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SEAN最新トピックス

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維新の伸張と「憲法改正」

 私は、大学で憲法を講義することを仕事にしています。そして、日本国憲法を活かすことによって日本社会をよくすることがまだまだできると信じている立場から、先の総選挙の結果とその後の動きに危惧を抱く点があります。その点について少し書きたいと思います。

□驚きの衆院選結果
総選挙の結果には、予想通りと想定外とがありました。野党議席の顕著な増大は期待できない──この点の予想は残念ながら当たってしまったのですが、想定外だったのは「日本維新の会」の議席伸張でした。2012年の54議席には及ばず、2014年と同じ41議席ではあるものの、今回の「31議席増」は(予想していなかっただけに)十分衝撃的でした。そしてその維新が、「憲法改正」に前のめりの姿勢をあからさまにしているのです。


□「来夏の参院選に憲法改正の国民投票」?
 維新の会といえば、「憲法改正」に積極的であることは周知の事実。とはいえ、選挙から2日後の松井代表の発言には虚を突かれました。「来夏の参院選までに国会が憲法改正原案をまとめて改正を発議し、国民投票を参院選の投票と同じ日に実施するべきだ」と、記者会見で述べたのですから。
 改憲の期限を区切る発言は、2年前の憲法記念日に安倍首相(当時)が、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と述べたのに次ぐものです。松井氏の発言は、安倍氏や自民党に代わって改憲の先導役を担う意志を明確に表明したものといえるでしょう。


□維新の改憲論の危険性
 実は、維新の改憲論は、復古色の強い"自民流"ないし"安倍流"改憲論とは一線を画する手強いものです。維新の総選挙マニュフェストから彼らの改憲論を見てみましょう。それは次の3つです──「教育無償化」「統治機構改革」「憲法裁判所」。
 これに対して、自民党が2018年に決定した「改憲4項目」は以下のものです。            ──「9条改正(=自衛隊の明記)」「緊急事態条項」「参院選『合区』解消」「教育の充実」。

 自民の改憲項目と比べると、維新の方が「洗練」されていることがわかります。何といっても「9条改正」を掲げておらず、「緊急事態条項」(それは内閣の権限拡大や国民の私権制限を連想させます)も含めていません。つまり改憲論から、(9条改憲につきまとう)"復古色"や(緊急事態条項が帯びる)"強権性"を払拭しているのです。
 代わりに彼らがトップに掲げるのは「教育無償化」であり(自民の「教育の充実」より鮮明です)、残りの2つはいずれも「機構・制度改革」で、イデオロギー色のない「中立感」を漂わせています。このような庶民受け(=教育無償化)と中立性(=機構改革)が、維新改憲論の「手強さ」のゆえんなのです。


□反対の声を広げよう
 しかし、維新が「強権」や「復古」と無縁でないこともまた、彼らの牙城である関西の市民には周知のことでしょう。実際、総選挙マニュフェストには、「防衛費の増大」「宇宙空間等への防衛体制の強化」「領域内阻止能力(=敵基地攻撃能力の言い換え)の検討推進」をしっかりと掲げていますし、「国民に愛される、歴史と伝統に根ざした皇室制度の維持」をうたっています。
 まずは第1回目の憲法改正を庶民性と中立性を伴った項目で行ない、改憲の「国民的な成功体験」を経た上で、本丸の9条改憲を行なうという、以前から危険視されてきたシナリオが現実味を帯びかねません。それだけに、すぐにでも維新改憲論の危険性を多くの人に伝え、反対の声を広げていきたいと思います。 (監事 中里見博・大阪電気通信大学教員) 

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オトナは何歳から? 13歳? 18歳?

 11月中旬、最高裁判所は、抽選で選んだ市民に「あなたは来年の裁判員の候補者に選ばれました」と知らせる郵便を送ります。私はこの通知を、2008年に受けとりました。以来、裁判や司法について考えるようになり、市民の立場で活動を続けています。

 裁判員裁判の候補者は、衆議院選挙の名簿から抽選で選ばれます。2016年に選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられた時は「裁判員は20歳から」という例外規定がついたのですが、これが削除され、18歳から裁判員に選ばれることになりました。そして、これまでは罪を犯した人が20歳未満の場合は「少年」として取り扱われていたところ、選挙権や成年年齢の引き下げに伴って少年法が改正され、重大事件などでは18歳から成年同様に取り扱われることになりました。これからは18歳の裁判員が、18歳の被告人の人生を決める裁判を担当する可能性があるわけです。裁判員に、「わからないから保留」という選択肢はありません。熟考し、判決を決める一票を投じるのが役割です。

