう、今年も頑張って
いきますので、ご支援・ご参加のほどよろしくお願いいたします。

さて、明日(15日)は法人設立10周年の記念イベントを
開催します。

みんなで祝おう!!支えあった10年と新たな一歩
時間、14:00から17:00(13:45開場)。
会場は高槻市立総合市民交流センター8階イベントホール
パーティ券 大人1,500円・小学生以下500円
ピアノと二胡のコンサートと軽食など。
お料理はたくさん準備していますので、
明日のことではありますが、当日の参加も大歓迎です!
一緒に、お祝いいただけるとうrしいです。

2月・3月も主催講座が続きます。
ぜひ、ご参加くださいませ!

                    2011.1.14 かえこ

 

◆SEAN&APP共催企画
2月6日(日) 午後1:30から4:30
子どもの性的自立と性的環境
現状報告&激論!!日常化する性情報「規制」?「自由」?
子どもたちを守りたい!性的リテラシーを育むには

<基調報告>
SEAN発:子どもの性意識と性情報(遠矢)
APP発:ポルノと子ども被害の実態(金尻)
<パネルディスカッション>
激論「有害図書規制」と「表現の自由」
 コーディネーター 小川
 パネリスト 中里見・森田・佐倉・遠矢
会場:大阪府立 ドーンセンター
参加:1,000円 

◆第3期GCR@SEAN認定講座
次世代の子どもへの大人の責任力
12日(土)高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室
13日(日)高槻市立生涯学習センター3F 第1会議室

各午前9時30分から午後4時30分
受講料 12,000円
トレーナー 遠矢家永子
定員 20名

●お申込みは、下記SEAN事務局まで。
http://www.npo-sean.org
station@npo-sean.org 
tel/fax 072-684-8584

●4enサイト http://blog.4en.jp/nposean/1/
NPOの情報発信と企業における寄付文化を広めるためのサイト。
ID登録の上、SEANのブログにある広告をクリックすると
1クリックで、4円がSEANに寄付されますので、ご協力を!

●会員&支援者募集中!http://npo-sean.org/welcome/
「誰もがありのままの自分を大切にされ、活かされる社会」を
めざし活動しているSEANを応援したい人を募集しています!
下記、口座から会費等をお振込みいただけます。
正会員 入会金2,000円 年間費6,000円(上半期3,000円)
賛助会員 一口2,000円から 何口でも
郵便振替口座番号 :00960-4-115488名義:NPO法人シーン

★かえっこ事務局長の活動日記 SEANのこと・家族のこと・
 ネコのこと、日常の出来事をいろいろ書いてます^^
「ねこ好き市民活動日記」http://kaekko.blog.sonet.ne.jp/

法人設立10周年記念PRTY 愛をありがとう! 

SEANの法人設立10周年記念パーティ♪

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デコレーションされた手づくりのお寿司とケーキ。

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SEANにゆかりのある中津さんと吉田さんが、お料理を準備してくださった。
ケーキとお土産のクッキーは、木村さんの手づくり。

心に沁みわたる西村さんの二胡と川野さんのピアノのしらべ

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そして、みなさんからの心温まる一言メッセージや
綾さんが立ててくれたコーヒーの香り・・・

途中退席されたみなさんもたくさんいるけれど、、、
最後まで残ってくださったみなさんと一緒に記念撮影。


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私は人には「居場所と役割」が必要だと主張していますが、

同い年で友人の辻元清美さんが言ってる「居場所と出番と絆」が、
このSEANには全部揃ってるんだと実感した1日だった。

「これから、10年・20年・30年・40年・50年と活動が続いていきますよぅに。」
って、言ってた人もいたけど、次へのバトンタッチを考えながら、
次の10年は頑張っていきます!

ここのところお疲れ気味の私でしたが、たくさんの愛をもらって
ほっこりした一日でした♪

感謝!!!

 

「考えは人それぞれだから」*子どもの感想から元気をもらった

埼玉県和光市でSEAN-DVD教材を活用した授業を
小学校4年生の子どもたちに実施した。

授業の後に書いてもらったアンケートを集計していて、
自由記述欄に下記のような文章を見つけた。

4年生男子の事後アンケートから

****

考えは人それぞれだから、
自分と違う意見(考え)を持った人たちも
仲間外れをつくってはぜったいいけないんだと思いました。

また、男だろうが女だろうが
気持ちは関係ないことはいいことだと思った。

それに、気分が良くない時
必ずしも笑顔でいる必要はないと思った。
(人それぞれ気持ちも違うから。)

これからは、いじめる強い女子たちにも仲良くして、
自分が思う、いやだ、やめて、ということを、
もっと伝えていけばいじめもなくなるかなっと思いました。

****

たった、45分の授業。
これからも、子どもたちの感性を
信じたいと思えた一コマだった。


<SEAN講座のご案内>

子どもたちをとりまく性情報の現状について、
また「こころ」と「からだ」の快・不快を見極める力を
つけていくための性的自立に向けて、
わたしたち大人が果たす役割とはなにか?
ともに考える場として開催いたします。

*参加申込みを希望される方は、
メールかFAXにて事務局までご連絡ください。
お待ちしています。

◆SEAN&APP 10周年記念共催企画
2月6日(日) 午後1:30?4:30
子どもの性的自立と性的環境
現状報告&激論!!日常化する性情報「規制」?「自由」?
子どもたちを守りたい!性的リテラシーを育むには

<基調報告>
SEAN発:子どもの性意識と性情報(遠矢)
APP発:ポルノと子ども被害の実態(金尻)

<パネルディスカッション>
激論「有害図書規制」と「表現の自由」
 コーディネーター 小川(SEAN)
 パネリスト 中里見(APP)・森田(APP)
        佐倉(SEAN)・遠矢(SEAN)
会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター
    /ドーンセンター 4F・大会議室1
参加:1,000円 

◆ポルノ・買春問題研究会(APP)
各分野の専門家および運動家が集まって、1999年
12月結成されました。
関東を拠点に、ポルノ被害、売買春などの実態調
査、論文資料集の発行、講師派遣などの活動に取
り組んでいます。

◆NPO法人SEAN
保育サポートを主軸に1997年に結成し、2001年
法人格を取得しました。大阪高槻を拠点に、ジェ
ンダーやセクシュアリティ等に関する出前授業を
提供し、「性」や「ジェンダー」に関する意識調査な
どに取り組んでいます。

<報告者> 
 ◆金尻 カズナ(APPスタッフ)
  04年よりAPPに参加。近年はセクシュアリティを
  めぐるさまざまな活動に取り組む
 ◆遠矢 家永子(SEAN副理事長・事務局長)
  97年(現)SEAN創立者。02年より子どもへの
  ジェンダー平等教育や意識調査等に取り組む
<コーディネーター>
 ◆小川 真知子(SEAN理事長)
  コマーシャルの中の男女役割を問い直す会
  世話人・西宮市男女共同参画センター 専門職員
<パネリスト>
 ◆中里見 博(APP創立メンバー)
  福島大学行政政策学類教員。
  著書:『ポルノグラフィと性暴力』(明石書店)他
 ◆森田 成也(APP創立メンバー)
  駒澤大学経済学部非常勤講師。
  著書:『資本主義と性差別』(青木書店)他
 ◆佐倉 智美(SEAN理事)
  ジェンダー&セクシュアリティライター。
  著書:『性同一性障害の社会学』(現代書館)他
 ◆遠矢 家永子

次世代の子どもへの大人の責任力講座

  次世代の子どもへの大人の責任力講座 (no.251)

 「子どもの権利条約」が1989年に国連で採択され、1994年に日本
で批准されました。子どもの権利として、「生存」「保護」「発達」「参加」
の4つの柱があげられています。これらの内容は残念ながらまだまだ
周知されておらず、日本では子どもを親の所有物のように扱うことが
日常化されているのではないかと懸念します。

 SEANでは2009年度に大阪府福祉基金社会起業家ファンドの
助成を受け、GCR@SEAN認定講座プログラムを開発し、これまでに
2期開催しました。現認定者は26名、鳥取や愛知から宿泊して
2日間の講座を受講された方もいます。
 GCRとは、Gender Sensitive Child Hu-Rightsの略です。
ジェンダーセンシティブとは、画一化された社会的役割に敏感な
視点をもち、一人ひとりの「こころ」と「からだ」を大切にすること
?子どもの育ちのなかの人権を保障するために大人がジェンダー
の視点や責任について学ぶ、2日間12時間のSEANオリジナル
プログラムです。

 また、今年度は大阪府府民文化部人権室発行・財団法人大阪府
人権協会編集で発行される人権学習シリーズの最新号の作成委員
を務めました。冊子は3月中には発行・配付される予定です。
私が担当したワークショップは、「大人が持つ力?【保護者編】
?子どもの権利ってなんだろう?」と「大人が持つ力?【支援者編】
?異なる家庭背景に必要な支援とは?」の2つです。
当初、ジェンダー視点も盛り込むつもりでしたが、今回は子どもの
人権に焦点をあてたワークショップとしてまとめました。
 GCR@SEAN認定講座の基本概念を学ぶ内容で、子どもと大人の
力関係を理解し、その力の主体的な使い方について学ぶワークです。
どなたでも実施できるよう、プログラムの流れや手順等の詳細が
冊子には掲載されています。

 これまで、この子どもの人権ワークショップを実施してきて
感じることは、子どもに教え込もうとする意見が多く、子どもの「参加」
に関する意見がまったく出てこないといった傾向が多くみられる
ということです。また、子どもの人権を議論しているはずが、
その子どもの親の問題だけで終始し、「親が変わらないから
何もできない」と結論付けされることも起こりがちです。
どんな家庭背景であっても、子どもの権利は確立され保障される
べきであることを、大人であるわたしたちの責任として認識すべき
だと実感しています。

 さて、下記の通り2月?3月に、上記内容の講座が予定されて
います。それ以外でも、出張講座も行っていますので、
まずはSEAN事務局(station@npo-sean.org)にお問合せください。

                          2011.2.24 かえこ
 

 
◆人権講座「子どもを被害者・加害者にしないで」
GCR@SEAN認定講座の概要版の講座です。

子どもの人権・大人の責任について考えるワークショップです。
2月26日(土)14:00?16:00
高槻市立総合市民交流センター5階 視聴覚室
講師 遠矢家永子
対象 中学生以上の市民
参加 無料
主催 高槻市立教育委員会 青少年センター
企画協力 NPO法人SEAN
お申込み 青少年センター 072-685-3724


◆イコーラム「くれよん」保育ワーカー養成講座
3月2日(水) 大人が持つ力?
?子どもの権利ってなんだろう??
3月8日(火)大人が持つ力?
?異なる家庭背景に必要な支援とは??

ファシリテーター 遠矢家永子
定員20名(先着順・2日間受講の方、優先)
参加 無料
主催 NPO法人SEAN サポート部門「くれよん」

・東大阪市イコーラム「子ども室」の保育に関わる
「ジェンダーの視点を持つ保育ワーカー」を養成する講座。
受講後は、SEANサポート部門「くれよん」の会員になり、
東大阪を拠点とする保育などの相互支援活動に参画できます。
・GCE@SEANの概要版のワークショップです。
お申込み SEAN FAX 072-963-2045

◆第3期GCR@SEAN認定講座◆
「次世代の子どもへの大人の責任力」

年2回開催している認定講座です。
受講修了者には認定証を発行します。

3月12日(土)高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室
3月13日(日)高槻市立生涯学習センター3F 第1会議室
時間 各9:30?16:30
受講料 12,000円
トレーナー 遠矢家永子
定員 20名
お申込み SEAN、FAXもしくはメールにて FAX072-684-8584


▲新刊のご案内▲

 調査報告「小学生が考える女の子と男の子」
 &子どもをエンパワメントする授業の効果
 "一人ひとりの大切なこころとからだ"
 (A4判/24頁・頒布800円/送料込み1,000円)
2009年度に実施した小学校5校でDVD活用出前授業の
前後にとった、アンケート意識調査(高槻市教育委員会との協働)
の結果分析を報告書にまとめ発行しました。

*参加申込みや購入を希望される方は、
メールかFAXにて事務局までご連絡ください。
お待ちしています。

第3期GCR@SEAN認定講座のご報告

 

Web-3GCR@SEAN.JPG第3期GCR@SEAN(ジクルアットシーン)認定講座
「次世代の子どもへの大人の責任力」

トレーナー 遠矢家永子(GCR@SEAN総括責任者)
3月12日(土)・13日(日)
認定修了者 12名

高知県や鳥取県など、今期も遠方からの参加がありました。

毎期、最後に次のテーマでグループごとに話し合い、
5カ条をまとめ上げます。
「ジェンダーにとらわれず子どもをエンパワーする大人の関わり方5カ条」
毎期、まとまる内容が違っていておもしろいです。

Web-3GCR@SEAN-5kajyou.JPG第3期「ジェンダーにとらわれず子どもをエンパワーする大人の関わり方5カ条」

第1条 自分のジェンダー意識に気づく
第2条 子どものありのままを受けとめる
第3条 一人ひとりの「大切な権利」を伝える
第4条 学ぶ機会を奪わない
第5条 見守り続ける

初日の12日の前日、東日本大震災が起こり、
福岡からの申込者は飛行機が欠航となり、朝キャンセルの連絡が入りました。

「いったい、この日本に何が起こっているのか?」
参加者一同、動揺するなかで、二日間の講座は行われました。

この講座は、ワークごとにグループメンバーをシャッフルし、
テーマごとに話し合いながら進めていきます。
いろんな個性、いろんな意見が交差し、2日間14時間(昼休憩各1時間含む)
を共に過ごすうちに安心と信頼の輪が広がっていきます。

最後の最後には、全員とあいさつを交わし、ハグをして
お別れをするのが恒例になっています。

かつて子どもだったわたしたち大人同士が、
強者の位置に立つことを自覚しつつ、
つながり合って、子どもたちの「自立・自律」を支えていく。

わたしたち大人がジェンダー規範にとらわれて
自分自身を見失くことがないよう、まずアイデンティティを確立するために
自身のありのままをしっかり受容していくことが必要不可欠であるのだと
確認した2日間でした。

第3期までのGCR@SEAN修了認定者は計36名。
100名になったらステップアップセミナーを開催して、
同窓会のような集まりができたらいいなぁと思案中。

認定講座は、毎年、3月と8月に開催しています。
次の開催時には、あなたの参加をお待ちしています。

あなたの地域での出張講座も請負いま~す♪

2011.3.31 かえこ

高槻市市長選挙*公開質問状の回答です

東日本大震災、津波、原発事故と、こころが滅入る日が続いていますが、

わたしたちの生活に直接かかわる選挙が間近に迫ってきました。

高槻市市長選挙も、4月24日に行われる予定で、

候補予定者が今のところ2人名乗りをあげています。

市民の1人として、このまちの男女共同参画政策の今後の

方向性への意欲を問うために、4団体連名で公開質問状を

両候補予定者に提出しました。

 


3月18日に高槻ジェンダー研究ネットワークの小松満貴子さんと一緒に、

高槻市市長候補予定者の濱田さんと吉田さんの両陣営を訪ね、

公開質問状を提出し、3月末を期限に回答をお願いしました。

 

小松さんが訪問前に、両事務所にアポを取ってから出向いたのですが、

濱田事務所では候補予定者本人がきちんと受け取ってくださり、

丁寧な対応を受けましたが、その後に出向いた吉田候補予定者の事務所では、

連絡も入っていないようで、当然のことながら本人はいないし、

対応もよく分からないけどとりあえず受け取っておくといった対応でした。

結局、その後回答は戻ってきていないので、一応再度連絡を入れて

待っているところです。

新しい市長には、市民の声を真摯に受けとめてくださる方に

なっていただきたいと切に願うのは私だけではないと思います。

 

濱田候補予定者からの回答はココ↓

公開質問状回答.doc

 

投票のご参考にどうぞ!


吉田候補予定者からの回答もかえってきたら、公開したいと思います。

あたまが痛い年度末の決算・予算・・・

年度末の決算予算の時期は、あたまがクラクラします。

「社会的に必要なことをやっている!」という自負はあれど、
充分な資金があるわけでもなく、
資金繰りに苦慮すれば、削らざるを得ないのは人件費の項目です。

社会的課題にとりくんでいる法人だからといって、優遇されることなど何もなく、
ただ社会的責任がのしかかってくるだけなのかもしれません。

それでも、ここで踏ん張る理由は何なんでしょうか?

他に生きる道を探すことができないということもあるのかもしれませんが、
やればやるほど、取り組む課題の問題性に気づき、ますますそこから
抜け出せなくなっていく、そんな感じでしょうか。

2010年は、当期決算で60万程度の赤字を抱えてしまいました。
ひとえに、事業収入の見積もりの甘さだと責任を感じております。

2011年度は、気もちを引き締め引き続き
「だれもがありのままを認められ、活かされる社会」
の実現に向けて頑張っていく所存です。

どうぞ、NPO法人SEANへのご理解とご支援を、よろしくお願い申し上げます。

報告書のお申込みや講師依頼、寄付や会員申込みなどは、
下記SEANホームページより!
http://www.npo-sean.org

<講座のご案内>
4つの「なぜ?」を議論しよう!!
▼▼調査報告書を読み解く▼「子どもたちが考える女の子と男の子」

*ファシリテーター:遠矢家永子
 (NPO法人SEAN教育部門「G-Free」代表)
*運営協力費:各回500円(茶菓子代含む)
*毎月曜日10:00?12:00
主催:NPO法人SEAN(シーン)
後援:高槻市

*報告冊子を希望する方は800円が必要です(全会共通)

1.5/9(月)
 今度生まれるとしても、男子は「女」を選ばない?!
 →高槻市立総合市民交流センター 第2会議室

2.5/16(月)
 「男(女)らしく」なければ、いじめられる?!
 →高槻現代劇場 集会室202号室

3.5/23(月)
 女子はパティシエ、男子はスポーツ選手になりたがる?!
 →高槻現代劇場 集会室202号室

4.5/30(月)
 中学生男子は、「助けて」を言わない?!
 →高槻市立総合市民交流センター 遊の工房 

1つ目のWhy? 今度生まれてくるとしても、男子は「女子」を選ばない?!

