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No.218「死」と向き合うことは、「生」を実感すること (no.218)

(07.03.11)

 今年になってから、1月に愛猫のみ?こが病気で急死し、2月には昨年からすい臓ガンを
患っていた実父が他界しました。

 約13年前、今住んでいる借家に引っ越してきて間がない頃、帰宅すると子どもたちが何やら家の前で騒いでおり、玄関前に産み落とされたまだ白い膜がついたままの子猫を発見しました。
どうも、産み落とした親猫は家の横のバレンの茂みに逃げ込んだらしく、私は人間の匂いをつけると気が立った
親猫がかみ殺しやしないかと、タオルをかぶせてそっとつかんだ子猫を茂みに隠れている親猫に、
恐る恐る差し出しました。その子猫をつかんだ私の手を、その親猫はとても安堵した顔で迎え入れ、
やさしくなめたことにとても驚きました。それが、その親猫であるみ?ことの出会いでした。
 何度追い出しても、子猫をくわえて我が家に忍び込んできては、ゴロゴロのどを鳴らし安堵した顔で
私を見るみ?こに根負けし、彼女たちの今後について考えざるを得なくなりました。
まず、ねこ好きのご近所さんたちと協力し合い、子猫3匹とみ?こに避妊手術をすることに決め、
女性学級の仲間に募ったカンパは2万円ほどになりました。避妊手術を行った後、気のいいご近所さんが
子猫の引き取り手を捜してくれ、その後親猫のみ?こは我が家を安住の地としてまんまと住み着くことに
成功しました。
 み?こは誰かが家に帰ってくる度に、玄関まで迎えに来てくれる穏やかで気立てのいい猫で、
キャットフードしか食べないみ?こは時として我が家では「お嬢様」と呼ばれ、いつのまにか
居候ではなく家族の一員に昇格していました。高齢とはいえ、そんなみ?この急死は下の娘に
過呼吸の発作を起こさせるほどの悲しみを、我が家にもたらしました。

 ようやく別れの悲しみが癒えた約1ヵ月後、実父が他界しました。
大正14年に生まれ、明治生まれの母に育てられた父は、家父長制を地で生きた人でした。
父に従わざるを得ないような母の人生でしたが、聡明で気丈な母は、精神的には父に支配されることはなく、
むしろ母の方が一歩上手を生きているのではないかと思わないでもなく、私は女である自分の「性」を
否定せずに育ってこれたように思います。
亡くなる前の1年の闘病中もわがままをたくさん言った父でしたが、多くの人に愛されていたことを父の死を
持って実感しました。
私が父と最後に交わした言葉は、私へのいたわりの言葉であったこと、そういえば先に逝った義父と
最後に交わした言葉も、私へのいたわりの言葉であったことを思い出し、私も多くの人に愛され支えられて
生きていることを実感します。

 誰かの死と向き合うたびに、中学の頃、日曜日に見舞いに行くつもりだったガンを患って闘病中の同級生が、
その前日の土曜日に他界してしまったことや、夜飲んで語り合った市民活動の仲間が、その翌日の朝近所の
公園で首をつって自死をとげた時のショックや罪悪感を今でも思い出します。

 愛猫み?こも父も高齢で多少の覚悟があったこと、わがままな父の希望を最優先に家族が最善を
尽くしていたことで、今回は罪悪感にさいなまれることはなく、穏やかに死を受け入れることができたことは
とても幸せなことでした。
 いつもそこにあった暖かい気配は消えるはずもなく、なんだかそのぬくもりに抱かれているような安らぎを
覚えられるまでになったのは年を重ねてきたせいでしょうか。

 身近な命が逝くことは、改めて、命あるものはいつかこの世を去る時がくることを思い出させてくれます。
そして、それは自分自身の「生」を実感させることです。
そんなおごそかで尊い時間が、ジェンダーでがんじがらめの葬式という儀式に姿を変えてしまうことが
とても悲しい現実だったりもします。

 この3月で47歳になった私ですが、いつか終わりの時を迎える日に、穏やかな死を迎えられるように、
自分の存在意義が自分や誰かの幸せにつながっているだろうことを信じ、その命を全うできればと思います。

                     2007.3.11 かえこ

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