 年齢に関連して、他に「性交同意年齢」が、今、議論になっています。刑法177条は「13歳以上の者に対し暴行や脅迫を用いて...性交等...をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交した者も、同様とする」と定めています。暴行や脅迫がなく「同意した」と言えるのはどのような場合か。何歳になれば同意できるのか、などが論点です。

 「Yes means Yes」。すなわち、明確にYesと意思表示した時以外はすべて同意のないものとして処罰すべきという考え方から不同意性交等罪を新設すべきという意見がある一方で、それでは冤罪を生む恐れはないかという反対の声もあります。また、刑法177条は「13歳未満の者は、性的な自己決定の能力を有しない」ことを前提としているため、16歳など、性交同意年齢を引き上げてはどうかという議論もされています。

 私たちは何歳になれば、自分の意思を表明する能力や責任を持つことになるのでしょう。あなたは、オトナとして自己決定ができるのは何歳からだと思いますか?歳から」と法律で決めたとしても、誰もが自動的にオトナになれるわけではありません。市民社会を担う一員になるためには、法教育、人権ベースの性教育をはじめ、学科以外にも学ぶべきことがたくさんありそうです。

 私たちが子どもの「No」に耳を傾け、主体性を育み、自己選択・自己決定を尊重する。その積み重ねが必要です。そして、この社会が、一人ひとりの選択と決定を尊重し、お互いの声を尊重することが当たり前のことになっていないと、子ども達は息苦しい中で空気を読む知恵を求められても、自分の意見を持つ大人になりません。

 今年もそろそろ、来年の裁判員候補者に通知が届く時期です。候補者になった人は、ぜひ裁判に参加してください。世代も立場も、多様な人が参加し、多様な声が反映されることが、お互いに暮らしやすい社会に近づく一歩です。自分の意見を持ち、周囲に伝えることに慣れていないと、選挙や裁判の時になって意思表示するのは難しいと感じるかもしれません。ふだんから、自分の声に耳を傾け、お互いの立場の違いを尊重して伝えあう対話がある。そんな関係性を大切にしたいと思います。(監事 川畑惠子)


?子どもを守る言葉10月.jpg  レイチェル・ブライアン:著 中井はるの:訳 集英社

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「高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業」

「高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業」いよいよ始まりました。 
 この事業は高槻市からの受託事業で、期間は2021年7月から2022年1月末までで、委託されたのはSEANと(一社)タウンスペースWAKWAKの2法人です。

 新型コロナウイルス感染症の影響による外出機会の減少等から、市では、家庭で子どもを養育している子育て家庭の孤立を防止し、安心して子育てができるように、「高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業」を実施する運びとなりました 。
 (高槻市HP参照http://www.city.takatsuki.osaka.jp/kakuka/kodomo/kosodat/index.html)

  対象家庭は令和3年6月1日時点において3歳から5歳児の未就園のお子様がいる家庭。 申し込みは不要で、対象者にはこちらから事前に郵送で案内しています。子育て支援サービスや育児に関する情報の提供、子育ての悩みなどの相談に応じていきます。また家庭養育やお子様の学びに活用していただけるよう、お子様の年齢に合わせた絵本を直接お渡ししています。 

  訪問を担っているのはサポート部門「とんがらし」のワーカーです。新規登録の方々と共に3日間6講座の研修を重ねました。研修内容は、SEANの事業や大事にしている事等、事務局長中村の説明から始まり、高槻市子ども未来部子育て総合支援センター職員から、「市の子育て支援と『カンガルーの森』の取り組み」について学び、子ども保健課保健師から「子育て世帯を訪問する時の留意点、観察のポイント」を、元社会福祉協議会職員であり、社会福祉士、本事業責任者でもある金子芳恵から、「地域で子育てを支えることについて」の大切さを。そして、フェミニストカウンセリング堺の加藤伊都子さんをお迎えしてSEANが最も大事にしたいジェンダーの視点を中心に、「コロナ禍における母親の不安と子育て?ジェンダーに敏感な視点で読み解くDV等及び傾聴について?」、最後SEAN小川理事長より「ジェンダーやセクシュアリティに敏感な支援者になるための基礎知識、及び、事業を遂行するための心得について」でした。その後、訪問シュミレーションを何度も繰り返し、意見交換したうえで、実際の訪問へと向かいました。

  20年間の経験で学んできた、寄り添うことの意味や、一人ひとりの子ども、保護者との向き合い方、また関係団体との連携を深めてきた実績を基に、地域でひとりも取り残さない、寄り添い支援をしていきたいと考えてきました。この事業を通じて、市が行っている子育てサービスの情報が1人でも多くの子育て世代に届くよう、また、困った時には「助けてくれる人がいること」「サービスがあること」を伝えられるよう、そして、子ども支援・親支援の輪を広げることを視野に入れて事業を展開していきます。 (理事・事務局長 中村淑子)
  
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読書カフェが始まります!