4つの「なぜ?」を議論しよう!! 

▼調査報告書を読み解く

「子どもたちが考える女の子と男の子」 

 

1回 今度生まれるとしても、男子は「女」を選ばない?!

高槻市立総合市民交流センター 第2会議室 

 

8名でお茶を飲みながら議論した。

 

SEANが実施している小学生・中学生へのジェンダー意識調査では、

ほとんどの男子は今度生まれかわるとしても、「女」を選ばない。

「女」を選ぶ男子は、クラスに1人いるかいないかにすぎない。

 

このような、男子の選択の偏りは、なぜ起こるのか。

 

その要因は幾つかある。

 

子ども期は、大人や社会からの適度な期待によって、

目標を設定し、努力して、経験値を積み重ね、

大人への階段を上っていく過渡期である。

子どもが成長する上で、大人から適度に期待され

関心を示されることは、子どもにとってもうれしいことなのだ。

 

その期待が、性別によって異なるのがジェンダーである。

期待をこめて親が命名する名前を見れば、

その違いは明らかである

 

「自立」を期待され促される「男」は、

「はやく立派な大人になりたい」と希望に胸を踊らす、

少年たちにとってはとても魅力的であるに違いない。

「男」であるというだけで、多くの可能性への切符を

手に入れたように映るのかもしれない。

 

期待され、努力して、その結果として経験値を高め、

社会的地位を手に入れていく。

 

それに引き換え「女子」への期待は、

「かわいさ」や「やさしさ」である。

かわいくあることを評価される体験をしていない男子にとっては、

そばで女子が可愛がられているとしても、

そうなりたいと願うケースはいたって稀である。

それに、その希少価値は、年齢が上がるとともに下落していく。

女の子たち自身が、無自覚のままそのことを認識していることが、

「女」を選ぶ割合が小学生から中学生にかけて

減少することからも読み取れる。

 

「男」を積極的に選ぶ、あるいは「女」を選びたくないなど

「男」であることに固執したい男子ばかりであるわけではない。

「男」として生きることを負担に感じ、そこから脱したいと願っても、

それを主張することが許されないのが「男」というしがらみなのである。

 

「女」を選ぶことは、「負け組」や「変人」といった烙印を

押され、いじめの対象となることに他ならない。

 

選ばない、選べない、その2つのニュアンスが、

このアンケート結果の偏りからは見えてくる。

 

うつ、ひきこもり、自殺。。。

男たちが社会構造の中で抱えている病理である。

その要因がここに見えているというのに、

このアンケート結果をみても、問題だと認識しない

あるいはできない、あるいはしたくない大人たちが大半だ。

 

この問題を共有できる大人を増やすために、

種をまき続けるしかないのだと思う。

 

次回予告

2つ目のWhy?

「男(女)らしく」なければ、いじめられる?!

523日(月) 10時?12

高槻現代劇場 集会室202号室

 

自分を語りながら、さらに議論を深めていきたい。

2回目からの参加も可能なので、ぜひともご参加を!

 

人権学習シリーズの作成委員を務めて

 

Web-mienaitikara.jpg人権学習シリーズ Vol.7
見えない力 つくりかえる構造

編集◇財団法人大阪府人権協会
発行◇大阪府府民文化部人権室
2011年3月発行

人権に関する学習プログラムの詳細を、
丁寧に紹介した冊子です。

昨年度、私はこの冊子の作成委員にとお声かけいただき、
2つのプログラムを書かせていただきました。

1.大人が持つ力?【保護者編】 
 子どもの権利ってなんだろう?

2.大人が持つ力?【支援者編】
 異なる家庭背景に必要な支援とは?

大阪府内の公共施設に配られたので、
自由に手にとって見れるし、
紹介されている7つの学習プログラムは、
すべて自由に使うことができます。

もちろん、ファシリテーターの初心者が使いやすいように、
工夫して詳細が記されています。

この冊子を作り上げるまで、何度となく編集会議が
開催されました。

最終的にプログラム化されたテーマは下記の通り。
・左利きというマジョリティ
・大人と子ども??
・DV??
・格差社会
・「ふつう」であろうとする排除

作成委員のみなさんの人権意識は高く、
わたし自身もたくさんのことを学ばせて
頂いたというのが実感です。

栗本敦子さん<えふらぼ>
杉本志津佳さん(フェミニストカウンセリング堺)
肥下彰男さん(西成高等学校教員)
それぞれに人権視点で、第1戦で活動されている
みなさんの言葉には重みがあり、刺激的でした。


社会構造の中に、数々の力関係が存在しています。

力は単純に力に過ぎず、その力関係をどう使うかが問われています。
権力を使って不公正や搾取を行うのか、
構造上の弱者のエンパワーのために力を発揮するのか、
その力の使いようによって、世の中の構造は大きく
変革していくはずです。

「つくりかえる構造」という副タイトルには、
私たち一人ひとりが見えない力を持っていて、
その力によって構造はつくりかえることができるという
作成委員ならびに編集担当の人権協の職員のみなさん、
発行担当の府職員のみなさんの思いが
込められています。

配布場所等は、
財団法人大阪府人権協会もしくは
大阪府府民文化部人権室まで
お問合わせ頂ければと思います。

らしくあるべきという虚像がいじめを生み出す。

4つの「なぜ?」を議論しよう!!
調査報告書▼「子どもたちが考える女の子と男の子」

第2弾 5月16日(月) 10時?12時
「男(女)らしく」なければ、いじめられる?!」
(参加9人)

いじめって、「ジェンダー」には関係ないんじゃないのか?

そんな疑問も飛び出しながら、いろいろと議論した。

そもそも、小学生の子どもたちに投げかけた問いかけは、
「「女の子は女らしく」「男の子は男らしく」している方が
いいと思いますか?」という質問だ。

授業を実施する前は、女子の54%、男子の68%が
「思う」と答えており、どちらも半数以上が肯定派だった。

その理由に挙げられたのが、
「からかわれる」「いじめられる」「気もち悪い」
「だらしない」「恥ずかしい」「ひく」という内容だった。

実際、特に女の子っぽい男子はいじめの標的になっている。

じゃぁ、「らしさ」って、なんだ。
「らしさ」とは、そのカテゴリーが持つと思われる特徴や期待であり、
実像ではなく、あくまでも虚像だ。

「女らしく」「男らしく」「中学生らしく」
「社会人らしく」「私らしく」「あなたらしく」
「被害者らしく」「加害者らしく」

その人がそうあるだろうとイメージする像。
あるいは、そうあってほしいと願う像なのだ。

私は、「自分らしく」という言葉さえ好きではない。
「自分らしくない」と感じる自分でさえ、
ありのままの自分だからだ。

他者からの期待への裏切りが、「らしくない」という否定になる。

子どもたちは、自分自身がらしくふるまえないことに対しても
「恥ずかしい」「かっこ悪い」と感じている。

「なぜ?」
それは、周辺の大人たちからの影響に他ならない。
子どもは大人たちから、反面教師も含め「価値観」を
学習しているのだ。

「らしく」あることへの質問に「思わない」と答える子どもは、
女子は45%から68%に、男子は30%から58%へと
DVD教材を活用した45分授業後は増え、
「思わない」方が半数を超え逆転する。

「人それぞれ」「同じ人間」「一人ひとりが違う」

その考えが子どもたちに浸透したら、
当然いじめなどはおこらない。

そして、もうひとつ。
「女の子らしさ」「男の子らしさ」の「らしさ」の中身だ。
男の子に求められるリーダシップを、
人を支配する力だと誤認したら、
いじめの加害者になりかねない。

最初から、「らしくありたい」とは思わない子どもも存在する。

それも、やはり周りの大人たちの考え方からの影響なのだ。

子どもへの授業を普及することと、大人への啓発とを
同時にやらないとだめだと強く感じた。

次回は、23日(月)10時?12時
高槻現代劇場 集会室202号室
テーマは「女子はパティシエ、男子はスポーツ選手になりたがる?!」
子どもたちの将来の職業選択の偏りについて議論する。

男女共同参画社会と高齢者福祉

「男女共同参画社会」ってどんな社会って尋ねたら、
「ワークライフバランス」「女性の社会進出」
「男性の子育て参加」なんて言葉がかえってくる。

「男女共同参画社会」って、
性別にかかわらず、
すべての人がありのままを肯定され、
存在意義が認められ
他者から必要とされ
責任を分かち合う中で、
自ら幸福追求していける社会のことだ。

生物学的な性別も単純に2分化できないし、
自分で選んで生れてきたわけではない性別によって、
自己決定権が侵害されてはならないし、
命の重さ自体を軽んじられることがあってはならないからだ。

性別だけでなく、子どもや高齢者といった年齢によって、
あるいは障がいの有無によって、
あるいは住んでいるところや、
貧富の差によっても、
不公正が生じたり、不必要な支配構造が生れ、
それを使って人権侵害がおこっている。

いま、社会はこれまで経験したことがない
少子高齢社会が到来している。

高齢者の人口率が高くなっている中、
母が祖母を介護していた頃は、
介護サービスなどほとんど存在せず、
介護は嫁役割とみるジェンダーが根強かった。
そのことを思えば、サービスの選択肢はとても増えており、
それはそれでありがたい。

でも、高齢者にとって
「他者から必要とされ
責任を分かち合う中で、
自ら幸福追求していける」
状況は保障されているのだろうか。

人間の尊厳を踏みにじらないために、
最も必要なことは生命の維持であることは間違いない。
その上で、生きる意味・証として、
他者に必要とされ、社会の中で存在意義が
認められることをわたしたち人間は根源の欲求として
持っているのではないだろうか。

わたし自身が老いと向き合う年齢になって、
男女共同参画と高齢福祉を結びつけて
考え始めている。

まだまだ、からだも元気、気力もある高齢者が
可能な限り人とのつながりの中で
生きがいを見いだせる事業を
SEANで取り組めないかと思案中である。

人にはいろんなセクシュアリティがある

配信:2011.7.14


  人にはいろんなセクシュアリティがある

 2002年にSEANが子ども対象の人権教育プログラムを開発して
から、未就学児から大学生までこれまで約10,000人(予定も含む)
の子どもたちに授業を実施してきました。
 平行して実践者の養成等も行ってきましたが、この7月に初めて
大阪を離れ北九州市でSEAN-DVD教材活用実践者養成講座
(NPO法人GGPジェンダー・地球市民企画主催)を開催することが
できました。
 仲間にも恵まれ、コツコツ蒔いてきた種が少しずつ芽を出し始め、
これからすくすくと育ってくれることを願っています。

 今後は地域を越えてさらにジェンダー平等教育を普及をして
いきたいと思いますので、興味のある方は事務局までお問合せください。

 さて、出前授業を通して実感するのは、4歳頃から子どもたちの
言動に性別役割規範が見え始めることです。
その規範がありのままの自分を否定し、またお友だちのありのまま
を否定することになっていき、さまざまな問題へとつながっていきます。
 とりわけ、「女の子っぽい男の子」はいじめの対象になりやすく、
生まれつきの資質によって自分が何者であるかといった
アイデンティティや自己肯定感の確立が阻害されていきます。
 大人になってからも、セクシュアル・マイノリティといわれる位置
に立つと、現状それでなくても難しくなってきている就職がさらに
難しくなっていきます。

 人は多様な存在で、一人ひとりが異なります。
性別やセクシュアリティは自分で選んで生まれてくるものではなく、
すでに備わっている個性であり、一人ひとりの大切な人権です。
すべての人のいのちの存続・自己決定・幸福追求を保障する
社会を、めざすために、まだまだ、偏見や差別が横行する
社会に問題を投げかけ、視野を広げていくために今回次の
ような講座を企画しました。

 第1回目は、マイノリティといわれる当事者とその周辺のみなさん
にお越しいただき、マイノリティとして生きていくことの「生きにくさ」
とはいったい何か?何からその「生きにくさ」が生まれるのか?
特に生きていくために必要な「しごと」を選ぶ上で生じてくる
差別の現実等についてお話いただき、その上でそれぞれが
自分のセクシュアリティに向き合いたいと思います。

 第2回目には、「生きにくさ」を生み出さないために、また他者に
「生きにくさ」を押し付けないために、子どもたちの育ちに何を
提供するべきなのかを共に考える場として企画しました。
 
 「生きにくさ」を感じ始めている人、その周辺の人、そして支援者
である人に、たくさんご参加いただければうれしいです。
                         
PS
 最近、通信はまぐまぐメルマガ「ジェンダーとエンパワメント」と、
個人ブログ「ねこ好き市民活動日記」にて配信しております。
興味のある方はそちらを覗いていただければうれしいです。
                                 かえこ


<以下、講座案内>

「人にはいろんなセクシュアリティがある」
★セクシュアル・ライツ★
「生」と「性」の人権講座。会場:高槻市立総合市民交流センター

◆7月25日(月)
ありのままの「性」を生きたい!
[午前の部]
10時?12時 4F 第4会議室 資料代800円
トランスを選んだことでぶちあたった「壁」
ゲスト:黒田綾さん(トランスカフェAYA主宰)
    清水尚美さん・執行弘幸さん
    (NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会メンバー)
インタビュアー:遠矢家永子(SEAN事務局長)

◆8月1日(月)
子どものセクシュアル・アイデンティティを育もう!
[午前の部]
10時?12時 4F 第4会議室 資料代800円
1)  セクシュアリティに関する子どものたちの本音
 ?アンケートを通して見えてくること?
 :遠矢家永子
2)  「女子高生になれなかった少年」の著者に聞く
 :佐倉智美(SEAN理事)
3)  DVD教材視聴「セクシュアル・マイノリティ理解のために」
4)  フリートーク 子どもたちの大切なセクシュアル・ライツ

[午後の部]  はーとdeトーク
両日とも13時?15時 
*各日、午後の部参加者のみ、自由参加

お申込・お問合せ先
NPO法人SEAN 
tel/fax 072-684-8584
station@npo-sean.org

第3期グランドワーク・インターンシップに参加して

伊豆長岡での、4泊5日間の研修だった。

今年はヌエックの夏の交流会が10月になり、依頼講座と重なったので

そちらの方は参加できなくなった。

そんなこともあって、ひょんなことからお声かけいただいた

グランドワーク・インターンシップに参加することにした。

 ちょうど、新しい公共に応募している事業の内容を、もう少しビジネスプランとして

きちんと考えてみたかったというのも理由の1つであった。

 このインターンシップは「地域社会雇用創造事業」として採択され、

2年わたって10億ものお金が投入されている事業である。

私が参加したのは2年目の第3期のA日程で、この後も、B日程からG日程が

9月末まで実施される予定である。 まだ、空きがあるということだから、

興味がある方はインターネットで検索して申し込みをされたらどうだろうか。

研修費は無料、最後まで修了したものには宿泊費・交通費に補助が出ることになっている。

グランドワークとは、市民・行政・企業のパートナーシップと地域の専門組織によって

展開される地域の環境改善活動のことで、イギリスが発祥の地である。

 イギリスから講師でこられたロビン・ヘンショウ博士

 

web-2011.7.guranndowork robin.JPG

かつて、富士山からの湧き水が流れる源兵衛川は、生活排水などでドブ川と化していた。

その川をグランドワークの手法でもって、市民がみごとに蘇らせたのだ。

Web-2011.7.genpeigawa.JPG

 

現地を視察もしたが、水浴びをする子どもたちの歓声が聞こえ、

梅花藻の白い可憐な花が目にとまる、本当にキレイな川になっていた。

 

Web-2011.7.baikamo.JPG 

NPO法人グランドワーク・三島の戦略的かつ実践的な取り組みは、

もと県庁職員である渡辺豊博事務局長のリーダーシップが大きな意味を

なしたように見受けられた。

川を汚したのも人間、川を再生させたのも人間。

その気になり、戦略的に人と人がつながれば、再生できることがあること、

粘り強く諦めずに取り組みことの意味を学んだ。

 そして、最大の収穫は、私の住む高槻市やSEANの取り組みが、

全国的に見ればかなりいい線いっていると思えたことだ。

目的であった新しい公共に申請中の「生きがい工房」事業についてのアイデアも、

それなりにまとめることができた。

助成獲得の結果に関わらず、なんとか事業は前に進めていきたいと思っている。

新たに出会った人たちとの交流も、これからも発展的に広がっていくことを期待しつつ、

OJT研修や自宅研修などにもきちんと取り組んでいこうと思う。

 http://kaekko.blog.so-net.ne.jp/2011-07-22

 

Step1無事終了☆人にはいろんなセクシュアリティがある

Web-2011.7.25ironnnasekusyuariti.JPG

 

ありのままの性を生きたい! 7月25日(月) 参加30名

トランスを選んだことでぶちあたった「壁」
ゲスト:黒田綾さん(トランスカフェAYA主宰)
    清水尚美さん・執行弘幸さん(NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会メンバー)
インタビュアー:遠矢家永子

それぞれの立ち位置で、経験してきたこと、感じていること、
考えていることをお話いただいた。

トランスを選んだことから、パワハラを受け、転職せざるを得なくなる、
選べる仕事の枠も限られる。
「私はいいんですけどね。お客さんが嫌がられるのでね」と
切り捨てられていく。
マイノリティもエリートでなければ生きてはいけない。
ロールモデルとなる生き方がない。

子どもがゲイを、トランスを、カミングアウトした。
その生き方に寄り添いながら、取り組んできた活動。

誰もに保障されるはずの人権を獲得するために、
頑張らなければならないマイノリティの現状。

後半の約1時間は、会場からの質問や感想に答えてもらいながら進行した。
会場とのやりとりは時間いっぱいまで続けられた。

<コミュニケーション用紙から>

「セクシュアルマイノリティの話を詳しく聞いたことがなかったので、
今日はいろいろ考えることがありました。
労働、教育、育児・・・いろんなところに問題がある。
社会の問題だけではないのですね。」

「就労の話で、これはぜーったいみんな知らんといかんことやと思いました。
清水さんの教育現場への発信がすごーくいい!!と思いました。
『セクマイの人が、プライベートの性指向のことを公に話すように
強要されてる』って目からうろこ。 
個人的なことは政治的なこと。」

午後は、11名が参加して、3時ごろまでいろんな話をした。
立ち位置の違いから、多少エキサイティングした場面もあったが、
言いたいことを言い合えたことで、最後は和気あいあいと
話ができたのではないだろうか。

次回は、8月1日(月)10時?12時

子どものセクシュアル・アイデンティティを育もう!

