6月も下旬、夏至を迎える候ですね。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。今年はやけに早く梅雨入りしたと思ったら、今月に入ってからはけっこう晴れ間もあるという、なかなかハッキリしない天気で、ビミョ?な気分にもなってしまいますが、ぼちぼち、楽しいことを見つけながらやりくりしていきたいものです。 

 ただこの「梅雨」という、春でもなく夏でもない季節、それでいて春の続きでもあり夏がもう始まっていなくもないという、きわめてマージナルなこの期間、その曖昧さが、私はじつは好きだったりもします。 

 そう、何事にも境界という領域にはじゅうぶんな幅があるにこしたことはないのです。線を1本引いて、ソコで完全に「あっち」と「こっち」に分断できるんだ、という発想は横暴です。どちらでもない。どちらでもある。そういう境界性を認めないのは、本当に豊かな社会でしょうか。季節でも、そして人種・民族、さらには性別でも。 

 そうして、このいろいろな事柄を単純に分断しようという力学がはたらきがちなこのセカイにあって、春夏秋冬なんて言っても、そんなにきっちり分けられるものじゃないゼ! とばかりに、名前までつけてもらって存在感を示している「梅雨」という季節は、やはりなかなか頼もしくもカワイイ奴だと言えましょう。 

 そう考えると、梅雨の季節感の情趣を醸すための表象として、往々にしてカタツムリが活躍するのも、必然的な縁なのかもしれません。言うまでもなくカタツムリ、またの名をマイマイは雌雄同体。性別的にスッキリ割り切れない存在です。そしてだからこそ、SEANが実施する「まいまい楽座」の命名にも一役買ってくれるかたちになっているわけですね。

 「まいまい楽座」は、試行段階を含めると、その実施ははや9年度めに突入するのですが、ここまで、自分のジェンダーないしはセクシュアリティにまつわる事項について「どちらでもない」「どちらでもある」等々感じて、あれやこれや抱えている人が、集まり、楽になれる場として、その意義を深めてきました。今年度の第1回は7月3日ですが、今後とも地道に継続していきたいと思っています。  (理事 佐倉智美)