 コロナ禍は、サポート部門の依頼の減少など、SEANの取組にも影を落としていましたが、2021年度は、新たに、高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業委託事業が始まっています。そして、SEAN独自の取組「読書カフェ」もまもなくスタートします。
 今回の最新トピックスでは、「読書カフェ」を始める中村淑子さんにお話を伺います。

 ――― どうして「読書カフェ」を始めようと思ったのですか? 
中村 SEANの事務所には、今までに購入したり、頂いたりした本がたくさんあります。男女共同参画や人権、障がい、LGBT、まちづくり等の専門書も、絵本と≪ジェンダー≫カフェで選んだ絵本もある。学習とか、研修とかではなく、もっと気楽にそういう本や絵本を手に取るチャンスを増やしたいと思いました。それに、コロナでこれまでのように事務所に来られる方も少なくなっています。カフェの日だからと、ふらりと訪れることができる「居場所」になったらいいなあという思いもあります。絵本と≪ジェンダー≫カフェのスタッフに企画を持ち込んだら賛成してくれて、理事会の承認も得れました。

 ――― 中村さんご自身からのお奨めは、どんな本ですか? 
中村 正直なところ、事務所に良さそうな本がたくさんあるなあと思いながら、なかなか読み始めることができずに、もったいないという気持ちでした。そういうなかで、絵本と≪ジェンダー≫カフェで、メンバーと絵本のことを話していると楽しいし、気づきや読みが深まったので、それなら「読書カフェ」をしてみたらと考えたんです。だからお奨めの本をみつけるのはこれからです。

 ――― どんな方に参加してほしいと思っていらっしゃいますか?
 中村 本や絵本が好きな方はもちろんですが、ちょっと苦手な方ともご一緒できたらと思っています。それと、ジェンダーとかフェミニズムが気になっているけれど、どんな本があるのかと探しているような方に来てもらえると嬉しいです。

 ――― 中村さんのお人柄と思いできっと素敵なカフェになるでしょう。安心できる場所、ほっとできる時間が、これまで以上に求められている今だからこそ、リアルに集えるこの取組に期待しています。    

最後に、中村さんからのリクエストで、最近、読んだ本から1冊をご紹介します。
『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』森山至貴 WAVE出版 2020年。
https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866213033/
 「あなたのためを思って言っているんだよ」や「これは差別ではなく区別」など29の「ずるい言葉」に効く(かもしれない)処方箋です。書名に「10代から」とありますが、世代にかかわらず「ずるい言葉」を言われたときのために、そして「ずるい言葉」を使わないために読んでみてはどうでしょう。
 (『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』シーンの事務所にあるとのこと、ぜひお読みください!    理事 堀 久美)

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出前授業 ワークスタッフ養成講座

 梅雨が明け、セミの声がにぎやかになり、一気に「夏」を感じますね。 
 学校も夏休みに入り、「あーこれから毎日お昼のお弁当を準備しないといけないなー」と給食のありがたさをひしひしと感じています。 
  コロナ禍ではありましたが、教育部門G-Freeではプログラムの出前授業を小学校、中学校で実施させていただきました。クイズを考えたり、DVDをみたり、言葉カードや感情サイコロ、劇を子どもたちと一緒にしながらジェンダーの知識や権利について考える小学生対象の「みんな活き活きプログラム」を4校14クラス 、中学生向けプログラムは、5校28クラスに届けることができました。 
  子どもたちは本当にパワーがいっぱいです。子どもたちに直接かかわれることで私たちスタッフも元気がもらえています。
 小学4年生の感想を一部ご紹介します。 
 ・男の子と女子にだってきまりはないということがいんしょうにのこっています。「男の子だってないていい。」「女の子だって、いっていい。」と聞いたときに、わたしは、自分にじしんがもてました。じゅぎょうほんとうに楽しかったです。
 ・気持ちにフタをしたら自分が悲しくなるだけだから自分の気持ちにフタをしないようにしようと思いました。自分はがまんして友達だけにやさしくすることは「なかよし」といわないということを初めてしりました。これからは、友達も自分も、もっと大事にしようと思いました。
 ・「気持ちにフタ」をすることで自分をごまかすと自分にやさしくないことを知ってうれしかったです。 素敵な感想がいっぱいでちゃんと伝わっているな?とうれしく感じます。 
  2学期、3学期もたくさん出前授業の予定があります。どんどん増えるニーズに応えられるようにスタッフを増やしたいと、デートDV予防教育ワークスタッフ養成講座を7月31日、8月31日に実施します。 子どもたちに関わりたい方、自分を大切にする権利や暴力の連鎖等プログラムに興味のある方、ぜひご参加ください。仲間になって一緒にプログラムを届けませんか? (理事 戎 多麻枝)

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