[午後の部] 10時?12時 
高槻市総合市民交流センター第4会議室 資料代800円

1)セクシュアリティに関する子どもたちの本音
 ?アンケートを通して見えてくること? 遠矢家永子

2)「女子高生になれなかった少年」の著書に聞く
 佐倉智美さん(佐倉ジェンダー研究所主宰)

3)DVD教材視聴「セクシュアル・マイノリティ理解のために」
 ?子どもたちの学校生活とこころを守る?
*制作:"共生社会をつくる"セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク
このDVDは2009年度男女共同参画センター横浜の助成を得て
作成されたものです

4)フリートーク

[午後の部] 13時?15時 *午前の部参加者のみ、自由参加
はーとdeトーク 大人の責任ってなんだろう?

*当日でも参加できますが、念のためお申込ください。
下記、メールかFAXに、参加希望日、お名前、連絡先、
申込動機、所属などを記入の上、SEAN事務局までお申込ください。

 

デートDVの研修を請け負って

7月27日(水)
平成23年度 DV被害者支援ネットワーク研修会

1)西部こども女性相談センターでの相談の現状と
  デートDV実態調査結果について
2)今どきの若者の性意識と性情報から学ぶ
 ?幼少期からのDV防止教育の必要性?
   NPO法人SEAN事務局長 遠矢 家永子

主催 徳島県西部総合県民局保健福祉環境部
    西部こども女性相談センター

市職員・保育所・小学校・中学校・高等学校から警察まで、
50名近くの方が参加されていた。

管内の7校の高校で、アンケートによるデートDV実態を
調査され、ジェンダー意識・自尊感情や加害経験・被害経験
などとのクロス集計も行い、報告書も作成されており、
まずその内容に関する報告が行われた。

「デートDVの加害および被害体験のある人は、個人的要因
としてデートDVの認知度の低さ、自己肯定感の低さ、
ジェンダー意識の低さ、周囲との人間関係における行動特性
のまずさがあり、家族的要因としても、家族内のDVを見た
経験がある」という考察だ。

わたしの方からは、(デート)DVの背景にあるジェンダーの
問題への気づきと、子どもを取り巻く性情報の実態について、
そして子どもたちへのジェンダー教育の必要性について
お話させていただいた。

このセンターでは、デートDV防止に関して熱心な取り組みが
行われていた。

その1つがこの取り組み。
パープルリボンにこめた、「暴力防止に向けて」のメッセージを
たくさんの人に知ってもらうために、高校の学園祭で高校生と
一緒になって、パープルリボンキルトを作成している。

学園祭で、高校生が針と糸を持ってキルトを作成する。
この取り組みは、なかなか面白いと思った。

これから、啓発のDVDを作成するということで、メッセージボード
を書いて欲しいと頼まれ、わたしもちょいちょいっと書いた。

?**?**?**?**?**?**

あなたの ありのままの 大切な"こころ"と"からだ"

いのちが宿るあなたの尊厳を、他者から踏みにじられる
ことがないように。そして、あなた自身が自分で踏みにじる
ことがないように

若い世代の人たちが、そうなってしまわないよう、
わたしたちが大人である責任を自覚し、
責任力を高める努力を怠ってはならないのだと
改めて実感した。

「次世代の子どもへの大人の責任力」を学ぶ
GCR@SEAN認定講座を、年に2回開催している。
お申し込みはお早めに!

第4期GCR@SEAN認定講座
8月27(土)・28日(日) 各9:30~16:30
高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室
トレーナー 遠矢家永子
定員 20名
受講料(認定料含む):12,000円
お申し込み、お問い合わせは下記まで
station@npo-sean.org
FAX 072?684?8584

<おまけ>

徳島から帰宅するバスの中から...
海の中で生命体は誕生した。
だから、海が恋しくなるのだろうか。
願わくば、荒れ狂うことなく、やさしく穏やかな海を見ていたい。。。

「人にはいろんなセクシュアリティがある」の第2回目の
開催も直前です!

◆8月1日(月)
子どものセクシュアル・アイデンティティを育もう!
[午前の部]
10時?12時 4F 第4会議室 資料代800円
1)  セクシュアリティに関する子どものたちの本音
 ?アンケートを通して見えてくること?
 :遠矢家永子
2)  「女子高生になれなかった少年」の著者に聞く
 :佐倉智美(SEAN理事)
3)  DVD教材視聴「セクシュアル・マイノリティ理解のために」
*制作:"共生社会をつくる"セクシュアル・マイノリティ支援
 全国ネットワークこのDVDは2009年度男女共同参画センター横浜
 の助成を得て作成されたものです

4)  フリートーク 子どもたちの大切なセクシュアル・ライツ

[午後の部]  はーとdeトーク
両日とも13時?15時 
*各日、午後の部参加者のみ、自由参加

まだ、参加できますので、ぜひご参加ください!

2011.7.30 かえこ

8月27日(土)・28日(日) 第4期GCR@SEAN認定講座

今月末に下記の講座を実施します。

このGCR@SEAN認定講座は、子どもの育ちの中の人権を保障するために

ジェンダーの視点・大人の責任を学ぶSEANのオリジナルプログラムです。

ジェンダーを理解することは、子ども達の人権を守り、可能性を最大限に

引き出すために必要不可欠です。

まだ、受講されていない方、是非この機会に受講をご検討ください。

子どもの育ちの中で大人が保障するべきこと、一緒に考えましょう!

      <記>

第4期GCR@SEAN認定講座
「次世代の子どもへのおとなの責任力」

8月27(土)・28日(日)各9:30?16:30
 高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室
トレーナー 遠矢家永子
定員 20名
受講料(認定料含む):12,000円
お申込み、お問合せは下記まで
station@npo-sean.org
FAX 072?684?8584


<つぶやき>

7月は北九州小倉市?静岡伊豆長岡(インターシップ)
?徳島へと飛び回っており、その間、
主催講座2講座と助成金申請のプレゼン2本、
会議や事務処理は目白押し
8月には高槻祭り2日間の出店をこなしてきて、
むくみで3キロ太っちゃうし、
ここ3日間はぶっ倒れそうになるほどの
疲労感が蓄積されている。

回復力が減退する年なんだから、
そこそこにして、心身ともにオヤスミしないとって
思っているところ。

今年SEANでは、3本の助成金を獲得している。

こども未来財団小規模研修
大阪府社会起業家ファンド
それから協議体による新しい公共事業

いずれも、来年3月末には事業を終了し、
結果を出さなくてはならない。

健康管理をしておかないと、持ちこたえられそうにないので、
お盆の間は、しばし休息をと思っている。

猛暑が続く中、みなさんもどうぞご自愛くださいませ。

8/21 三田市まちづくり協働センターを見学して

20日(土) 市民が分析した高槻市財政―分かったこと、分からなかったこと―
「わがまち高槻市のお財布事情」の監修をしてくださった
初村尤而さんのお話を、改めて聞かせていただいた。

高槻市の一般会計 1026億3547万円 市民一人あたりに換算すると29万円
すべての会計を合計すると単純計算 1868億円、市民一人あたり53万円
のお金が使われている。

この間の行財政改革で、職員の削減、非常勤化、民営委託化がすすめられている。
2009年の決算額では、人件費の割合は24%。
事業の民間委託の費用や臨時職員の賃金などは、
「物件費」のなかに入っており、物件費は全体の12%。
保育所の経費や子ども手当(児童手当)、生活保護の給付費などの扶助費は21%。

目的別に見ると、民生費が36%と最も多くを占めており、
2010年度当初予算では42%と、年々扶助費が占める割合が多くなってきている。

少子高齢社会の到来で、必要な福祉サービスは多様化しており、
そこに必要な予算が増えているにもかかわらず、
人件費を削減していくといった矛盾を抱えているということだ。

そこを乗り越えるには、市民自治力を高めつつ、市民協働に抜本的に取り組むしかない。
その上で、決裁主義・印鑑主義などの無駄な事務作業を抜本的に見直すことが
必要なのではないだろうか。


市民協働の推進の具体例として、21日(日)にSEANまちづくりプロジェクトのメンバーで
三田市まちづくり協働センターに見学に行った。

センターは、JR三田駅前のキッピーモール6Fにある。
消費生活プラザ、人権・男女共同参画プラザ、国際交流プラザ、市民活動推進プラザ
の4つの相談窓口と貸会議室、行政コーナーなどが並んでいる。

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市民協働推進プラザの運営を受託している、NPO法人場とつながりの研究センター理事長の佐藤等史さんにまずお話を伺った。

NPO法人場とつながりの研究センターは、関西学院大学の総合政策学部の関係者が
立ち上げたNPOだということだった。

駅前のこれだけ広いスペースに、4つの分野のプラザが並んでいる。
他市に住む私たちの目には羨ましい限りの施設に映っていたのだが、
お話をお聞きするとそれなりに問題点があることも見えてきた。

協働をいかに推進していくのか、ハード面からかソフト面からか、
それぞれの自治体の取り組みの成果が出てくるのはこれからなのだろう。

三田市では現在、まちづくり基本条例の策定に向けて、
行政・議会・市民がそれぞれに検討会議を立ち上げて
3つの骨子素案が出されたところだと聞いた。

今のところ組織図の見解がかみ合わないので、議論が続いていると話された。

対象が異なる3つの検討会から、それぞれに素案が出され
時間をかけて取りまとめを行なっているということで、
なかなか面白いやり方だと思った。

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そのあと、人権・男女共同参画プラザを運営しているアンダス☆フリットの
橋上浩子さんにもお話を伺った。

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こちらの方は、利用団体から個人として選出されたスタッフが、新たにグループを立ち上げ
運営を受託しており、法人化はまだ検討段階だとおっしゃっていた。

自治体によって、男女共同参画は「人権」に振り分けられたり、
「市民協働」に振り分けられたりしている。
ジェンダー平等ではなく、「男女共同参画」という言葉をつくってしまったことから、
ややこしくなってしまったのだと思えないでもない。

まだまだ、どこのまちも方向性が定まりきらないのが現状のようにも思う。

これからもいろんなことを学んで、わたし自身も、もうすこし時間をかけて考えをまとめていきたい。

無事終了*第4期GCR@SEAN認定講座「次世代の子どもへの大人の責任力」

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第4期GCR@SEAN認定講座
次世代の子どもへの大人の責任力

2011年 8月 27日(土)・28日(日)
於:高槻市立総合市民交流センター4F 第4会議室

修了認定者8名 (計47名)

毎回、12時間のワークの最終で、受講生のみなさんで下記の5ヵ条を考えてもらっている。

(ジェンダーにとらわれず)子どもをエンパワーする大人の関わり方5ヵ条

第1条 自分自身がジェンダーに敏感な視点を持つ
第2条 子どものありのままを尊重する
第3条 子どもが多様性にふれ、自ら感じ、学ぶ環境を保障する
第4条 大人どうし子どもどうし手をつなげ、輪を広げる
第5条 自分がロールモデルになって社会に積極的にアプローチする

毎回、少し違うニュアンスにまとまるからおもしろい。

Web-4GCR@SEAN-kouzahuukei.JPG


人は、何年も生きていると、否応なく大人になってしまう。
私たち大人は、子どもたちに責任を持つ大人社会を築いているのだろうか。

この講座は、まず自分の生き方と向き合うことから出発する。
自分の生き方と真摯に向き合えた大人が、手と手を取り合って
新しい社会を築いていく。

小さな積み重ねに過ぎないが、コツコツとやり続ける先に、
きっと道は開けてくるはずである。

今年度は、大阪府社会起業家ファンドのステップアップ助成の交付を受け、
HPでのGCR@SEAN認定講座の広報の充実をめざす。
また、次の3会場で第5期の認定講座を開催する予定だ。

2012年 
2月4日(土)・5日(日) 大阪箕面会場 共催:ちまちま工房
2月11日(土)・12日(日) 鳥取米子会場 協力:よりん彩
3月3日(土)・4日(日) 大阪ドーンセンター 共催:財団法人大阪府男女共同参画推進財団

これからは、他団体との共催として取り組み、終了認定者を増やしていきたいと思っている。
お近くのみなさんは、是非この機会に受講を!

SEAN-HPの1部リニューアルに向けて、信楽にあるデザインひとつひとつに打合せに...

昨日、HPのGCR@SEAN認定講座講座のページのリニューアルに向けて、
デザインひとつひとつの藤原さんとの打合せに信楽まで出向いた。

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信楽高原鐵道に乗って、高槻から2時間弱。
迎え入れてくれたのは信楽焼きの狸・タヌキ・たぬき・・・
そして、美しい里山。
今日8日から信楽では、しがらき陶器まつりが開催され、
全国から陶器ファンが集まってくるという。
私的には、タヌキじゃなく招き猫だったら、
ゆっくりのんびり、陶器まつりを楽しみにやってきていたかもしれないと思った。

「他界している義理の父が、ちょっと愛嬌のある信楽焼きのたぬきに
似ているってよく言ってたよな?」
「『平成たぬきぽんぽこ合戦』映画のタヌキたちが、ここにいそうだ♪」
なんてことを考えながら、足早にたぬきたちの横を通り過ぎていった。

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今回のHPの1部リニューアルは、大阪府福祉基金社会起業家ファンドの
ステップアップ助成の交付によって行う。
2年前の同ファンドのスタートアップ助成で、開発したGCR@SEAN認定講座だが、
インターネットの世界は、日々変化している。
今回増設しても、いずれまたどこかの時点でリニューアルせざるを得ない。
そんなことも視野に入れながら、現状、より充実したHPのありようを
考えながら、今回の1部リニューアルに取りかかることになった。

新しくなったら、みなさんもぜひご訪問を!

第7回たかつきNPO協働フェスタ

心配していたお天気。
朝から昼頃までは曇り空だったので、何とかフリマは開催できた。
いろいろ準備していたこともあって、ちょっとでもやれてよかった!

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今年は管理運営委員長として濱田市長を会場案内した。
SEANの展示の前で、記念撮影にもご一緒していただけた。
高槻市のNPOと行政との協働に向けて、一歩も二歩も進めていただけるよう
アピールさせていただいた。

Web-2011.10.15fesuta.sityou.JPG


SEANの展示の方にも足を止めてくださる方がいた。
大学の先生から、フェスタに行って活動の話を聞いてくるように勧められたといって
SEANの話を聞かせて欲しいと立ち寄ってくださった大学生の方もいた。

関大のボランティアサークルのみなさんも、隣で展示されていたので
話を聞かせてもらった。
高槻市で使用されていない学校の机と椅子を修理して、
東北の学校へ提供する活動をしているという。

この国で、互いを支え合う自発的な取組みが少しずつ、
自然な形で生まれてきていることに頼もしさを感じることができた。

Web-2011.10.15fesuta.tenji.JPG


SEANの取り組みのアピールももう一工夫したいところだけど、
今のところ余力がない。
「新しい公共事業」と事務所の移転を11月に控え、とにかく無事に年が越せるまで
ひと踏ん張りしなくっちゃって思っている。

SEAN事務所移転のおしらせ

いつもお世話になっております。

NPO法人SEANは本日23日、下記住所に移転しました。
〒569-0071 大阪府高槻市城北町1-1-14 太田第二ビル3F  
Tel/Fax 072-669-7411

JR高槻駅前から、阪急高槻市駅前への移転です。

SEANの事務所は3階ですが、1階に居場所&役割づくり
「生きがい工房」を開設します。

「生きがい工房」では、街デイ「元気いっぱいサロン」や
PC教室、あんしん*Cafe等を開催する予定です。

複数の団体と個人の協議体で構成された開設準備会が、
国の「新しい公共」事業の交付を受けて、
「生きがい工房」をオープンさせます。

2012年1月8日には、クロマティックハーモニカの木谷悦子さんの
コンサートをはじめ、みなさんにお披露目の機会を
予定しております。
 
改めてご案内させていただきますので、
一度はお立ち寄りくださいね。
SEAN事務局 遠矢

ジェンダー平等教育を通して見えてくる子どもたちの現状

ここのところ講座が続いている。
事務所の引っ越しや新しい公共事業の取り組みなどで、
かなり疲労感が強い。

それでも、講師の依頼があるうちは1つでも多くの講座をこなして、
ジェンダーの問題点を共有できる人の輪を広げていきたいと思っている。

子どもたちのジェンダーバイアスは思いのほかきつい。

「問題など存在しないし、男女共同参画などは取り組む必要がない。」
という人たちは、子どもたちが今どんな価値観にとらわれているかを
きちんととらえてほしい。

「男は弱くあってはいけない」
「女の子はかわいくがいいんだ」
「そうじゃないと笑われる」
「おとうさんから『男は泣くなって!』いつも言われる」

子どもたちの口から、驚くような言葉が飛び出す。

男の子でも女の子でも、泣いた方がいい時は泣けばいいし
泣かずに踏ん張った方がいいと思う時は泣かずに踏ん張るのがいい。

子ども同士の中にも「え?!お前それでも男か?」という言葉が飛び交う。

そんな現場を見るにつけ、DVを生み出す価値観が
培養されているのではないかと思えてならない。
「男は何が何でも強くなって、女をリードし養わなければならない」
「女はかわいさを磨き、男たちの世話をしなければならない」

生まれたての赤ちゃんには、価値観などは備わっていない。
そのあかちゃんに無用な価値観を植え付けているのは、
他でもない私たち大人社会なのだ。
赤ちゃんの将来を案じながらも、無用な価値観を良かれと思い
植え受けてしまっている現実が悲しい。

たまたま生まれ持った性別によって、その子の持って生まれた存在意義が
否定されることがあってはならない。

わたしの大切なありのままのこころとからだ
あなたの大切なありのままのこころとからだ

それらがお互いに尊重しあえる社会をめざして
とりくみを続け、広げていきたい。

新しい公共「生きがい工房」のオープニング

迎春 あけましておめでとうございます!
 2012年もよろしくお願いいたします。

 昨年11月から、SEANは協議体「『生きがい工房』開設準備会」
の構成団体として「新しい公共事業」に取り組み始めました。

■新しい公共とは
(大阪府HPより http://www.pref.osaka.jp/danjo/koukyou/
 これまでの公共は「公助」として行政がサービスを提供し、市民
がそれを利用してきました。「新しい公共」とは行政が担ってきた
サービスや行政だけでは実施できなかったことを、NPO等が提案
及び提供の主体となり、福祉や教育、子育て、まちづくりなどを
「共助」で取り組む仕組み、体制、活動などをいいます。

■「生きがい工房」開設準備会の取り組み
 多様な人がつどい、支えあうための『生きがい工房』の開設事業
<事業概要>
 性別や年齢、障がいの有無など、対象者によって別々に取り
組まれてきた支援や蓄積してきた経験を、相互に提供しあう中で、
人権(男女共同参画)の視点による課題解決をめざし、地域に
根ざした拠点「生きがい工房」を開設します。
 事業内容については、下記の情報をご確認ください。

 今回の「新しい公共」は、NPO等が行政との協働により実施する
事業です。とは言うものの、財源面では苦労はしますが、実際は
NPOが単独で事業を完結してしまう方が、話も早く簡単に事が
運びます。その上、協働といっても1+1=2と簡単に答えが
出るものでもなく、1つ1つを実施していく中でしか、
互いにできること、補い合えることが見えてきません。
ましてや、協働する意義を理解できなければ、主体的な関わり
さえ生まれてこないのが現実です。

 少子高齢社会の到来で、多様な福祉への必要性は認識され
てはいます。財源や人材、専門性が確保できない現状の中で、
市民・NPO等と行政が信頼関係を結びながら支えあういのちの
通うまちづくりが望まれているわけです。
 今回の開設は、ようやく蒔かれた種でしかありません。
この種を相互に大事に育てていくことそのものが、協働なのだ
と言えます。とりあえず、3月までの事業を成功させることが、
当面の目標です。
 「生きがい工房」は、阪急高槻市駅徒歩3分(高槻市城北町
1?1?14太田第二ビル1F)のところにあります。
 ぜひ、「生きがい工房」に足を運び、「新しい公共」の取り組み
を応援してください。

 みなさんのご参加・ご参画をお待ちしています!

2012.1.6 かえこ


 <講座のご案内>
すべてのお申込み・お問合せはNPO法人SEAN事務局まで
Tel/Fax 072-669-7411 station@nposean.org

◆オープニングイベント 
 時間 14:00?16:00 
 会場 「生きがい工房」1F
 会場ではクッキー等の販売、Cafeなども予定しています。
 参加は無料ですが、継続運営のためのワンコインカンパをお願いします!
◎1/8(日) 
 新春*クロマチックハーモニカコンサート 演奏:木谷悦子さん
◎2/13(月)
 演芸会/落語など 演者:ワッハ会
◎3/26(月)
 読み語りと腹話術 読み語り:風の子文庫 腹話術:パペットエイミー

◆街デイ 元気いっぱいサロン 
 65歳以上の介護保険を利用しない方のための趣味とくつろぎの居場所です。
 開所日 火・木・金 10:00?16:00(祝日は休み)
 料金 昼食代(450円)を含め1日1,000円。(4月以降は1,200円)
 定員 13人
 会場 「生きがい工房」1F

◆テーマ別おしゃべり広場 あんしん*Cafe
 テーマに応じた専門家や仲間を交え、お茶を飲みながら
 おしゃべりするつながりの場
 参加費:800円(茶菓子代込み・要申込み)
 ファシリテーター:遠矢家永子(「生きがい工房」開設準備会代表)
 テーマ1 1/23・2/27「子どもの育ち」
       1/23 竹村淳子(大阪医科大学看護学部准教授)
       2/27 泊祐子(大阪医科大学看護学部教授)
 テーマ2 1/30・3/5「多様なセクシュアリティ」
       佐倉智美
(「性同一性障害の社会学」著者・NPO法人SEAN理事)
 テーマ3 2/6・3/19「ひきこもり」
       石居弘昭(NPO法人日本スローワーク協会スタッフ)

◆パソコン教室
 講師:木全富由美(シニアITアドバイザー1級・ICTマスター)
 会場:「生きがい工房」1F
 パソコン初心者向けの楽しい講座を企画しています。
 事前申込みが必要です。

○大人のためのはじめの一歩支援パソコン教室 
 ?1/18・25・2/1 ?2/29・3/7・14 
 水曜日の13:00?15:00&テータイム 参加費 500円 

○子ども向けパソコン教室
1/21・2/18・3/17 
土曜日の10:00?12:00 参加費200円

◆支援者のためのスキルアップセミナー 
 日曜日 協力費各700円
◎1/29 13:30?16:00 高槻市立総合市民交流センター視聴覚室
いのちの誕生から健やかな老後まで?互いを支えあうしくみづくり?
山本 文子(NPO法人いのちの応援者理事長)
◎2/19 13:30?15:30 高槻市立総合市民交流センター視聴覚室
様々な障害を抱える人の「困り感」を解消するテクニック(技術)と
テクノロジー(道具)岡耕平(滋慶医療科学大学院大学 助教)
◎3/11 13:00?16:30 高槻市立総合市民交流センターイベントホール
基調講演&シンポジウム 社会的弱者と虐待を考える
<基調講演> 
トラウマとそのケア 
元村直靖(大阪医科大学看護学部精神医学教授)
<シンポジウム> みんなでつくろう「新しい公共」
コーディネーター 真継 和子(大阪医科大学看護学部准教授)
課題提供とシンポジニスト 
 遠矢 家永子(NPO法人SEAN事務局長) 
 山田 義昭(社会福祉法人 花の会) 
 石居 弘昭(NPO法人日本スローワーク協会) 
 国広 奈穂子(高槻市高齢福祉課 副主幹)

◆第5期GCR@SEAN認定講座
「次世代の子どもへの大人の責任力!」
子どもの育つ権利を保障するために、ジェンダーの視点・
大人の責任を学ぶ12時間充実の講座

◎2/11(土)・12(日) 9:30?16:30
鳥取会場:米子コンベンションセンター 第2会議室
協力:鳥取県立男女共同参画センター「よりん彩」

◎3/3(土)・4(日) 9:30?16:30
大阪会場:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)中会議室1
共催:財団法人大阪府男女共同参画推進財団 

◎3/24(土)・25(日)9:30?16:30
大阪会場: 箕面市みのお市民活動センター会議室
共催:「障害者とともに」を考える企画グループちまちま工房

☆大阪府福祉基金社会起業家ファンド交付事業
受講料:12,000円 トレーナー:遠矢家永子(NPO法人SEAN GCR総括責任者)

☆NPO法人SEAN事務局☆ 
遠矢・中村・内田*事務所は下記へ移転しました。
〒569-0071大阪府高槻市城北町1-1-14太田第二ビル3F 
Tel/Fax 072-669-7411 station@npo-sean.org  http://www.npo-sean.org

満員御礼!「生きがい工房」オープニングイベント 新春*クロマチックハーモニカコンサート

 

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「生きがい工房」オープニングイベント
新春*クロマチックハーモニカコンサート

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居場所と役割づくりをめざす「生きがい工房」

市職員の方々や、いつもお世話になっている
みなさんから6つもお花が届き、華やかな幕開けとなりました。

事前に、議員のみなさん全員に、案内のパンフレットをお配りしていたこともあって、
国会議員の辻元さん、府会議員の吉田保蔵さん、市会議員の岡井さんたちが
駆けつけてくださいました。

スタッフも入れれば71名もの参加。

市外から駆けつけてくださった方や、
ずっとSEANを応援してくださっている方々、
そして木全さんがいつもパソコンを教えている生徒さんたちと
木谷さんのファンのみなさん、
そして、NPOのお仲間のみなさん。

5歳の男の子から99歳だとおっしゃった方まで、
多彩な顔ぶれの集まりで、とってもいい感じでした。

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木谷さんの生の演奏でこころが癒され、
日本スローワーク協会のワインとオードブルでほっこりし、
花の会のクッキーのおみやげも買って大満足でした。

販売してくださった若いみなさんが彩りを添えてくれましたし、
市職員や学校教員の方のお顔もみえました。

SEANも手作りアクセサリーやバザー商品の販売で、
少し資金を稼ぐことができました。

運営維持のためのカンパ箱にもたくさんご協力いただき
ありがとうございました。


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最後は、「見上げてごらん夜の星を」「上を向いて歩こう」を
木谷さんのハーモニカと合わせて、合唱してプログラムを終了しました。

本日、ご参加いただいたみなさん、
お心遣いいただいたみなさん、
心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました!!

これから3月末まで、イベントが続きます。

みなさん、ぜひ一度お立ち寄りくださいね^^

生きがい工房「元気いっぱいサロン」の1日目です

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65歳以上の介護保険を利用していない方のための趣味とくつろぎの居場所。
利用される方は火曜・木曜・水曜の週1回、午前10時から午後4時まで
介護予防プログラムとくつろぎタイムをお過ごしいただけます。

本日は第1回目でした。

認知症予防パソコン教室や運動器機能向上や口腔ケアなど、
利用者の皆さんと共に作り上げていく場です。

お昼は、社会福祉法人花の会「たんぽぽ亭」の手づくり弁当を食べます。

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本日のメニューは、
A.鳥のごま揚げ 
B.国産豚の和風しょうゆ炒め 
C.日替わりミックスフライでした。
おいしかった?。

利用料は昼食代(450円)を含め1日1200円ですが、3月までは1日1000円で利用できます。

定員は13名、事前申込みが要ります。

お申込は、「生きがい工房」事務局NPO法人SEAN(シーン)まで
高槻市にお住まいの方は、ぜひご近所の方、ご家族の方にお声かけくださいね。 
Tel/Fax 072-669-7411 station@npo-sean.org

2/11・12 第5期GCR@SEAN 鳥取会場 無事終了!

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 2011年度大阪府福祉基金社会起業家ファンドのステップアップ助成事業として、

他団体の協力のもと、高槻市以外の会場でのGCR@SEAN認定講座を開催する

運びとなり、鳥取会場はその第1回目の会場でした。

  鳥取県在住の2010年第2期修了生の川上さん、河崎さん、第3期修了生の繁原さん

の協力、また鳥取県男女共同参画センター「よりん彩」の協力のもとの開催です。

予定目標の12名の参加者を声かけによって集めてくださり、本当に心強い限りでした。

Web-GCR第5期米子ワーク?.JPG

  前泊で鳥取に向う特急やくもから見える景色は大雪で、すべって歩けないのでは

ないかと 心配しましたが、鳥取市の大雪とは打って変わって、米子市の方は歩道の雪

心配するほどのことはない状態でやれやれでした。

 ↓ まみた&しげちゃんのStep3のロールプレイ♪ ご協力に感謝!

Web-GCR第5期米子ロールプレイ.JPG

 

 ジェンダー視点で「子どもの人権」を守っていくための責任力。

たくさんの人とこの概念を共有し、子どもたちの未来から「暴力」を根絶したい。

その種を蒔くために取り組んだ新たな試みのなかで、仲間がいてくれることの

安心と心強さをここでも体験することができました。

 

第5期GCR米5か条.JPG

 ↑ 毎回、そこに参加する人たちと作り上げる5か条。

今回も一味違った内容にまとまりました。

 第5期は、これから2会場で開催されます。

まだ、間に合いますので、たくさんのご参加を お待ちしています。

 

◎大阪会場 3/3(土)・3/4(日) 9:30-16:30

 ドーンセンター 中会議室1

 共催:財団法人大阪府男女共同参画推進財団

◎大阪箕面会場 3/24(土)・25(日) 9:30-16:30

 箕面市立みのお市民活動センター 会議室

 共催:「障害者とともに」を考える企画グループちまちま工房

 後援:市民活動フォーラムみのお

 

★お申込み・お問合せは、SEAN(072)669-7411まで

 

近況報告(高槻まつりのご案内)

みなさまへ 

すっかりご無沙汰しております^^

 最近は、フェイスブックやツイッターの方に情報配信が移行しており、 
HPブログ更新やML配信がなかなかできない状態になっております。
 もし、よろしければ、そちらの方でもつながっていただけると嬉しいです。
 登録はどちらも「遠矢家永子」の実名を使っております。 

さて、毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか? 

昨日は、毎金曜日に関電前で開催されている 再稼働反対デモに
事務局の中村さんと一緒に参加してきました。
 私は今回で2回目ですが、少しずつ人は増えているようです。 
こんなことを続けてなんになるのかと自問自答しながらも、 
後で何もしなかったことに後悔したくないとの思いで、 行けるときは行きたいと思っています。

 4日・5日は恒例の高槻まつりで、4時から9時30分まで高槻市役所周辺でやっております。

SEANは今年もからあげ・ポテト・ビール・ソフトドリンク・ おもちゃくじで出店します。
桃園小学校内のステージ向かって、左側のテントの手前から 2つめです。 

昨年「新しい公共事業」で居場所と役割づくりの「生きがい工房」を 創設し、
今年からSEANの管理下となったことで、 企画の幅は広がったのですが、
維持財源の確保に頭を痛めております。
恒例のお祭りではありますが、運営維持にとっては重要な資金稼ぎです。
お近くの方は、ぜひ、遊びに来てくださいね^^ 
飲み物を冷やす氷の差し入れなどしていただけるとうれしいです。 
また、販売員のボランティアも常に募集しています。

では、まだまだ暑い日が続きます。 
熱中症対策も万全に、夏を謳歌いたしましょう?。
阪急高槻市駅前の新しい事務所に来られたことがない方は、 ぜひ一度お立ち寄りくださいませ。

NPO法人SEAN 
遠矢 家永子

パパのためのベビーマッサージ講習

 2012年8月19日 5組のパパとママとベビーの参加で、パパのためのベビーマッサージ講習を行いました。講師は東淀川でマッサージ教室を主宰しておられる石居富佐子さんです。

 パパもママもベビーも笑顔いっぱい。たのしい時間を過ごすことができました。

 ベビー期は、人生の中でほんの一時。そのかけがえのない時を、パパもママも一緒になって、たくさんふれあえたらいいな。


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終了!幼少期からの(DVD教材を活用した)デートDV実践者養成講座

9月29日(土) 9:30?16:30
幼少期からの(DVD教材を活用した)デートDV実践者養成講座

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徳島・三重など、遠方から、それぞれの目的でこの講座を受講されました。

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SEANでは2002年から、「ジェンダーと暴力」をテーマに出前授業を実施してきており、
この教材は、本来はデートDV予防教育の教材としてではなく、
人権(ジェンダー平等)教育として作成したものです。
ちなみに、DVD教材はパナソクニックの協力で、
冊子教材は近畿ろうきんNPOアワードで作成しています。

その教材を、なぜ今、「デートDV予防教育」として実施しているのか。

一つは、どのテーマ設定であっても基本は同じだからです。

人のいのちには、条件なしで存在価値がある。
わたしのココロとカラダを大切にするように、
おともだちや大切な人のココロとカラダを大切にしよう。
互いの違いで対立が生まれても、支配や暴力以外の方法で関係性を築こう。
自分で選んだわけではない性別で、誰かから支配されたり、
誰かを支配してはいけない。

わたしのココロで感じていることにフタをしないで、しっかり感じとって、
その感情をもとに、自分のこれからの行動を自分で選ぼう。

もう一つは、小学生・中学生2年生くらいまでは、「恋愛」への興味には
個人差があり、あえて、この時期に「恋愛」についてを教える必要性を
感じないからです。

前に、授業で出会った中学1年生の男子がこう言ってました。
「俺ら、『エロい』より、『グロい』方がすきや」って。
その子たちとは休み時間、「バイオハザード」の映画の話しで盛り上がりました。
興味がなければ、どんな話をしても、残念ながらココロには届かないからです。

まずは、自分のココロでしっかり感じること。
そこに性別規範は必要ない。
そして、自分で行動を選び、評価も失敗も自分で責任をとることのすばらしさを
子どもたちに伝えていきたい。

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SEANの教材は、どなたにでも使っていただけます。
この教材をくふうして、自由に使っていただくことで、「ジェンダーと暴力」の問題について
みんなで学んでいってもらえたらと願います。

いま、2件ほど、他地域で養成講座を開催できないかとの問い合わせがあります。

GCR@SEAN認定講座の方はすでに、共催方法は提示していますが、
こちらの実践者養成講座の方も、予算や条件などこれから具体的に
検討していければと思っています。

2012年の年末に思うこと

(2012.11.27)

  2012年の年末に思うこと

 昨年11月に事務所を移転して、はや1年が経ちました。
この年末に衆議院選挙の日程が、急きょ決まってしまい、
慌ただしい2012年の年末となりました。
多くの問題を抱えたままの福島原発や被災地の人々への対応、
ワーキングプアなどの貧困問題を置き去りにし、その問題を
むしろ忘れさせようとするかのごとく、原発推進や軍国化へと
争点のすりかえが行われており、一有権者としてしっかり
しなければと思う今日この頃です。

 さて、今年は出張のグループ保育依頼が多く、SEANサポート
部門「とんがらし」「くれよん」が大活躍の1年でした。
子育て支援関係のNPOの多くは親子(多くは母子)が集う
「つどい事業」が主流となり、また自宅でのベビーシッターや
送迎等は、ファミリーサポート事業や時間預託系のNPOがある
ものの、グループ保育等を担えるNPOが減っているからでは
ないかと推測されます。その上で、「とんがらし」の16年に及ぶ
実績により、多くの信頼を得てきたからなのだと自負しています。

 今年の4月からオープンした高槻市街かどデイハウス「元気
いっぱいサロン」は、まだまだ知名度は低く、利用者の拡大を
めざしている状況ではありますが、SEANの柱となる3事業の
1つとして週3回パソコンをつかった脳の体操や腹話術や編み物
など、たのしい居場所つくりになっています。

 教育部門「G-Free」の方は、高槻市サポセンの協働応援事業
の助成を受け、高槻市内の小学校7校でDVDを活用した
(デート)DV予防教育を12月より実施します。
幼少期からの(デート)DV予防教育に関する啓発講座の依頼も
増えており、今年は北海道や宮崎県からもお招きいただき、
これまでの取り組みが地域をこえて確実につながっていっている
ことを実感する1年でした。

 昨年度、新しい公共事業としてオープンした役割と居場所づくり
の拠点施設「生きがい工房」では、先に記した「元気いっぱいサロン」
やパソコン教室のほかに、5月にはジャズストリートの演奏会場
として、また「ジェンダー入門講座」「パパのためのベビーマッサージ
講習」などの主催事業も開催しています。
 今年度立ち上げに失敗した小学生を対象とした居場所づくりも、
なんとか来年度は実現したいと思っているところです。

 これからめざすは、他団体・他機関とのパートナーシップ。
ご一緒できる事がありましたら、まずはお声かけくださいね。

 年末年始、慌ただしい中でもまだまだ事業が続きます。
関心のある方はぜひご参加ください。
                           かえこ


<これからの取り組み>

1)「教育は子どもを救えるか!??3歳から始めるデートDV予防
11/29(木)18:30?21:00 
?恋愛に潜む支配関係 イダヒロユキ
?対談 DV関係は「男/女」では割り切れない 
 黒田綾&佐倉智美
?3歳から伝えたい「大切なココロとカラダ」
 ‐SEANのデートDV予防教育の実践から‐遠矢家永子

ドーンセンター4F第3会場。
参加500円。
保育300円要申込み(シーン:072-669-7411)
AIBO大阪ええじゃないか企画

2)ママのための おしゃべりサロン
 子どもと離れてわたしを語ろう♪

12/3・10 月曜日 10時?12時
会場 生きがい工房(阪急高槻市徒歩3分)
参加 非会員700円  会員600円
保育 1人目1000円 2人目800円
    KIDSステーションでお預かりします

3)<子育て支援サポーター養成講座>
個性に応じた子どもへの関わり方
‐違いを活かし合うコミュニケーション力?
星野さんには東京からお越しいただきます。
関西のみなさんはこの機会にどうぞ!!

?社会が必要とするNPO・支援者の役割とは 遠矢家永子
?個性に応じた子ども・保護者との関わり方 星野優美子
?ワークショップ 経験を通して考えよう! 遠矢家永子

主催 NPO法人SEAN
    財団法人こども未来財団

*同じ内容を2会場でやります!
12/8(土)高槻市立総合市民交流センター4F4F第4会議室
12/9(日)東大阪市立市民会館4F第4会議室
参加無料
各 10:00?16:30


4)2012年度 追加開催決定!
実践者養成 集中講座
すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育
《未就学児・小学生からのデートDV予防教育として実践中》

2013年 2/9(土)9:30?16:30
会場:生きがい工房(阪急高槻市から3分)
受講料 15,000円(冊子教材・ライセンス付きDVD教材費含む)
定員 10名程度

★どの講座も要申込み、下記までお申込みください。
 NPO法人SEAN(シーン)
 tel/fax 072-669-7411 statin@npo-sean.org

無事終了!! 「教育は子どもを救えるか!? 3歳からのデートDV予防」

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11月29日(木)18:30?21:20 
AIBO 大阪ええじゃないか企画
教育は子どもを救えるか?! 3歳からのデートDV予防

平日の夜、参加してくださる方がいるのか心配でしたが、
32人の参加がありました。

伊田さん「デートDVは成長を阻害するもの」
佐倉さん「『従属すべきもの』が言うことを聞かなかったらキレるのはあたりまえ」
黒田さん「男をやめたら軽くなった」
遠矢「親子間に支配構造があれば、子どもはそこから関係性を学習してしまう」
などなど。

イベントの内容はユーストリームで視聴できます。

ぜひ、見てくださいね。

ちなみに、わかものから懇親会をやってほしいと言われて、
ここぞとばかりにその場で参加者募って居酒屋へ。

最初は10名、最終8名で終電までウダウダしてました?。
言い出しっぺの若者は奈良まで帰る電車がなくなってしまい、
友だちんちに泊めてもらうと言っておったとか、
ほんま、責任感じるわ@@

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次世代の子どもへの大人の責任について 今日からできる10のこと

SEAN理事会で考えました。

やってみましょー、ご一緒に!!

 

「大阪ええじゃないか」

次世代の子どもへの大人の責任について、今日からできる10のこと

 

1.自分が子どもだったことを思い出し、子どもの話をとにかく聴く

 

2.一日に一回 子どもと ほたえる

 *ほたえる...ふざける。じゃれる。たわむれるという意味の「関西弁」

 

3.子どもに 違う世界があることを 伝える

 

4.「子どもの権利条約」を 子どもと読む

 

5.愛することを見せる

 

6.わたしがまず 活き活き生きる

 

7.女男だけじゃない ジェンダー視点を身につける

 

8.正義に迷ったら こころの声を聴く

 

9.権力関係に 敏感になる

 

10.戦争を繰り返さないために 政治に関心を持ち 選挙に行く

「なんで、男は男らしく、女は女らしくなっちゃうんですか?」子どもたちの素朴な質問に答えて。。

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年末は小学校4校にて、DVD教材活用の「デートDV予防教育」を実施しました。

クラスごとでの実施が基本ですが、1校については学年ごとや2学年合同での実施となりました。

クラス単位で実施した3年生のクラスでこんなことがありました。
子どもたちが私たちスタッフと、個別に話ができる時間を設けていただいたのですが、
あるクラスでは私たちに質問したいという子どもが3人出てきました。

それで、担任の先生の配慮で、次の授業時間を少し使って、『ようこそ課外授業』のような
時間をつくってもらうことができました。

<質問1>
女子「男の子は外遊び、女の子は教室での内遊びとか、
   なんで、男は男らしく、女は女らしくなっちゃうんですか?」
私 「なんでだと思う?」
女子「う?ん。わかりません」
私 「おもちゃのカタログとか見たことあるかな?」
みんな「ある!」
私 「女の子向けとか、男の子向けとか描いてあるでしょ」
みんな「ある」
私 「女の子は男の子向けから選ばせてもらえなかったり、
   男の子向けから選ばせてもらえなかったりするよね」
   世の中には、そうやって決めつけられることがいっぱいあるからだよ。
   からだの違いだって言う人もいるけど、からだそのものも男や女の
   2つにきっちり分けられるわけでないんだよ。」

<質問2>
女子 「私ならお兄ちゃんにやられたら、そのお兄ちゃんにやり返すけど、
    なんでさっきのDVDの中に出てきたように、他の人に気持ちをぶつけて
    八つ当たりする人がいるんですか?」
私  「なんでだと思う?」
男子 「最初に暴力振るった人の顔を観たくないから」
私  「そういうこともあるかもしれないね。
    他にはね、やられた人が年上だとか体が大きいとかで勝てないと思っても、
    嫌な気持ちは消えないから、弱そうな人、はむかってこない人に
    その嫌な気持ち向けるんじゃないのかな」
女子 「なぐってすっきりするのかな」
私   「みんなは誰かを殴って、その相手が悲しんだり、怒ったりしたら、気持ちがすっきりする?」
みんな「しない」
私   「しないよね。だから、きっと、そうやって人に暴力をふるう人は、他にとてもいやなことがあってね、
     それをごまかすために、他の人に気持ちをぶつけちゃうんじゃないのかな」

<質問3>
男子 「もし、嫌なことがあって、家に引きこもって学校に来れなくなったらどうしたらいいんですか?」
私  「どうしたらいいかな?」
みんな「誰かに話したらいい」
男子 「でも話せなかったら」
私  「学校にいけなかったら、転校したっていいんだよ」
他の男子「自分一人のために家族に迷惑かけたくない」
私  「一人の人が困っているのにほっとおけるのは家族じゃないよ。
   もし、家族がダメでも先生とか、お友だちとかいるでしょ。
   先生も担任の先生だけじゃなくって、養護の先生とか、校長先生とかもいるよ」
男子「それでもいなかったら。。。」
私  「じゃぁ、あなたはもしお友だちに相談されたらどうする?」
男子「相談にのってあげる」
私  「あなたと同じ考えの人は周りにいっぱいいると思うよ。
    みんなはたいせつないのち。こころとからだをもっているんだよ。
    『助けて』って勇気を出して言ってみたら、きっと助けてくれる人に出会えるよ」
質問した男の子は笑顔になってくれました。

先生も一緒になって、この授業にとりくもうとしてくださった学校です。
きっと、この後も暴力とジェンダーの問題にきちんと取り組んでくださるはずです。

DVをはじめとする暴力の連鎖を予防するために、来年もこのDVD教材を普及していきたいと思います。

2013年2月9日(土) 9:30?16:30 会場「生きがい工房」(阪急高槻市徒歩3分)
実践者養成集中講座 すぐに活用できる教材を活用した3歳からのデートDV予防教育
受講料 15,000円(DVD・冊子教材費こみ)

2月23日・3月2日 各土曜日 9:30?16:30 会場「生きがい工房」
GCR@SEAN認定講座
受講料 12,000円(認定料含み)

どちらも定員10名 要申込み(station@npo-sean.org ・tel072-669-7411) 

出前授業に実践から-小さな時から学ぶ民主主義

小学校で実施しているDVDを使った授業の最後には、
子どもたち全員に感じたこと、考えたことを
発表してもらうようにしています。

・感じていることに「正解」や「間違い」はないこと。
だから自信をもって発言してもいいということ。

・自分の考えを言語化し意識化することの必要性を体験すること。

・異なる感じ方や考え方があることを知ること。

子どもたちにしっかりそれらを体感してもらいたいからです。

その発表順も子どもたちの話し合いで決めます。

「あっちの端から横に順番に」
「こっちの端からがいい」
「ジグザグで」
「出席番号順がいい」
「じゃんけんしたらいいやん」
「多数決がいい」
「話したいもん順がいい」

口々に意見が出され、ある時は収拾がつかなくなり、
「じゃぁ、かえっこさん(私)が指名した人に決めてもらうっていうのはどう?」
って提案して、その人に決めてもらったこともありました。
そんなふうに決まっても、自分たちで決めたことに不平不満の言葉はでてきません。

先生が仕切ってしまうこともあります。
「○○(名前)さん。あなたが一番に言いなさい。
次は手を挙げた人から、いつも通りにやれるでしょ!」

それは見事なくらい、きちんと発言がなされていくのですが、
教育の名の下で行われるそういうやり方を、私は最も危惧します。
子どもたちが自分で考え、自分たちで民主的に決めていくやり方を
学べなくしてしまうからです。

ある時、一人の女の子の意見で教室のみんなが合意した瞬間がありました。
「最初に言いたい人もいるし、後からゆっくり言いたい人もいるから、
言いたいもん順で手を挙げて言うのがいいと思います。」
違いを尊重し合うことが良いという彼女の意見に、
一瞬でみんなが納得した瞬間でした。
こんなすごいやりとりが小学3年生で行われるのです。

先生が口を挟んだ前者も、女の子が発言した後者も、結果は同じです。

でも、そのプロセスでの学びは大きく違っています。

いつも実感すること。
時間をかければ、子どもたちは自分で考え、
決めていくだけの力を本来持っているということ。

それに光をあて、エンパワメント(持っている力を発揮できること)していくことが
教育なんだと、それを私たち大人が理解すること、
実践することを来年もめざしていきます。

2013.2.9 2012年度冬季 教材活用ジェンダー平等教育(デートDV予防教育)実践者養成講座

2012年度冬季 教材活用ジェンダー平等教育(デートDV予防教育)実践者養成講座
2013年2月9日(土) 9:30?16:30 於:生きがい工房(阪急高槻市から徒歩3分)
受講修了生14人(スタッフ4名+1名)

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実践者養成講座は毎年1回開催し、2012年度は9月に1度開催しています。

その後、9月に日程調整が継がず参加できなかった受講希望者と、
実践場所が確保されており何とか年内に同グループのメンバーが受講できる日程で
開催できないかという開催希望の声を受け、急きょ開催する運びとなった養成講座でした。

その後、参加申込が増え、スタッフも含めると19名となり、
会場となった「生きがい工房」の許容人数としては所狭しという人数での開催となりました。

参加は広島や鳥取、福知山など、遠方からの受講も多く、
名刺交換、情報交換の場にもなっています。

2012年度、SEANは小学校を中心にたくさん出前授業を実施してきました。
子どもたちとのやり取りの中で、もうすでに着込んでいるジェンダーを見聞きするにつけ、
このプログラムの必要性や有効性への思いを強めてきています。

幸いにして、このプログラムを活用してくれるグループやメンバーは、じわりじわりと
地域をこえ広がりつつあります。

世の中の主流は、男女共同参画とは逆行する流れではあるが、
地域からこのプログラムを通して流れを変えていきたいと心底思っています。

否、変えていけるものと信じて、さらなる普及に努めたいと思います。

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おもちゃ&大型絵本であそぼう!(協働プラザ 市民と行政との協働応援事業2013)

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参加 親子5組(子ども8名)

おもちゃの取り合いをしていて、ケンカし始めた男の子二人。

私「そうか、二人ともこの電車のおもちゃがいいねんな」
Aちゃん・Bちゃん「うん」
私「こっちにも同じようなのがあるよ」

Aちゃん「この電車には窓があるけど、こっちには窓がないねん。
    これはここから乗るようになっているから、これがいいねん」

私「そうか。よく知ってるね。かしこいなぁ」
Bちゃん「かしこいな?^^」

そこから二人は取り合いせずに遊び始めました。
Bちゃんは、何でもよく知っているAちゃんに対して、
尊敬の念が芽生えたようでした。

頭ごなしの「貸してあげなさい!」は、子どもたちに理不尽なだけで
効果的ではないことがよくわかった一瞬でした。

子どもたちは自分で納得できる力を持っているんですね。

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「公的な子育て支援センターは、日曜日は空いてない。
 夫は土日は休みじゃないから、利用できないのはつらい。
 それに、未就学児以上のこどもは連れて入れないから、
 特に夏休みなんかは上の子だけを置いていくわけにもいかず
 利用できない。」
「支援センターではおもちゃで遊ばなかったけど、ここでは
 遊んでいるので来てよかったです!」
「スタッフの方に話も聴いてもらえたし、少しホッとしました。」

親御さんから上記のような声も聞かれました。

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同時に阿武野高校のあぶねっとの高校2年生が二人、
ボランティア体験をしに来てくれ、
高槻まつりの準備の紙コップつくりも手伝ってくれました。

印象に残ったことは、子どもと遊んだことと、
レクチャーで多様なセクシュアリティやジェンダーの話を聞けたことと
話してくれました。

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最後に恒例の記念撮影をして終了しました!

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ジェンダー平等教育実践者を増やしたい!つながりたい!

1999年男女共同参画社会基本法が施行されやうやく運動が実り始めた矢先、
ジェンダーバッシングが起こって、性教育やジェンダー平等教育がつぶされました。
それをあざ笑うかのようにネットの普及を後押しに、
ジェンダー規範や性の商品化に拍車がかかってきています。

テレビなどのメディアによって、性別規範や性別価値が子どもたちの育ちにも
大きく入り込み、生きづらさや格差を生み出していることを
日々の活動を通して実感しています。

今年に入って無力感にさいなまれることも多くなっていますが、
なんとかここで踏みとどまって、子どもたちに性別ではなく
ありのままの自分を肯定し存在意義を確信できる力を育てたい、
そしてそれを実践する仲間を増やし、つながっていきたいと思います。

毎年実施している実践者養成講座を下記のとおり開催します。
直前ではありますが、ぜひ、ご参加・お声かけをお願いします。

<開催告知>
実践者養成 集中講座
すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育
《未就学児・小学生からのデートDV予防教育として好評実践中》

*受講後に修了証が授与されます。教材は自由に使用できます。

9/28(土) 9:30ー16:30
受講料 15,000円(上映権付DVD&冊子教材費込)

会場:生きがい工房(阪急高槻市駅徒歩5分)

トレーナー 遠矢家永子(NPO法人SEAN 教育部門「G-Free」代表)
「G-Free」では2002年に中学生向け人権教育プログラムを開発し、
未就学児から大学生まで約15,000人の子どもたちに出前授業を提供してきた。
モットーは「誰もがありのままを認められ活かされる社会の実現」

お申し込みは 
station@npo-sean.org
tel/fax 072-669-7411

10/19 第9回たかつきNPO協働フェスタが無事終了しました!

まずは、前日の準備風景から?。

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2013年10月19日(土)10時?3時
於:高槻市立生涯学習センター展示ホール

高槻市と高槻市市民公益活動サポートセンター主催、たかつきNPO協働フェスタは
今年で9回目の開催となりました。
雨でフリーマーケットは中止になったもののたくさんの人で賑わいました。

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今年はパニダさんのタイ舞踊で幕を開けました。

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濱田市長とパニダさんたちと一緒にハイポーズ。

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会場に来られていた辻元清美議員と濱田市長と一緒にガッツポーズで。
高槻を日本一NPOが元気なまちにしたいな!!

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エンディングセンターによる入棺体験。
この写真は私じゃないけど、私も入棺体験しました。
ダンボールでできた本物の棺に、1分間ふたを閉めて瞑想。
篠笛の生演奏。
ちょっとドキドキしましたけど、頭に浮かんだのは
「良い人生だったな・・・」って気持ち。

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入棺体験したみなさん・エンディングセンターと篠笛を演奏してくださったみなさんと一緒に。

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年々見本市エリアの掲示物は賑やかでいい感じに。
参加団体の数も増えてきています。
フジワーク基金の清水さんとお嬢さんたちと一緒に。

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今年のステージは、NPOに関わる若手のみなさんが集まる未来クルが担当してくれました。
3Aやディスコン、大型紙芝居、マジックショーetc.で賑わいました。

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市役所周辺にはたかつきふれあいひろばが同時開催。
福祉団体等が店を並べていたので、少しお買い物をしました。

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4時からの交流会では、関西大学のKUMCのみなさんも残ってくださり、新たなつながりが生まれました。

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私は、第1回からこのたかつきNPO協働フェスタの企画に携わってきました。
毎年、毎年みんなで議論を重ねての開催です。
今年も行政から4課がブースを出展し、市民と行政との協働応援事業の掲示物にも一緒に
関わってもらっており、行政職員参加率は年々上がってきています。
行政職員(しかも複数の担当部局が参加)と市民がいっしょになってつくりあげてきたフェスタ。
たぶん、そんなフェスタはあまりないのではないかと自負しております。

来年は第10回目。
終了後の交流会では、来年の10回目に思いをはせて終了しました。

第30回日本女性会議 男女共同参画2013あなんの第3分科会のコーディネーターを務めさせていただきました!

2013年10月11日?13日
第30回日本女性会議 男女共同参画2013あなん

今回初めて<男女共同参画>という言葉が入りました。
その言葉を導入した思い通り、男性たちがたくさん参画されておられました。

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私は子どもの分科会でコーディネーターを務めさせていただきました。
第30回となる大きな大会のコーディネーターとしてお声かけいただき、
私を起用するために、一生懸命みなさんを説得してくださったCAPとくしまの
阿部さんには本当に感謝し、その期待に添わないとと奮闘しました。

まずは50分の基調講演。

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パネルディスカッションのメンバーの堀江さん、服部さん、本浄さんと阿部さんとで記念撮影。
午後からの分科会でしたが、午前中からずっと皆さんと話し込み、いろんな意味で意気投合しました。
男女、20代・30代・50代・70代といった老いも若きも、子育て前・中・後、といったバラエティのある
今回の阿部さんの人選がとても意味深い。
「何年か先にこのメンバーで集まりたいね」と、終了後に阿部さんと話をしました。
「イクメン」代表の服部さんはさわやかで素直な4児のパパ、
「イクジイ」代表の本淨さんは一本筋の通ったステキな方で、
打合せでは政治の話にまで及びました。
本番でその話ができる時間がなかったのが本当に残念でした。
ちなみに、本浄さんはこの日ドラえもん柄のネクタイを締めておられました。

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私の娘くらいの年齢の堀江さんとは、同じホテルで、朝食と露天ぶろまでご一緒しました。
これから社会でどんどん活躍するだろう彼女の思いや行動力には、圧倒されるばかりでした。
次の時代を築く、若い彼女たちに頼もしさを感じました。
このまま男性社会につぶされることなく、羽ばたいていってほしいと心から願います。

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運営委員のみなさんの思いで、今回は会場参加者のみなさんにも参加いただけるものをということで、
付箋紙に「これから自分ができること」を書いて貼ってもらいました。
予想以上にたくさんの思いを書いていただけて、関係者一同喜んだ次第です。

子育てを母親だけに押し付ける時代は終わりにしたい。
次世代に責任を持つ大人たちが増えていく、少しでもきっかけになれたとしたらうれしいです。

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来年は札幌、再来年は倉敷。
来年の札幌開催に向けてのPRブースでも記念撮影。
きっと盛大な大会になるでしょう。

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徳島のすだちちゃんといっしょにハイポーズ。

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閉会時に壇上に上がられた運営サイドのみなさんです。
小さなまちだからやれなかったこともあったかもしれませんが、
小さいまちだからこそやれたことがたくさんあった記念すべき30回の日本女性会議だったと思います。
皆さんを引っ張って頑張られた渡辺実行委員長をはじめとするスタッフのみなさん、
過労で2日目にダウンしてしまわれた阿南市長
本当におつかれさまでした!

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第1分科会 男女で向き合う「老後の楽園」のコーディネータの春日キスヨ さん、
第9分科会 DV のない地域づくり?男たちの挑戦?の市場恵子 さんと市場尚文さん
宿泊ホテルがご一緒になり大先輩方ともお話ができ、幸せいっぱいでした。

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徳島を満喫する最終日のエクスカーションにも参加しました。
以前に大変お世話になった阪南の中西さんたちとご一緒になり、大自然の中で
楽しいひと時を過ごすことができました。

当日は町の秋祭りが開催されていて、お得感満載。
女性たちが担ぐチョーサ(太鼓屋台)もあったのでそれもうれしかった。
この後チョーサを担いだまま海に入っていく珍しいお祭りです。

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台風が来る前で、好天に恵まれ、南阿波海岸の透き通った海と壮大な景観とウミガメに癒されました。
阿波踊り体験や他地域の人たちの新たな出会いも生まれ、充実した3日間を過ごさせていただきました。

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全国的に知名度があるわけでもない私を起用してくださった阿南のみなさん。
たくさんのおもてなしもいただき本当にありがとうございました。

このご縁を今後も大事にしていきたいと切に願っております。

8/31・9/1 「次世代の子どもへのおとなの責任力」第8期GCR@SEAN認定講座が開催されました!

「次世代の子どもへのおとなの責任力」
第8期GCR@SEAN認定講座
2013年8月31日(土)・9月1日(日)
於:イコーラム(東大阪市立男女共同参画センター)

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2日間12時間の講座。
徹底的にみんなで話し合います。
まずはルールづくりから。

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子どもの育ちの中に入り込むジェンダー規範。
その問題性を共有します。
今回はイコーラムの子ども室で保育を受け持っているSEANくれよんのメンバーが参加しています。
また、8月22日?24日のヌエックでベビーダンスのワークショップを実施していた田中さんが、
このチラシを手に取ったということで東京から参加。
北野病院や八尾カラリンのメンバーの参加もあり、子どもの育ちとジェンダーについての考えを
広げていってくれることを期待しています。

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使い倒した頭を最後にさらにフル回転して、5か条を作成します。
毎回、少し違うニュアンスでまとまるのがおもしろい。

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1日目だけですがボランティア体験で参加した大阪経済大学のはるかさん。
この日が最後の体験日。
おつかれさまでした!!

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今年のGCRはこの後11月に北九州市で、12月には岡山県笠岡市で
他団体との共催で開催されます。

(遅ればせながら)9/28(土) 実践者養成 集中講座 すぐに使える教材を使ったジェンダー平等教育の報告 

9月28日 実践者養成 集中講座
幼小プログラム修了生4人、小学校プログラム修了生1人

毎度のことながら、受講されたのは今回も各地域で活躍されている面々でした。

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小学校ではDVD教材、幼稚園・保育所では冊子教材を
活用したデートDV予防教育プログラムをSEANでは普及しており、
その実践者を養成するために実施している講座です。

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「女に期待されること」「男に期待されること」をいつものように考えた後。
では、「キャバ嬢に期待されること」「ホストに期待されること」は?

「キャバクラって、お金払って『セクハラ』できるとこじゃないのかな」
な?んて話も出て、「ん??なるほど!」といった会話が交わされました。

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「男の子は強く、弱音を吐かず、負けずに、戦い
 女の子はかわいく、行儀よく、誰もに好かれろ」

それらのジェンダーによって、自分を追い詰め、他者を追い詰め、
主従関係・支配構造を容認してしまう。

ありのままの私を大切にし、ありのままの他者を認める。

そんな関係が築けたら、DVなど起こることはない。
小さなころからそんな関係を築くための授業が受けられるよう、
これからも実践者の養成を行っていきたいと思います。

SEAN主催 大阪自由大学後援 「釜ヶ崎デイズ」で集いました?♪ 


釜ヶ崎と女性をテーマにした企画をこの北摂でやりたい!
会員のにゃきちゃんの持ち込み企画。

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いろいろ大変な感じの釜ヶ崎だけど、なんかみなさんこのまちを愛しておられる。。。

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まっちゃんは子ども時代を、おかあちゃんとこのまちで暮らした。
子どもを抱えて生きるのに、必死なおかあちゃんの話はなんだか切ない。
「子どもまで巻き込んでそれはアカンやろ」というようなエピソードだって、
そうでもしないと生き抜けない。
そんな人間くささがこのまちには残っている。

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「私は生まれも育ちも大阪ではない」とどこか控えめな上田かなよさん(ココルーム代表)。
彼女自身もおっちゃんたちから何かをもらってるんだろうなって思う。

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おじょ?ちゃんが大ハッスルで、最初から最後まで和やかな雰囲気の中トークセッションが終了。。

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私はおじょ?ちゃんから遊び相手にご指名をうけつつ、コーディネートもそこそこで、
あっという間の2時間半が終了しちゃいました。

終了後の交流会でも、「釜ツアーをやろう!」と盛り上がったとか。
ここからまた、何かの形でつながっていけるのだ。

11/3~4 GCR@SEAN認定 ひびきの親子あそび研究会&SEAN 13名が受講しました!

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2013年11月3日(日)?4日(月)
GCR@SEAN認定講座 in 北九州市
協働開催 SEAN・ひびきの親子遊び研究会
受講者13人・修了認定者12人

会場は玄海青年の家と北九州学術研究都市技術開発交流センターとを午前と午後に分けて使用。 

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きっかけは2013年1月13日にNPO法人子育て市民活動サポートWill主催で開催された、
ワークショップ「次世代のこどもへの大人の責任力講座」
http://blog.livedoor.jp/npowill/archives/7818019.html
(ちなみに、このサイトを見たら、この時と「私って同じ服着てるやん」って思ってしまった(笑))

これに参加されたけいさんが、ぜひともGCR@SEAN認定講座を開催したいと
13名もの受講者を集めてくださった。
他のみなさんに参加動機を尋ねると、ほとんどの方が「けいさんに誘われたから」
とおっしゃってました。
すばらしい!

誰か一人の強い思いがカタチとなって、次の誰かを突き動かしていく。
点と点が線になって面になり、立体になり普遍化されていく。

今回も、あきらめちゃいけないって思わせていただきました。

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宿泊は若かりし頃の合宿を思い出させる施設。
子連れでみなさんここに宿泊。
子どもたちは別のプログラムに参加しており、手で編む毛糸編みやら、ぶんぶんゴマやら、
ザトウムシやら、とっても楽しかった様子。

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私は風邪気味だったので参加しませんでしたが、初日の夜は大人だけの交流会も開催され、
より関係が深まったようでした。

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頭が沸騰するくらい話し合いました。
12時間あっても、まったくもって時間が足らない。。。

それでも、なんとかまとまった「ジェンダーにとらわれず子どもをエンパワーする大人の関わり方5か条」

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最後は恒例のハグをして終了。
なみだなみだの12時間でした。

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<おまけ>

玄海青年の家にある青年の裸像。
日頃、どこをみても女性の裸像ばかりなので、新鮮な感じがしました。。
常に客体化されている「女」の身としては、これをどう受け止めるかの整理ができませんでした。

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技術開発交流センターの壁面に描かれた一匹のネコ。
ほとんど誰にも気づかれないトイレの外の廊下に描かれていました。
トイレに行くたびに、このネコに癒されておりました。。。

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2月22日?にゃんにゃんDAYやりました!!


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にゃんにゃんDAY in 「生きがい工房」
2月22日(土) 1時?4時
入場料は500円。
手づくりの猫みみと「ヒトと動物の関係学会」のシンポジウム「男がネコに癒されたいワケ」
の報告書のコピー付き。

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1時からのオープニングでは、ロシアの民芸品「マトリョーシカ」の中に、世界最古の電子楽器
「テルミン」をおさめた楽器ネコ型マトリョミンを「みゃうみゃう」さんに演奏していただいた。

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ねこにちなんだ曲の演奏。
後から来られた来場者のために、急遽2時30分からの2回目の演奏も快く引き受けてくださった。

Goma mamaさんのレジンアクセサリーづくり

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私も1つ作成。このにゃんこは外国の切手
?あんまりこれまでやらなかった、「ぶりぶり」感満載。。

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くみちゃんは注文されたねこバスの小物入れを作成中?^^

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ねこが登場する絵本が並んでたり・・・

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うちのねこたちのポストカードは1枚100円。。。

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ネコ毛フェルトの展示があったり

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やんちゃな仔猫たちの遊び場があったり

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おとなが悪乗りしてたり

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ええおとなが真面目に無邪気にたわむれる・・・
そんな1日でした。。。

ちょっとした、し・あ・わ・せ・・・でした。。。

「アナと雪の女王」観てきて思ったこと。。

「アナと雪の女王」を3Dで観てきた。
透き通った氷の描写がとてもきれいだった。

私は2女を育てたもんだから、2人の育ちには想いが重なる。

自分が持つ力への恐れが、自分を閉じ込める。
それは多くの女性たちの思いと共通しているようにも思える。
コントロールできない大きな力が、時には大事な人を傷つける。
でも、その傷つけてしまった心を溶かすのも、自分の愛という力。
恐れを抱き、力を閉じ込めていたら、道は開けはしない。

恋愛だけがすべてじゃないっていう描き方には共感するけど、
アナにはもう少し主体性を持った恋愛をしてもらいたかったな。
凍りついたアナを溶かしたのが、安易なキスでなかったあたりは好感が持てるな。

脇役は全員男たち。
良い奴と悪い奴が極端に描かれてるあたりは、
これまでの女たちの役割とやや酷似ぎみ。
ただ、誰も死なないのがよかった。

「Let it Go」はいい歌なんだけど、帰ってからYou tubeで何度か聞いて、
吹き替えで唄われている日本語訳がちょっとな?って思った。

「真っ白な世界にひとりの私
風が心にささやくの このままじゃダメなんだと とまどい傷つき」

こういう弱弱しさ、いらないんじゃないのかな・・・。

「善悪やルールに縛られずに 私は自由」
「理想の娘はもういない」

英語版のこういうニュアンスの方が私は好きだな。


You tube動画の歌詞から

◆Let it Go (英語版歌詞)

https://www.youtube.com/watch?v=bvvxdie1F5k

https://www.youtube.com/watch?v=JHiRiCGl3NM

◆ありのままで(日本語版歌詞) 

https://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw


PS
最初に流れる、ミッキーとミニーの短い動画は好きじゃないな。
いじめっこを徹底的にみんなでやっつけるお決まりのやつ・・・。
なんか後味悪いわ。。。

ヌエックワークショップに向け、NPOを18年運営して、今ここにきて思うこと 

2014年度ヌエック「男女共同参画推進フォーラム」
8月29日?8月31日 国立女性教育会館(ヌエック) 

初日の29日(金)15:45~17:45、306号室でワークショップ
「NPOの可能性とジェンダー平等推進」を開催します。

今年は、理事の小川真知子さん、中村彰さん、佐倉智美さんと遠矢が登壇して、
まずは遠矢からSEANのあしあとやめざすことについて話した後、
それぞれの立ち位置でも話をする予定です。

1997年保育サポートグループとして結成したSEAN。
2001年に法人格を取得し、その後も途切れることなく
一足飛びというわけではありませんが、1000万円から
1700万円へと事業規模を拡大してきました。

今回の報告のために、法人格を取得してからの流れや、
会員や決算額の推移をまとめてみました。

NPO法人は配当金や財産を貯えるために法人運営しているわけではないので、
決算額が増えるということは、事業内容が増え、あるいは関わる人が
増えていることと直結しています。

決算額が増えるということは、要するに使った費用が増えているということであり、
年度によっては借入金が増えているに過ぎない年もあったりします。

しかしながら、ミッションである「ジェンダー平等推進」に取り組むことで、
雇用が促進され、経済の一端を担えるようになることそのものが、
この社会を「ジェンダー平等社会」へと向かわせているのだと信じて
踏ん張っています。

一市民が集い、社会問題に取り組む自治力を高めていくこと、
資本主義社会の中で、私たちは金銭価値を何におくのかを問い直すこと、
また、既存のコミュニティーが崩壊する中で、自縁によるコミュニティーを
生み出していくこともNPOの可能性だと確信します。

特に、ジェンダー平等推進をめざすSEANにおいては、
この事業に関わる多くの「女性たち」がセルフエンパワメントしていくこと、
提供する事業を通して利用者や受講者のみなさんがジェンダー平等を体感すること
をめざしています。

そうはいうものの、この国では寄付文化が根付かず、
「安かろう、よかろう」という意識や、「社会責任」「政治責任」を
「自己努力」「自己責任」にすりかえようとする考えの中で、
成熟しきれないどころか後退していく流れが昨今、
きつくなっているのではないでしょうか。

その上で、消費税の税率アップは雇用促進しようとするNPOの流れに
歯止めをかけることになります。
消費税は消費したものに対してかかる税金ですが、正規の人件費は
非課税扱いとなることから、預かった消費税から差し引くことができる
控除額に含めることができないので、必然的にボランタリーな関わりが
主流になってしまいます。
にもかかわらず、社会はNPOは無報酬、奉仕やボランティア
という考えや「安かろう、よかろう」という考えが主流です。

また、多くのNPOは社会構造上の弱者支援をミッションに掲げているので、
受益者負担額はそんなに簡単にあげるわけにもいかず、夫に経済力がある主婦層か
充実した年金受給者しかNPO運営に関われないという事態に追い込まれていきます。

1998年にNPO法が、1999年に男女共同参画社会基本法が
施行され10年以上たちますが、まだまだ過渡期から抜け出せないのが現状です。
でも、あきらめないで未来への可能性を信じて、もう少し頑張り続けたいと
思っているところです。

小学生対象デートDV予防教育の実践 「強くて優しい人になりたい!」

今年度と来年度の2回にわたって、枚方市人権政策室男女共同参画担当からの依頼で、小学校4校4年生8クラスでデートDV予防教育を実施しています。
今回はこの依頼にあわせて、SEANオリジナルDVD「わたしもボクもみんな活き活き」一部視聴、クイズ、言葉カード、感情サイコロ、ロールプレイ、質問タイムにシナリオを書き換え、2時限プログラムとし実施しています。(スタッフ2名ー3名)

今回のシナリオには、多様なセクシュアリティについても簡単ですが触れています。
また、放課後、教員研修を取り入れ、先生方とも問題意識を共有するよう努めています。

「強いということは『やさしい』ということ」
「お父さんのように強くて優しい人になりたい」
「この授業を受けて、考え方が変わりました」
すでに、2校4クラスの授業を終え、子どもたちの変化を実感しているところです。

今後、DVD教材を使用する1時限プログラムだけではなく、こちらのプログラムも広げていければと思っています。
また、中学生対象のパワポを使用したデートDV予防教育の方も、先だってスタッフ3名で伺い、クラス単位で実施しとてもいい感触でした。
こちらの方も、何らかの形で普及を考えていきたいと思います。

また、来年度「次世代の子どもへの大人の責任力」GCR認定講座(2日間12時間)をみなさんの地元で協働開催してくださる団体を募集します。
開催方法や予算等はご相談ください。
(SEAN事務局 072‐669‐7411 遠矢まで)
ジェンダーバイアスがきつくなっている昨今、お仲間になっていただけたらうれしいです!

人権教育講座「家族」の授業をふりかえって

約10年間、年に1回、女子大生に「家族」をテーマに人権講座を行っている。
家族といっても、そこにはさまざまな切口が存在する。
これから大人社会の一員となる彼女たちに、自分ごととして
「家族」を考えてもらう時間にしたいと毎年試行錯誤している。

授業の導入に、「家族」という言葉でイメージする言葉を全員に発表してもらう。
それぞれの家族の状況はさまざまで、「安心」や「味方」だけではなく、
「嫌い」「束縛」など多様なイメージが存在することを確認することから始まる。

「子ども」「母親」「父親」といった役割規範。
制度や社会状況が、家族というコミュニティの中に及ぼす影響。
多様な家族の現実、もうすでに存在しないはずの「家制度」という見えない呪縛。
映画や報道、様々な情報の中に「家族愛」が組み込まれているわけだが、
実際の家族の状況は、そんなに愛であふれた関係ばかりではない。

子どもは親を選べないし、親もまた子どもの資質は選べない。
唯一選べるのは、夫や妻といったパートナーだけなのだが、
その関係の中でさえ、支配構造が入り込んでくる。

好きになれない母親に対して、自分も「母親役割」を
押し付けていたのかもしれない。
母子家庭で育ち、母に対して「母親」以外の生き方を
受け入れていなかったことに気づき、これからは一人の女性として
生きる母を応援したい。
そして、自分が親になった時、母親以外の姿を子どもに見せていきたい。
と話した学生。

学生たちの言葉から、私もいろいろな気づきと元気をもらう。
授業や講座の前は、その責任からいつも気が重くなる。
でも、こうやって返ってくる言葉から、やらせてもらえてよかったって思う。
2014年度の授業ではとくにその思いを強く持った。


<もどってきた感想用紙より>

「家族の中にいて、親に養ってもらっている身分であったとしても、
自分には意志を示す、意見を主張する権利があるのだということ」

「自分も母はこうあるべきだ、という考えを持っていたので、
それを母に押し付けている自分がいました。」

「社会が悪かったり、何かができなかったりすることは、
決して子どものせいではなく、親・大人のせいと聞き、
何だかほっとしました。」

「自分であまり自分のことをののしったりするのは、
自分が他の人をののしることと同じだと思った。」

「もし、今家族で何か問題を抱えている人がいたとしても、
それはあなた自身(一人だけ)の問題ではない。
親は子どもを選べない、それと同様に子どもも親を選べない。
だからこそ、すごく偶然の出会いの中で一つの家族が形成されいる。
一人ひとり、人権を持っていて、もちろんだからこそ、親も悩んだり考えたりする。
世の中、どんなことでも、人がつくっていく。
だからこそ、こわれることも、簡単。
だけど、つくり上げることもできる。
しかし、何でも変えられると思わない限り、変えることはできないということを感じた。」

彼女たちのこれからの人生の幸せな選択を願って。。。

小学生への男女共同参画出前授業(デートDV予防)と志摩のまち

昨日、「いじめをちょっとでもなくしたい」RE:プログラムの仕事で同行した仲間が、わたしのFB投稿を見て、「遊びなのか、仕事なのか分からないよね。むちゃくちゃ忙しいのに、うまくストレス発散してるから元気なんやね」って言ってくれた。
確かにそうかもって思った。

遠出の仕事の時は、合間に観光してまわる。(もちろん自費で・・・)
それ以外にも、介護と称して母と観劇や旅行。
夫や娘たち夫婦とのコミュニケーションづくりと称して自分が行きたいところに遊びに行く。
自分が楽しいことじゃないと続かないし、かえってストレスたまるもの。
子どもが小さかった時も、自分も楽しいことで常に一緒に遊んでた。

昨日の三重県志摩市での男女共同参画出前授業、終了後のアンケートにこんな感想があった。
「ものすごくいい授業だと思いました。理由は、こんな遠い所から来ているのに、元気にしていてすごいと思いました。また、こんな授業があったらいいと思いました」(小4女子)
大人が元気で楽しそうに授業をやってる姿が、子どもの目にはこんなふうに写るんだって思って楽しくなった。

他にはこんな感想が返ってきた。
「女子も男子も、関係ないことを、もっと深く理解することができた」(小5女子)
「自分を少しだけ、好きになれました」(小5女子)
「命は大切だと思った。気持ちで今の状態が分かるんだと思った」(小4男子)
「授業を受けて、人の気持ちをしっかり考えて、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしくなど、そういう決まりはないから差別してはいけない思った」(小4女子)
「世の中のすべては、男女共同なんだとはっきり分かりました」(小4男子)

これほどまでの感想が返ってきていても、同席されていた教員の方が「4年生にはちょっと難しかったかもしれませんね」と終了後におっしゃっていた。
ジェンダーの話を難しく感じるのは、子どもではなく大人の方だというのがわたしの実感だ。
地道な取り組みだけど、ジェンダー規範ではなく人権規範を広げていく取り組みをこれからも続けていきたい。
依頼があればどこでも行けるよう、ストレス発散しながら元気でいようと思う。
本日は午後から自治体職員研修。。。
がんばろう?!

大慈寺(あじさい寺)
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大王埼灯台
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第7期-1GCR@SEAN認定講座in宮崎(認定修了者29名)

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7月14日と15日の2日間、宮崎県男女共同参画センターとの協働開催で、第7期?GCR@SEAN認定講座を無事終えることができました。
ぎりぎり、台風の影響もうけることなく、晴天の中で29名の修了認定を発行することができました。
当初、36名のお申し込みと聴講希望者があり、確認調整していただき、どうにかこうにか31名にしぼりました。
最終は、1名が欠席、1名が2日目欠席で、29名の修了認定者となりました。
GCRはグループワークでの気づきと、全体での合意形成が主になるので、残念ながら今回の参加をお断りせざるをえなかったみなさん、ぜひ次の機会にはご参加いただけたらと思います。

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今回は、センターが補助を出しておられ、個人負担が抑えられたということもあり、ジェンダーについてほとんど学んだこともないという方もたくさん参加されていましたが、2日目朝の宿題の発表では面白いほど、日常からジェンダーバイアスのかかった出来事を発見してこられました。

3年前に宮崎にお呼びいただいた時も感じましたが、センター職員のみなさんの取り組みへの強い思いが、たくさんの人を引き寄せたんだと本当にありがたく思いました。

ワークの中では、多数決で物事を決めない。徹底的に話し合って、1つの見解にまとめる。
人とのかかわりの中で、自己主張が苦手な人も、他者理解が苦手な人も、それぞれのくせを受容しながら合意形成に向かっていく。
ジェンダーは性別役割規範をつくることで、ある意味ものごとの流れをスムーズにしてしまう力技。
ゆえに、多様性や自己決定は軽んじられる。
そのことを批判的に読み解くために、時間の許す限り話し合いを重んじる。
そんなことを少しでもこのGCRで体感してもらえたらなぁと、いつもわたし自身が肝に銘じている次第です。

ワーク中に、国会では安保法案が強行採決されたというニュースが流れました。
子どもたちの未来に思いをはせてではなく、大人のメンツと力による他国との共存をめざす法案。
それはまさに、ジェンダー規範で関係性をつくっていくやり方です。
多様性と個の尊重による合意形成の努力なくして、平和などあり得ない。
微力ながら、非暴力・不服従・非協力という平和主義の意味をこれからも考え続けていきたいと思いました。

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限られた時間の中で、どうにかこうにか5か条をまとめ上げることができました。

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1日目の夜に、情報交換会を開催していただきました。

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講座は定員がいっぱいで参加できなかったという、「スクールセクシャルハラスメント」の著者の池谷孝司さんも参加してくださり、宮崎のおいしい食事をいただきながら、いろんな話ができて楽しかったです。何よりの収穫は、宮崎人はほんとうに「みやざきラブ」なんだということでした。(笑)

本当はもう1泊して、宮崎の温泉につかってから帰る予定でしたが、台風の影響で飛行機が欠航になることを心配して、終了後その日のうちの最終便に変更し帰途につきました。
せっかくなので、宮崎空港でマンゴーソフトを食べましたが、それが本当に美味しかった?♪
みなさんにもこれはおすすめです。
(余談ですが、那覇空港のソーキそばと仙台空港の牛タンそばもおすすめです!)

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また、宮崎に呼んでもらえたら、今度こそ観光もしたいな・・・。
美味しいもんときれいな景色のある地域の方、どこでも参りますので、お声かけくださ?い!
もちろん、そんなものなくってもジェンダーセンスティブを広めるためには、喜んでいかせてもらいますです。はい!


8/26(水)韓国サンミサン・マウルの視察報告会をやります!

韓国にご縁ができた友だちに、「韓国へ一緒に行きたい」と言ったことから韓国2泊3日の旅が実現。
「どうせ行くなら、NPOを視察したい」という私のムチャぶりから、友だちがお膳立てしてくれ、ソンミサン・マウルとマウル共同総合支援センターと美しい財団を訪問してきました。
今回、視察してきた内容を高槻市市民公益活動サポートセンターの主催講座として報告することになりました。
市民が拓く新しいまちづくりについて、韓国ソウル市の現状をもとに一緒に考えてみませんか?
たくさんの参加をお待ちしています!


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これからの時代に、必要な学びの最終ご案内です!

ようやく、朝夕は秋の気配を感じる季節になってきました。
風邪が少しはやっているようですが、お元気でお過ごしでしょうか?

参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」
にてこの国の方向性について議論されており、9月半ばに決着がつくということで、
インターネット中継や報道から目が離せない今日この頃です。
また、SEALsなど、若者たちが「民主主義ってなんだ」「戦争法案ぜったい反対!」
と立ち上がり、彼らに勇気づけられ、改めて武力以外の方法で、
これからの時代を他国と共生していく知恵と勇気がいるのだと
強く確信しております。

さて、前日、最終告知です。お近くの方は、どうぞお見逃しなく!
一期一会の対談ライブ「真知子の部屋」
9月5日(土)13:30?16:00(開場13:00)
参加 1200円(茶菓子付き)
生きがい工房(阪急高槻市駅徒歩3分)
小川真知子理事長が、ご自身と関係の深い方をゲストに招いて行う対談ライブ。
今回のゲストは李ぽんみさん(八尾市人権協会所属)です。
ぽんちゃんは、在日3世。
在日って何?ヘイトスピーチってどんなこと?
案外知らない「在日」について、ざっくばらんにお話しいただきます!

それから、
第7期<2>GCR@SEAN認定講座in八尾
9月19日(土)・20日(日)、一般社団法人八尾市人権協会との共催で
八尾プリズムホールにて開催します。
受講料12,000円(修了認定料含む)
トレーナー 遠矢家永子
子どもの育ちに入り込む、ジェンダー規範に敏感な視点を学び、
おとなの責任力を高めます。
シルバーウィークは、家族とのバカンスなどでお忙しいかとは思いますが、
八尾周辺にお住まいの方や、遠方から宿泊されて参加される方も
ぜひともご参加ください。
現在、認定者は183人。
これからフォローアップ講座も検討していく予定です。
お申込みは
tel 072-924-9853 oyaoya@oyaoya.org

NPO法人SEAN 遠矢

もっと「協働」できたらいいなー枚方市DV予防教育プログラムの取組みから

2014年度から2015年度にかけて、枚方市の小学校でDV予防教育プログラムに取組んできました。
この取組みの始まりは、DVの悲惨さを職務の中から体験してきた市職員の方の思いからでした。

予算がなければ取組めない。
その予算確保のために庁内で関係部局に働きかけられ、
それを継続するためにさらに働きかけられ、成果を見える化し、
庁内で取り組みを継続するために若手職員も巻き込んでいく。

受け手となるNPOである私たちとも、常に話し合い、できること・できないことを明確にし、
協働して取り組んできました。

「協働」という概念は、社会的にもまだまだ確立していません。
課題と目的を共有し、その役割において相互に
<知恵>と<汗>と<金>を出し合うという「協働」のカタチを思うと、
SEANの拠点は枚方にはありませんが、
この取り組みこそが「協働」の姿なのではないかと思えます。

継続的な取り組みとするための成果の「見える化」として、下記の展示物を作成されました。
この展示物の作成一つとっても、下書きの段階から相談を受け、
何回かのやり取りを通して作成されました。

授業プログラムの中身についても、授業の際同行してくださっている職員の方にも
常にフィードバックしていただきつつ、よりよいプログラムになるように改訂し、
私たちスタッフもファシリテートの技術を高めていく努力を重ねてきました。

市職員の皆さんも私たちスタッフも思いは1つ、
「子どもたちをDVの被害者にも加害者にもさせない」。

2月には2015年度の振り返りをスタッフが集まって行う予定ですが、
市職員の方も当たり前のように出席してくださる予定です。

公的機関とNPOとの連携・協働が、一つずつカタチになって、広がっていけばいいなぁと
心の底から願います。



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デートDV予防「みんな活き活きプログラム」を提供して

デートDV予防「みんな活き活きプログラム」を、枚方市の小学4年対象に実施しており
今年で3年目になります。

・授業を受けて、人の気持ちをしっかり考えて、男の子は男の子らしく、
女の子は女の子らしくなど決まりはないから、差別してはいけないと思った(小4女子)
・命は大切だと思った。気持ちで今の状態がわかるんだと思った(小4男子)
・自分を少しだけ好きになれました(小5女子)
・ちょっとしたことが、人の心を傷つけるので、物事をよく考えて行いべきだと
あの授業で考えました(小4男子)
・人は人、自分は自分なのだと気づきました(小4女子)
・男子も女子もなくて、人が一人ひとり過ごせばいいと思う(小5男子)

授業を受けた子どもたちは、いろんなことを感じ、考えてくれます。

子どもたち一人ひとりには、様々な家庭背景やクラス状況があり、そのことが
その子の価値観や行動をカタチづけています。
時として、DVの中で育っている子どもや、いじめの対象になっている子どももおり、
「友だちやおとなを信じられない」「自分が大きらい」と思っている
子どもも悲しいですが存在します。
そして、「強くなりたい」と思うあまりに、人を傷つけ、自分も追い込んでいる現状がみられます。

このプログラムでは、「強くやさしく」生きる方法、大切な人だけでなく自分にもやさしくする方法を
子どもと一緒に学びます。

6月25日(土)13時?15時 高槻市男女共同参画センター研修室で、
体験プログラムを行います。
また、7月9日(土)?10日(日)に実践者養成講座の開催を予定しています。
子どもたちの豊かな未来を信じて、プログラムを提供できる仲間になりませんか?
どちらもまだ、参加可能ですので、お申し込みをお待ちしております!

SEAN station@npo-sean.org

by kae

2/11・12 デートDV予防「みんな活き活きプログラム」実践者養成講座in八尾

SEANでは小学校でデートDV予防教育プログラムに取り組んでいます。
小学校での授業は全国的に見てもかなり先駆的なことで、3年前から枚方市の男女共同参画課が予算をつけてくださり、毎年枚方市で取り組んでおり、2017年度も予算がつく予定で議論が進められております。

一昨日、2016年度最後の授業を実施しましたが、「家事や子育ては女がすること」「男は泣いてはいけない」「男同士で恋愛するって気持ち悪い」など、子どもたちの生きる日常の中に偏見的な考えが根付いており、そのことに疑問を持たず取り込んでいく子どもたちが沢山います。

この「みんな活き活きプログラム」は、この3月に四日市市の男女共同参画課が養成講座を開催するなど、これから他地域に普及していきたいと思っているところです。
宮崎市では未就学プログラムの方の養成講座が開催され、取り組みも始まっています。
今回、八尾でも取り組んでみようと合意をいただき、2月に八尾で、3月には四日市で開催する運びとなりました。
子どもたちへのジェンダーセンスティブな働きかけは急務だと思っています。

お時間に都合のつく方は、ぜひ受講していただき、仲間になってください!
高槻市の近隣にお住まいの方は、次年度の枚方でのワークにスタッフ参加いただくことも可能かと思います。

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2017年度総会を前に、いま思うこと

 NPO法人SEANの前身である「ネットワークステーションとんがらし」を、19977月に結成してから約20年。継続して組織を運営し、いつの間にかそれ相応の経験と実績を積み上げ、ネットワークを拡大することができました。

思い起こせばこの20年は、気づくこと、考えること、人とつながること、そして課題解決のための具体行動を起こすことの繰り返しだったと思います。

 保育から始まったSEANですが、教育・啓発・調査研究・高齢者の居場所づくり・若年層のポルノ被害相談まで、多岐にわたる切口で活動の幅を広げてきました。 

 20年前の今頃は、私が委員長を務めていた女性学級「かまどねこの会」の学習会時に、子ども同席で参加される方が増え、どうすればこの状況を打開できるかを模索し、一緒に考えてくれそうな仲間に声をかけ始めた頃です。

1994年から学習会を重ねていた延長線上で、学習するだけではない新たな展開をめざしたこと、家庭での無償労働に終始し自信が持てない女性たちに労働の対価を保障することなどが当初から視野にありました。

また、経済が大きな意味を持つ資本主義社会にあっては、金銭価値そのものがこの国の方向を定めていくものであることに気づき、みなさんからお預かりする会費や寄付、スタッフの労働対価のありようについて真摯に向き合ってきました。それについては、少しずつでも前進していると自負はしていますが、実際のところ、納得のいく形にはまだまだ手が届いていないのが現状です。


 20年の歳月によって、私たちは老いを感じるまでになりましたが、次世代に組織をどのように継承していくのか、ジェンダー平等社会に向けて地域を超えたつながりをどうやって確立していくのかなど、まだまだ走り続けなければならない課題が山積しています。


『誰もが幸せに生きられる社会をめざしたい』と願う自分の気持ちに、ただ正直でありたい。

個人的な思いはそれだけです。思いを同じくするみなさんと、これからも繋がっていきたいと2017年度総会を前に思っています。      かえこ


「本当に強いのは弱さを知っている弱い人なのかもしれない」

SEANでは、出前授業デートDV予防「みんな活き活きプログラム」を
小学校で提供しています。
先だって、出前授業に取り組んだ小学校から授業実施後に児童が
書いてくれた感想が返ってきました。

小4女子の感想です。

「強いと弱いのちがいが、最初は強いはやっつける、負けないなどで、弱いは泣き虫、
自分の気持ちが言えない。だと思っていましたが、教えてもらって
「本当に強いのは弱さを知っている弱い人なのかもしれない」と思いました。
自分の気持ちにフタをしていたら友達にバクハツさせるので、
自分にウソをつかないように生きたいです。」

子どもというだけで、どうせわからないだろうと、
情報さえもらえずに、大人がもつ答えを押し付けられている
子どもたちの現状に度々出合います。

どんなに小さな子どもでも、投げかければ一生懸命に考え、
自分なりの答えを持つことができます。
目を輝かせ、一生懸命に考える子どもたちとの授業は、
私たち自身をもエンパワーします。
こんなふうに子どもたちと考えられる時間を、これからも大事に
したいと思います。

AV強要事件の公判を傍聴して

2015年に、SEANにポルノ被害相談部門を立ち上げました。
その中で、下記新聞記事にある事件に遭遇しました。

http://www.sankei.com/west/news/170529/wst1705290051-n1.html

立て続けに3つの相談があったことから、この事件の悪質性を目の当たりにし、
最初に相談が入った東京の支援団体であるライトハウスやPAPSと相談し、
大阪府警に情報提供を行ったことから、刑事事件として動きだし金澤被告は逮捕されました。
逮捕され報道によって私たちが初めて知った事実は、被告人は同様の事件で
前科2犯であったということでした。

9月14日に第1回の公判があり、時間をつくって2時間にも及ぶ裁判を傍聴してきました。

なによりも驚いたのは、金澤被告の弁護をしていたのは、当初から彼の顧問弁護士
だった男で、民事でのやりとりで被告が行っていたAV強要の実態を知っておきながら
擁護していた弁護士その人であったことでした。
被告は、被害者に対し「こちらには弁護士もついている」と脅していた
事実もあり、その弁護人が被告に対し、反省を促している様に嫌悪感で
いっぱいになりました。

被告や弁護人が最後に言った言葉も耳を疑うものでした。

「お金を払って喜んでいる子ども、助かっている子どももいた」という金澤被告の言葉。
「性欲の発露として行った行為であることは否めないが、ネット上でたくさん
こういった画像がある中で、特に悪質だといは言えない」といった弁護人の言葉。

心のこもらない金澤被告の「反省している」という言葉を、すべて打ち消した
この2人の言葉を本当に許せない気持ちで聞きました。

契約書は200人以上、存在していたようです。
すでに販売されてしまっているDVDに怯えて生きていかなければならない被害者もいること、
消えない記憶と感覚によるトラウマ、自責の念、、、

全て削除したと言っていたはずの販売サイトの残骸が、検索すればネットには
残っており、この事件を取り上げたネット上のサイトには心無い
二次被害が繰り返されています。

求刑は3年の実刑と30万円の罰金。
判決は10月13日にくだされます。

多くの被害は、表には出てきません。
被害者が、その被害を口にすることは過酷すぎますし、
守秘義務を伴う支援者も話すわけにはいきません。
今回事件化できたのは、勇気を振り絞ってくれた被害者がいたからです。

今支援団体が模索していることは、隠ぺいしてしまっているこういった被害を社会化することです。
そして、救済や予防するための社会資源を増やすことです。

SEANでも2015年から始まった相談部門を支えていくために、
2017年度から寄付金の募集を始めました。
主に相談員の交通費や人材育成のための資金で、
相談そのものはすべてボランティアで対応しています。
振込先を記載しておきますので、ご協力いただける方は、
「ポルノ被害相談寄付」と明記のうえご支援をよろしくお願いいたします。

郵便振込口座番号 00960-4-115488
名称 「NPO法人シーン」

「依存」と「あまえ」について

小学生へのデートDV予防「みんな活き活きプログラム」で、子どもたちに「イライラむしゃくしゃしたときに誰にその気持ちをぶつけちゃう?」と問いかけたら、「大切な人にぶつけちゃう」と一人の女の子が答えました。
「自分より弱そうな人」と答えることを想定していたのですが、これまで「おかあさん」と答える子どももおり、安心できる人、甘えられる相手にぶつけてしまうことがあるのだと改めて気づきかされました。

DVは相手を支配してコントロールすること、相手を自分よりも下のものとして見下すこととあわせて、その人の好意をあてにする「あまえ」でもあると気づかされました。

そこで、「依存」と「あまえ」の違いについて考えました。
「依存」は他の人に頼って成立、存在することとあります。
人は生まれた時から死ぬまで、誰かを頼って生きています。
最近では、その依存の対象をいろいろな人に分化し、互いにかかわりの中で依存し合えることが社会性であり自立なのだという見解が広がってきています。

「あまえ」は相手の好意をあてにし、つけこむ行為なのだとしたら、「依存」とは異なる側面があるのではないかと思えてきました。
一番近しいところに存在する、家族やなかまへの「あまえ」がないかどうかをふりかえりつつ、互いに依存し合える関係を作っていきたいと思います。

授業で出会う子どもたちの意見、講座で出会う参加者の皆さんの発言は、問題を整理していく貴重なてがかりにもなります。
正しさを教え込む教育ではなく、ともに考え、自分なりの考えを整理していくための授業や講義の提供をこれからも目指していこうと思います。

子どもたちの力を信じてー「みんな活き活きプログラム」の感想より

2017年11月実施、京都市内の小学校での「みんな活き活きプログラム」の感想文が返ってきました。
4年?6年合同で45分授業での実施で、通常のやり方ではありませんでしたが、振り返りの時間をしっかりとっていただいたのではないかと思います。

・私は毎年人権集会があるけど、「人権」の意味もよくわかっていなかったけど、「幸せに生きるために自分で選ぶことができるということだよ」と教えてくれたので、良く分かりました。男は?、女は?と決めつけることも、人の選んだことをからかったり馬鹿にすることもダメで、人の権利をうばったりすることだというのが分かりました。それに、例え仲良しの友だちにお願いされても、自分が嫌だったらいやと言ったり、自分の気持ちにふたをせず、気持ちを伝えてもいいんだと思いました。弱い人を暴力などで言うことをきかせたりすることではなく、困ったことがあった時に、しっかりと人に相談できることが強さで、相手の気持ちだけを考えて、自分の気持ちにふたをするのではなく、自分の気持ちも考えられることがやさしさだと分かりました。私はこの学習で、自分の気持ちにふたをせずに思ったことはしっかり伝えようと思ったし、さっき書いた「強さ」と「やさしさ」を持った人になりたいです。(5年女子)

・私は男の人が女の人、女の人が男の人を好きになるんじゃなくて、男の人が男の人、女の人が女の人を好きになるのは、一人ひとり選ぶ権利があって決めているので良いことだと思いました。たまに、自分がムカついたり、悲しいことがあって、笑顔じゃなくなってしまうから、むりやり楽しいことを考えて、自分の気持ちにふたをしてしまうときがあります。その時は、いつかバクハツしてしまわないように、だれかに相談したり、その人に気持ちを伝えればいいと分かりました。子どもはみんな平等でしょうがいがあってもなくても、同じ大切な命があるので、子どもの権利条約はいいなと思いました。イメージで男は何、女は何と決めつけるのはおかしかったと思います。だれが何であっても、自分で選んで幸せに生きる権利があるので、それを大切にしてこれからに活かしていきたいです。(5年女子)

・ぼくは今日、とおや先生やえびす先生の話を聞いて、男女さべつはいけないと思いました。なぜかというと男子はこれ、女子はこれと決めつけたら権利をうばうことになるからです。ぼくは大人になって、子どもが生まれたら、人権のことを教えてあげたいです。そして、人にはいやでもフタをしている人がいるので、それを気づけるようになりたいです。(5年男子)

・わたしは今日話を聞いて、権利は自分が選んだりするということが分かりました。女の人はこれとか、男の人やからこれと決めつけるのではなく、男の人も女の人もやったらいいと思います。わたしは人にたのまれたこととかを、いやでもいやと言ったら相手がいやな気持ちになると思って、自分は「いいよ」とすぐに言ってしまうので、はっきり言おうと思いました。あと、権利はいっぱいあるということもわかりました。なので、正直に言うことは、大切だと思いました。またおうちの人とかに言いたいと思いました。(5年女子)

ジェンダーに気づく人権教育出前授業の普及をめざして

NWECのメルマガ145号(11/15)に寄稿文を寄せています。
よければお読みください!

https://www.nwec.jp/about/pr/mail/hqtuvq0000001s1e.html

「ジェンダーに気づく人権教育出前授業の普及をめざして」

NPO法人SEAN(シーン)事務局長 遠矢家永子

 SEANは1997年保育サポートを主軸に結成し、2001年に法人格を取得したNPOで、大阪高槻を拠点に活動しています。自分の力を信じ、なかまと一緒に一歩踏み出そうという願いを込め、Self-Empowerment Action Networkの頭文字をとってSEANと名づけました。活動に取り組み始めた頃は、専業主婦となった多くの女性たちは、無償の愛情労働として家事育児をこなし、主婦としての自分の経験を低く見る傾向があったので、会員相互支援の有償保育としました。現在もベビーシッターや家事支援、一時預かり保育など、高槻と東大阪で活動を続けています。

 子育てに悩むママたちと出会う中で、ジェンダー問題の深刻さに気付き、2002年より教育部門「G-Free」を立ち上げ、ジェンダーと暴力をテーマとした出前授業に取り組み始めました。男女共同参画社会基本法が制定された1999年の頃、ジェンダーに取り組むNPOも公的機関も勢いがありました。ところが、2002年くらいから、いわゆるバックラッシュといわれるジェンダーフリー教育や性教育バッシングがおこり、様々な取り組みは自粛傾向に追い込まれ、活動の縮小を余儀なくされていきました。
 にもかかわらず、子どもたちの購買欲を駆り立てるためにジェンダー規範を再生産するメディア、ネットの普及によって子どもも簡単に情報にアクセスできるようになり、特に「少女性」の商品化や、「男子力」として支配する「強さ」の奨励などによって、昨今ジェンダーバイアスはきつくなってきています。
 子どもが育ちの中でジェンダー規範を取り込むと、将来の職業選択が制限されるだけでなく、「男(女)らしく」なれないと親や友だちから否定され自尊感情が低下したり、強くなければいけないと暴力の加害者に、優しくなければいけないと被害者になってしまったりもします。それを予防するために、バックラッシュの最中も立ち止まることなく人権教育出前授業の普及と人材育成に努めてきました。
 現在は、未就学児から小中高大学生を対象に、ジェンダー規範への気づき、「強さ」「優しさ」の定義の見直しなど、子どもたちと一緒に考えるデートDV予防教育出前授業の普及に力を入れており、新たな事業として2015年からは若年層のポルノ被害相談事業にも取り組み始めました。

 大阪枚方市で取り組んでいるDV予防「みんな活き活きプログラム」の終了後の、小学4年生の児童の感想をご紹介します。
・なぐられたら、やりかえさずに、誰かに話を聞いてもらうとわかった。家事や子育てやお金をかせぐのは女じゃなく、男も女もどっちもやると初めて知った。学校に行くのは義務じゃなくて権利だと知った。人権学習がおもしろかった(男子)。
・本を貸したりするげきやお話で、友だちだけにやさしくするんじゃなくて、自分にもやさしくしてあげるということがわかりました。だから、わたしはこれから、友だちだけでなく「自分」にもやさしくなって、友だちとなかよしになりたいです(女子)。
・男、女だからといって、男は泣かない、女はおこらないと決めつけるのはダメだと思った。人には、だれでも生きる権利はあるし、これはいい、これはダメというのはなく、嫌なことはかかえるんじゃなくて、誰かに相談するのがいいと分かった。げきもしてくれて、友だちとか、自分は大切にしないとなーと思った(男子)。

 小学生対象デートDV予防「みんな活き活きプログラム」は、全国的な普及をめざしています。興味のある方は、SEAN事務局までお問い合わせください。
また、近畿圏でのポルノ被害等もご相談ください。
連絡先:SEAN/station@npo-sean.org

4/8(日)AV出演強要問題に関する講座開催の前に

4月はAV出演強要問題・「JKビジネス」問題防止月間です。
まだ、ほとんどの人が今、子どもたちに起こっている様々な問題について知らないのが現状です。
その問題について共有するために、学びの場を提供します。
 
4月8日の講座の開催に向けて、3月16日(金)に日本橋オタロードにあるJKシャンプー等に視察、23日には心斎橋三角公園でのモニタリングに行ってきました。
その時の、様子も講座でお話しますが、簡単にご紹介させていただきます。
 
日本橋オタロードには、メイドカフェが立ち並んでおり、様々なユニフォームを身にまとった17歳から22歳までのお嬢さんたちが、お店の前にたちお客を勧誘していました。
雑居ビルの4階にあるSHAM CAFE(シャンカフェ)。ちょうど、お客さんが1人シャンプー中で、32歳のオーナーに廊下で話を聞きました。
どこにでもいる気さくな青年がオーナーであり、あっけらかんと会話が進んでいく中で、「JKビジネス」に関する嫌悪感が薄れていったのですが、あとからYOUTUBEで広報画像を見て、改めて性的接触の強さに愕然としました。
 
その時に、聞いたのが「見学店」というJKビジネスの話。マジックミラーに囲まれたお部屋の中に少女たちがいて、外から男性がその部屋をのぞいている。ひどい店では、そのマジックミラーが外せることになっていて、その個室に少女が入っていくとか。
ビルの上の方に「見学店」と看板を掲げている店が確かにありました。
 
それぞれのお店のキャッチャーになっている少女たちは、愛想も良くて礼儀正しく、おばさんである私たちが話しかけても、にこやかに対応してくれるので、「良くないビジネス」という印象さえなくなり、私たちでさえ楽しくなってしまい複雑な気持ちになりました。
 
メイドカフェで食事をしましたが、メイドたちには売り上げによってランキングがあり、着ているユニフォームや身につけている物が違うようで、AKB48のように競いながら上を目指していくような構図になっていました。外国人の観光客も増えているようでしたが、お目当ての少女のランクを指名によってあげるために通っていると思われる若者の姿もありました。
 
23日の少女たちへの声かけによるモニタリングでは、10人の少女たちに、2チームに分かれて声かけしました。
そのうちの2人が「AVにでない?」と声かけられたことがあると言っていました。
 
それら詳細についてと、SEANの相談部門でかかわったMoeMoe★スタイル事件に関する報告と、控訴審の判決結果などについてお話します。
 
講座の後半には、キャバクラやホストの安全なお店を無料で紹介する案内所のオーナーの油谷さんにも来ていただき、性産業をテーマに遠矢が対談します。
 
Part1 4月8日(日) 13:30-16:30
AV出演強要問題や「JKビジネス」問題は、実は、もはや、他人事ではない
 【報告】SEAN相談事業から見えてきた現状「アイドルになりませんか?」の罠
  SEAN相談部門代表 遠矢 家永子
 【対談】
 夜のまちの子どもたち
  油谷 聖一郎さん(大阪ミナミの無料案内所オーナー)
  遠矢 家永子

Part2 4月22日(日) 13:30-16:30
大人の責任を発揮!どうする?どうやる?予防教育
 【お話】子どもをとりまく性の課題と予防
 ゲスト講師 早乙女 智子さん(産婦人科医)
 【体験】人権教育*小学生対象デートDV予防
 【対談と質疑応答】
 早乙女 智子さん 遠矢 家永子

両日ともに 参加費1000円 保育あり(要申し込み)
会場 「生きがい工房」(阪急高槻市駅徒歩3分)
申込み・問合せ先 NPO法人SEAN station@npo-sean.org 072-669-7411

ぜひ、講座にご参加の上、この問題について一緒に考えていただければと思います。
 
お申込みは、station@npo-sean.orgまで。

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